05 nno.15

 彼は。いつも。


 十分経つと、どこかへ去っていく。


 仕事で電光掲示板のチェックをしているのだから。仕事が終わったら帰るのは普通なのかもしれない。自分も、仕事の帰りだし。


 それでも。


 少しだけ、わたしのために、残ってくれるかなと。思った。思っただけ。


「やっぱり、三十路越えてると、だめなのかな」


 今日も、コンビニスイーツ買っちゃったし。欲望に忠実になってきている。


 彼と。一緒にいたい。


「なにしてんだろ、私」


 もう三十越えてんのに。初恋に身を焦がすとか。考えたくもないなあ。


「帰ってコンビニスイーツ食べよ」

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