レーマ帝国

レーマ帝国の身分・称号

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 役職 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


皇帝インペラトル【IMPERATOR】

 レーマ帝国の元首。

 レーマ帝国の野戦軍コミターテンセスを統帥し、対外戦争を統括する。

 元老院に罷免権があり、世襲ではなく公爵ドゥクスの中から選出される。


海軍長官マギステル・ナヴァリウム【MAGISTER NAVALIUM】

 レーマ帝国の野戦軍コミターテンセスに所属する艦隊を統括する。帝国海軍の長だが、近衛軍プラエトリアニ辺境軍リミタネイの艦隊に対する直接指揮権は無い。


執政官コンスル【CONSUL】

 レーマ帝国の宰相。

 侯爵マルキオーに相当。

 内閣に相当する二十人官ウィギンティウィリを主導する。

 レーマ帝国の近衛軍プラエトリアニの最高司令官。

 元老院議員セナートルの中から議員選挙で選出される。


総務長官ケンソル【CENSOR】

 国勢を管理し風俗や綱紀を守る閣僚クルリス

伯爵コメスに相当。

 内閣に相当する二十人官ウィギンティウィリの一人。

 執政官コンスルによって指名され、元老院セナートスの承認によって任命される。


財務長官ラティオナリス【RATIONALIS】

 財務を担当する閣僚クルリス

 伯爵コメスに相当。

 内閣に相当する二十人官ウィギンティウィリの一人。

 執政官コンスルによって指名され、元老院セナートスの承認によって任命される。


造営長官アエディリス【AEDILIS】

 インフラの建設と整備を担当する閣僚クルリス

 伯爵コメスに相当。

 内閣に相当する二十人官ウィギンティウィリの一人。

 執政官コンスルによって指名され、元老院セナートスの承認によって任命される。


法務長官プラエトル・パラティイ【PRAETOR PALATII】

 法務を担当する閣僚クルリス

 伯爵コメスに相当。

 内閣に相当する二十人官ウィギンティウィリの一人。

 執政官コンスルによって指名され、元老院セナートスの承認によって任命される。


近衛長官プラエフェクトゥス・プラエトリイ【PRAEFECTUS PRAETORII】

 レーマ本国防衛を担当し近衛軍プラエトリアニを統率する閣僚クルリス

 伯爵コメスに相当。

 内閣に相当する二十人官ウィギンティウィリの一人。

 執政官コンスルによって指名され、元老院セナートスの承認によって任命される。


海軍司令長官プラエフェクトゥス・クラッシウム【PRAEFECTUS CLASSIUM】

 レーマ本国の海軍である近衛軍プラエトリアニ艦隊を統率する閣僚クルリス

 伯爵コメスに相当。

 内閣に相当する二十人官ウィギンティウィリの一人。

 執政官コンスルによって指名され、元老院セナートスの承認によって任命される。


主席元老院議員プリンケプス・セナートス【PRINCEPS SENATUS】

 元老院セナートスで議長を務める元老院議員セナートル

 侯爵マルキオーに相当。

 一般には伯爵コメス位を有する元老院議員セナートルから選ばれる。


筆頭元老院議員インテルレクス【INTERREX】

 元老院セナートスの議員で伯爵コメスに相当。

 多様に存在する政治問題について分野ごとに担当するとりまとめ役。「外交委員長」とか「財政委員長」とかに相当。


元老院議員セナートル【SENATOR】

 元老院セナートスの議員で子爵ウィケコメス相当とされるが、長年勤めあげると功績に応じて男爵バロから伯爵コメスまでの爵位を叙爵する。


藩王プリンケプス・パトリアーヌス【PRINCEPS PATRIANUS】

 レーマ帝国に帰属はしているが独立を保っている国の君主または元首。

 任命権や罷免権といったものはレーマ帝国には無く、藩王国内でそれぞれ決める。

 世襲君主の場合は「レックス【REX】」とも呼ばれることが多い。

 通常は「藩王プリンケプス【PRINCEPS】」と略して呼ばれる。

 公爵ドゥクス、あるいは侯爵マルキオーに相当する。


属州総督レクトル・プロウィンキアエ【RECTOR PROVINCIAE】

 領主のいない属州を統治するためにレーマから派遣される。

 治める属州によって侯爵マルキオー伯爵コメスに相当。


属州領主ドミヌス・プロウィンキアエ【DOMINUS PROVINCIAE】

 属州を統治する世襲領主。

 辺境属州なら侯爵マルキオー、一般属州なら伯爵コメス


財務官クァエストル【QUAESTOR】

 財務長官ラティオナリスの下僚。


属州財務官クァエストル・プロウィンキアエ【QUAESTOR PROVINCIAE】

 財務長官ラティオナリスの下僚で、レーマ本国から各属州に派遣され、属州の財務を管理する。

 通常は単に財務官クァエストルと略して呼ばれる。


自治領財務官クァエストル・テリットリイ【QUAESTOR TERRITORII】

 財務長官ラティオナリスの下僚で、レーマ本国から各自治領に派遣され、領地の財務を管理する。

 通常は単に財務官クァエストルと略して呼ばれる。


法務官プラエトル【PRAETOR】

 法務長官プラエトル・パラティイの下僚、または自治領で法務をつかさどる役職。


属州法務官プラエトル・プロウィンキアエ【PRAETOR PROVINCIAE】

 法務長官プラエトル・パラティイの下僚、レーマ本国から各属州へ派遣され、属州の法務をつかさどる役職。

 通常は単に法務官プラエトルと略して呼ばれる。


自治領法務官プラエトル・テリットリイ【PRAETOR TERRITORII】

 法務長官プラエトル・パラティイの下僚、レーマ本国から各自治領へ派遣され、自治領の法務をつかさどる役職。

 通常は単に法務官プラエトルと略して呼ばれる。


都市監督官クラトル・キビタティス【CURATOR CIVITATIS】

 都市の統治を総括する役職で、レーマ本国あるいは領主に任命される市長。

 一般には男爵バロに相当、あるいは準じる上級貴族パトリキ見做みなされるものの、上級貴族パトリキからは下級貴族ノビレスと見做される中間的立ち位置。

 通常は単に監督官クラトルと略して呼ばれる。


郷士ドゥーチェ【DUCE】

 レーマ帝国においては領主から地域または地区の統治を任される世襲制の代官の役職名として用いられているが、「ドゥーチェ【DUCE】」という単語そのものは「案内する」「指導する」を意味することから「親方」「棟梁とうりょう」「指導者」「指揮官」といった意味で役職名以外でも広く用いられる単語。

 治安維持のため民兵(通常は大隊コホルス規模を上限とする)を招集して統率する権限を有し、そのための武器も領主から貸与される。

 下級貴族ノビレス


製鉄長官マギステル・フェラーリイ【MAGISTER FERRARII】

 製鉄官を束ねる聖貴族コンセクラトゥム


製鉄官プラエフェクトゥス・フェラーリイ【PRAEFECTUS FERRARII】

 製鉄所において《火の精霊ファイア・エレメンタル》を使役する聖貴族コンセクラトゥム


参事会員デクリオ【DECURIO】

 複数形は「デクリオネス【DECURIONES】」。

 地方都市コロニア【COLONIA】、あるいは大きな都市内部の行政区分ムニキピウム【MUNICIPIUM】の参事会デクリオネス【DECURIONES】の議員。


最高神祇官ポンティフェクス・マクシムス【PONTIFEX MAXIMUS】


大神官ポンティフェクス【PONTIFEX】


預言者プロフェータ【PROPHETA】

 複数形は「プロフェータエ【PROPHETAE】」。

 《地の精霊アース・エレメンタル》、《水の精霊ウォーター・エレメンタル》、《風の精霊ウインド・エレメンタル》といった精霊エレメンタルの声を聴き、吉兆を占う神官フラメンの役職。

 聖貴族コンセクラトゥムがなる。


鳥卜官アウグル【AUGUR】

 複数形は「アウグレス【AUGURES】」

 やることは預言者プロフェータと基本的に一緒だが、精霊エレメンタルを感じることができるが念話等で交信は出来ない。感じ取った精霊エレメンタルの気配から、精霊エレメンタルの意思などを予想し、吉兆を占う神官フラメンの役職。


臓卜官ハルスペクス【HARUSPEX】

 複数形は「ハルスピケス【HARISPICES】」。

 鳥卜官アウグルの別称として用いられることが多いが、鳥卜官アウグル精霊エレメンタルの気配を感じ取ることによってのみ吉兆を占うのに対し、臓卜官ハルスペクスは生贄を捧げて積極的に精霊エレメンタルに呼びかけ、時には精霊エレメンタルに何らかの要求をする祈祷のような行為もする点が異なる。


護衛隊長プリムス・リクトル【PRIMUS LICTOR】

 護衛官 リクトルを指揮する隊長で護衛官リクトルの中から選出・任命される。


護衛官リクトル【LICTOR】

 要人を警護する専門職。

 護衛官リクトルになると戦争中でも兵役を免除される。

 市民権を持つ者でなければなれないが、貴族ノビリタスの子弟で護衛官リクトルになる者はほぼいない。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 身分・位階 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


上級貴族パトリキ【PATRICII】

 複数形はパトリキウス【PATRICIUS】。ラテン語のパテル【PATER】が語源。

 レーマ帝国においては降臨者の地を引く聖貴族コンセクラトゥムか、爵位を持つ貴族を指す。


下級貴族ノビレス【NOBILES】

 上級貴族パトリキ以外の貴族ノビリタス聖貴族コンセクラトゥムでもなければ爵位も持っていないが、権力や財力をもって社会に影響を及ぼし得る人々を指し、定義は割と曖昧。上級貴族パトリキの家臣や上級使用人アッパー・サーヴァント、大地主や大商人等が一般に含まれる。

 上級貴族パトリキは没落しても上級貴族パトリキとしての家格を保ち続けるのに対し、下級貴族たちノビレスは没落すると貴族ノビリタスとは見做みなされなくなる。


貴族ノビリタス【NOBILITAS】

 元々の単語としては下級貴族ノビレスの別称だったが、現在のレーマ帝国においては一般に上級貴族パトリキ下級貴族ノビレスまとめた総称として使われる。


聖貴族コンセクラトゥム【CONSECRATUM】

 降臨者の血を引く上級貴族パトリキ

 男性は「コンセンクラトゥス【CONSENCRATUS】」、女性は「コンセンクラータ【CONSENCRATA】」。


聖母マグナ・マテル【MAGNA MATER】

 降臨者の子供、特に優れた聖貴族コンセクラトゥムを生んだ女性に与えられる称号。

 最上位の聖貴族コンセクラータであり、崇拝の対象となっている。


聖人サクルム【SACRUM】

 降臨者の配偶者となった者を指し、出身身分にかかわらず聖貴族コンセクラトゥムとして扱われる。

 男性は「聖配サケル【SACER】」、女性は「聖女サクラ【SACRA】」。


巫女サセルダ【SACERDA】

 複数形は「サセルダエ【SACERDAE】」。

 降臨者に仕える女性のこと。


神官フラメン【FLAMEN】/女神官フラミナ【FLAMINA】


〇アウグストゥス【AUGUSTUS】

 皇帝に与えらえる称号。


〇アウグスタ【AUGUSTA】

 皇帝の家族の女性に与えらえる称号。


〇カエサル【CAESAR】

 副帝に与えられる称号。


〇ディオクレティアヌス【DIOCLETIANUS】

 退位した元皇帝に与えられる称号。


公爵ドゥクス【DUX】/公爵夫人ドゥキッサ【DUCISSA】

 皇帝直轄属州の領主、または皇位継承権を有する氏族の長に与えられる爵位。

 上級貴族パトリキ

 徐爵には元老院セナートスの承認を要する。


侯爵マルキオー【MARCHIO】/侯爵夫人マルキオニッサ【MARCHIONISSA】

 辺境属州領主、辺境属州総督または執政官に与えられる爵位。

 辺境属州とは帝国外縁に位置し、帝国と敵対しうる勢力と隣接する属州を指す。他の属州と違って、帝国の防衛(あるいは版図拡大)に直接関係する属州であるため、その領主/総督には一段高い権限が与えられている。このため、他の属州の領主/総督と差別化を図る必要性があったため、侯爵位が設けられた。

 上級貴族パトリキ

 徐爵には元老院セナートスの承認を要する。


伯爵コメス【COMES】/伯爵夫人コミティッサ【COMITISSA】

 属州領主、属州総督、引退した功績の特に大きい元老院議員セナートルまたは執政官以外の閣僚に与えられる爵位。

 上級貴族パトリキ

 徐爵には元老院セナートスの承認を要する。


子爵ウィケコメス【VICECOMES】/子爵夫人ウィケコミティッサ【VICECOMITISSA】

 属州副領主、地方領主または引退した功績の大きい元老院議員セナートルに与えられる爵位。

 上級貴族パトリキ

 徐爵には元老院セナートスの承認を要する。


男爵バロ【BARO】/男爵夫人バロニッサ【BARONISSA】

 地方領主または引退した元老院議員セナートルに与えられる爵位。

 上級貴族パトリキ

 徐爵には元老院セナートスの承認、または伯爵コメス以上の領主の承認を要する。


騎士エクィテス【EQUITES】

 単語そのものは騎兵を指す「エクェス【EQUES】」の複数形。

 軍功のあった者に与えられる称号で、下級貴族ノビレス見做みなされる。称号は次代の家長が軍に身を置けば世襲できる。

 軍務以外でも騎乗する権利を有する。


〇ドミヌス【DOMINUS】/ドミナ【DOMINA】

 ドミヌスは男性で英語でのミスター【Mister】、ドミナは女性で英語でのミストレス【Mistress】(ミセスはミストレスの略)に相当。

 日本語における「領主様」「ご主人様」「旦様/女将(様)」「店長」「社長」などの多くの語に対応する。


平民プレブス【PLEBS】


解放奴隷リーベルトゥス【LIBERTUS】/女解放奴隷リーベルタ【LIBERTA】

 解放された元奴隷で、基本的に元主人の被保護民クリエンテスになった。

 年に一定日数だけ元主人に対して労働奉仕オペエラをする義務がある。


異邦人ペレグリヌス【PEREGRINUS】

 異邦人の他、放浪者、余所者といった意味。市民権を持たない平民プレブスに対する蔑称として用いられることが多い。


奴隷セルウス【SERVUS】/女奴隷セルウァ【SERVA】


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 軍事関係 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


軍団司令ドゥクス・レギオニス【DUX LEGIONIS】

 通常は単に「司令ドゥクス」と略して呼ばれる。

 近衛軍プラエトリアニおよび野戦軍コミターテンセスに所属する軍団レギオー司令ドゥクス皇帝インペラトルで、辺境軍リミタネイの場合はその軍団レギオーを編成する領主がなる。各軍団レギオーに一人。

 軍団レギオーの名目上の最高責任者であって、直接軍団レギオーの指揮を執ることは基本的に無い。


軍団長レガトゥス・レギオニス【LEGATUS LEGIONIS】

 単に「軍団長レガトゥス」と略して呼ばれることも多い。

 「レガトゥス【LEGATUS】」とは本来「伝令」という意味であり、「レガトゥス・レギオニス」という役名は「軍団司令ドゥクス・レギオニスの命令を伝える役目」というところから来ている。

 実質的な軍団指揮官であるため日本語表記は「軍団長」になっているが、厳密には「軍団副指令」が正しい。

 各軍団レギオーに一人で、上級貴族パトリキがなる。

 軍団司令ドゥクス・レギオニスが直接指揮を執る軍団レギオーでは空位になっている場合もある。


筆頭幕僚トリブヌス・ラティクラウィウス【TRIBUNUS LATICLAVIUS】

 単に「幕僚殿トリブヌス【TRIBUNUS】」と略されて呼ばれることが多い。

 軍団幕僚トリブヌス・ミリトゥムの中でも最高位であり、実質的な軍団副長とも言うべき地位。軍団長レガトゥス・レギオニスの身に何かあった場合は自動的に指揮権を継承し、軍団レギオーを指揮する。

 通常は最高位または最先任の軍団幕僚トリブヌス・ミリトゥムが就任する。ただし、辺境軍リミタネイでは軍団司令ドゥクス・レギオニスやその他の大貴族パトリキの子弟のためのポストになっており、実際には何もしない御飾り扱いなのが一般的である。空位になっている軍団レギオーも珍しくない。

 貴族ノビリタスがなる。


軍団幕僚トリブヌス・ミリトゥム【TRIBUNUS MILITUM】

 単に「幕僚殿トリブヌス【TRIBUNUS】」と略されて呼ばれることが多い。

 軍団レギオー運営の実務に携わる重役。

 基本的に各軍団レギオーに六名で貴族ノビリタスがなるが、このうち一名は元老院議員セナートルでなければならない。

 元老院議員セナートルが各軍団レギオー軍団幕僚トリブヌス・ミリトゥムを兼任するのは、軍団レギオーの暴走や叛乱を未然に防ぐための措置であるが、実際のところは元老院議員セナートルが軍事面での実績キャリアを積むための制度である。ほぼ形骸化けいがいかしており、元老院議員セナートルは名義だけを貸して実際には着任しないのが一般的になっている。


要塞司令プラエフェクトゥス・カストリ【PRAEFECTUS CASTRI】

 特定の永久要塞カストルム・スタティヴァの運営管理を統括する。

 各要塞カストルムに一名で、基本的に貴族ノビリタス出身で元軍団幕僚トリブヌス・ミリトゥム経験者が就くが、稀に筆頭百人隊長プリムス・ピルス経験者が就任する。


陣営隊長プラエフェクトゥス・カストロルム【PRAEFECTUS CASTRORUM】

 野営する際の陣地運営を総括する。

 各軍団レギオーに一名。元筆頭百人隊長プリムス・ピルスが就任する。このため平民プレブス出身者である場合がほとんどにも拘わらず、貴族ノビリタス出身の軍団幕僚トリブヌス・ミリトゥムと同格に扱われる。

 基本的に退任後の筆頭百人隊長プリムス・ピルス軍団レギオーに留まる際の名誉ポストであり、空位になっている軍団レギオーも多い。

 

四倍給兵クアドラプリカーリウス【QUADRUPLICARIUS】

 軍団兵レギオナリウスの給与別階級の最上位の高級将校。

 軍団兵レギオナリウス四倍の給料クアドラプリカーリイが支払われることからこう呼ぶが、軍団幕僚トリブヌス・ミリトゥムと同水準の給料であり軍団兵レギオナリウスでこの給料をもらえる者は稀である。

 基本的に軍団レギオー筆頭百人隊長プリムス・ピルスただ一人しか該当しないので、この呼び方は普通は使われない。


筆頭百人隊長プリムス・ピルス【PRIMUS PILUS】

 第一大隊コホルス・プリマを指揮する大隊長ピルス・プリオルの称号。

 各軍団レギオーに一人で最先任、または最優秀の大隊長ピルス・プリオルが就任する。

 軍団兵レギオナリウスが出世して到達できる最高位であり、平民プレブスの少年は一度はなることを夢見る憧れの対象。息子が生まれると「いつかこの子を筆頭百人隊長プリムス・ピルスに」と願う父親は多い。

 筆頭百人隊長プリムス・ピルスになると騎士エクィテスの称号が与えられ、退任後は下級貴族ノビレスに列せられる。

 実戦機会の無い軍団レギオーでは退役前の大隊長ピルス・プリオルたちに華を持たせるための名誉職と化している。

 現役将兵唯一の四倍給兵クアドラプリカーリウス


三倍給兵トリプリカーリウス【TRIPLICARIUS】

 高級士官のこと。一般の軍団兵レギオナリウス三倍の給料トリプリカーリイを受け取ることにちなむが、基本的に大隊長ピルス・プリオルだけなのでこの呼び方は使われない。


連隊長トリブヌス・アングスティクラウィウス【TRIBUNUS ANGUSTICLAVIUS】

 軍団レギオーから二個大隊コホルス以上の戦力を分派する際に設けられる臨時職。日本語では「連隊長」と表記されるが「分遣隊長」あるいは「支隊長」と表記する方が正しいかもしれない。

 各分遣隊に一名。筆頭百人隊長プリムス・ピルスが居れば筆頭百人隊長プリムス・ピルスが、いない場合は大隊長ピルス・プリオルの誰かが就任するが、稀に軍団幕僚トリブヌス・ミリトゥムが就く場合もある。

 臨時職なので手当て等は無い。


大隊長ピルス・プリオル【PILUS PRIOR】

 大隊コホルスを指揮する。

 各大隊コホルスに一人で、百人隊長ケントゥリオが出世して就任する。

 三倍給兵トリプリカーリウス


二倍給兵ドゥプリカーリウス【DUPLICARIUS】

 士官のこと。一般の軍団兵レギオナリウス二倍の給料ドゥプリカーリイが支給されるためこう呼ばれる。

 二倍給兵ドゥプリカーリウスになるには一倍半給兵セスクィプリカーリウスとしての実績と上官の推薦、そして学力テストに合格することが必要。


中隊長プリミ・オルディネス【PRIMI ORDINES】

 複数の百人隊ケントゥリアが一つの中隊マニプルスとしてまとまって作戦行動する際に設けられる臨時職で中隊マニプルスを指揮する。

 各中隊マニプルスに一名で、中隊マニプルスに組み込まれた百人隊ケントゥリア百人隊長ケントゥリオが就任する。ほぼ輪番制。

 臨時職なので手当て等は無い。


百人隊長ケントゥリオ【CENTURIO】

 百人隊ケントゥリアを指揮する。

 各百人隊ケントゥリアに一人。二倍給兵ドゥプカーリウスが就任するが、指揮する百人隊ケントゥリアは定期的に替わり、軍団レギオー全体の作戦能力や百人隊ケントゥリアの指揮能力が平均化するようになっている。

 最前線で目立つ格好をする前線指揮官であるため軍団レギオーのあらゆる役職の中で最も死傷率が高い。

 二倍給兵ドゥプリカーリウス


百人隊長補コルニクラーリウス【CORNICULARIUS】

 指揮すべき百人隊ケントゥリアを持たない二倍給兵ドゥプカーリウスで、いわば百人隊長ケントゥリオの予備。百人隊長ケントゥリオのポストが輪番制なので、その順番待ちをしている待機職。

 いずれかの百人隊ケントゥリア百人隊長ケントゥリオの補佐をしてたり、何か臨時で作業を行わねばならない場合に他の百人隊ケントゥリアから軍団兵レギオナリウスを借りて指揮をとって作業を行ったりする。

 二倍給兵ドゥプリカーリウス


軍団旗手アクィリフェル【AQUILIFER】

 軍団の紋章アクィラ【AQUILA】を掲げたり運搬したりする役職。

 基本的に軍団に一人の名誉職。

 二倍給兵ドゥプリカーリウス


一倍半給兵セスクィプリカーリウス【SESQUIPLICARIUS】

 下士官の事。通常の軍団兵レギオナリウス一倍半の給料セスクィプリカーリイが支給されることからこう呼ばれる。


選抜歩兵オプティオ【OPTIO】

 下士官の総称で軍団兵レギオナリウスから選抜される一倍半給兵セスクィプリカーリウス


百人隊副長オプティオ・ケントゥリアエ【OPTIO CENTURIAE】

 百人隊長ケントゥリオを補佐する選抜歩兵オプティオだが、通常は単に「副長オプティオ【OPTIO】」と略して呼ばれる。

 各百人隊ケントゥリアに一名。

 一倍半給兵セスクィプリカーリウス


連絡士官テッセラリウス【TESSERARIUS】

 主に伝令が仕事だが、「上官の命令を伝える」という意味で百人隊長ケントゥリオに代わって部隊を指揮することもある。

 通常は各百人隊ケントゥリアに一名。

 一倍半給兵セスクィプリカーリウス


百人隊旗手シグニフェル【SIGNIFER】

 百人隊ケントゥリアの軍旗を掲げる名誉職。

 各百人隊ケントゥリアに一名。

 一倍半給兵セスクィプリカーリウス


ラッパ手コルニケン【CORNICEN】

 号令ラッパを吹くのが主な仕事だが、信号弾の打ち上げなども行う。

 各百人隊ケントゥリアに一名。

 一倍半給兵セスクィプリカーリウス


十人隊長デクリオ【DECURIO】

 歩兵八名からなる十人隊コントゥベルニウムを指揮する一倍半給兵セスクィプリカーリウス。または騎兵からなる小隊デクリアを指揮する二倍給兵ドゥプリカーリウス


軍団兵レギオナリウス【LEGIONARIUS】

 軍団レギオーを構成する歩兵。十六歳以上の成人男性が軍団レギオーに入隊してなるが、その軍団レギオーを構成する種族はヒトならヒトだけ、ゴブリンならゴブリンだけと言う風に統一されている。

 日当は一日一デナリウス(=四セステルティウス)だが、年に三回に分けて支払われる。他にも給料の他に各種手当があり基本給だけでも一般の平民プレブスが生活するために必要な年収の二倍以上の給料ではあるが、日々繰り返される訓練は「血の流れない実戦」と形容されるほど厳しく、身体的にはかなりキツイ。

 二十五年間勤め上げると満期除隊となり、一ヘレディウム(約5476㎡)の農地か、それに相当する退職金を貰うことができる。近衛軍プラエトリアニ野戦軍コミターテンセスの場合は、満期除隊によってレーマ市民権も貰える。辺境軍リミタネイの場合はその軍団レギオーを編成する領主の領地の市民権が与えらえる。


支援軍兵士アウクシリアリウス【AUXILIARIUS】

 支援軍アウクシリアの兵士であり、レーマ帝国に雇われている傭兵。


艦隊司令プラエフェクトゥス・クラッシス【PRAEFECTUS CLASSIS】

 一つの艦隊クラッシスを指揮・統率する。各艦隊クラッシスに一人。

 通常は単に「提督プラエフェクトゥス」と略して呼ばれる。

 陸軍で言えば軍団長レガトゥス・レギオニスと同格だが、海に関する高度に専門的な知見を要求されるため、必ずしも上級貴族パトリキが就くとは限らない。基本的に貴族ノビリタスが就くが、辺境軍リミタネイに所属する艦隊クラッシスの場合は海賊あがりの平民プレブスが就くこともある。


船長カピタネウス【CAPITANEUS】

 艦船を指揮する。各艦船に一人。

 稀に「大将」や「カシラ」という意味で「第一人者プリンケプス【PRINCEPS】」と呼ばれることもある。

 日本語では民間船舶なら「船長」、軍艦なら「艦長」と使い分けらえるが、レーマでは特にそういう使い分けは無い。


志願兵ウォルンターリウス【VOLUNTARIUS】

 複数形は「ウォルンターリィ【VOLUNTARII】」

 自らの意思で入隊してきた軍人。装備品を自前で用意して来る事が多いことから、募兵に応じて招集された兵士よりも人事等で若干優遇される。


予備役士官プラエフェクトゥス・エウォカトルム【PRAEFECTUS EVOCATORUM】

 満期除隊した士官のこと。


復帰兵エウォカトゥス【EVOCATUS】

 複数形は「エウォカティ【EVOCATI】」

 本来は名誉除隊等で退官した軍団兵レギオナリウスのことだが、人手不足解消のために要請されて軍務に復帰した老兵を特に指してこう呼ぶ。復帰した兵士は補助戦力として雑務や要塞等の施設運営・守備に携わる。

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