第37話

 「サァ、ヤットオシロノイリグチニツキマシタ」

 人形ロボットの前には、要塞の入り口が見えた。

 初めて、間近で見たこの要塞は言葉で言い表せない程の圧倒的スケール感があった。  「ゴシュジンサマハ、コノチカノオオヒロマニオラレマス」

 人形ロボットは、ギシギシ鳴らした自分の腕を伸ばすと、ゆっくりと入り口の扉を開けた。

 俺は、圭吾と志帆の顔を確認すると、静かに階段を降り人形ロボットの後に付いていった。

 その階段は自分達を受け入れているかの様な、特殊な素材で出来ている感じがした。

 そして、大広間に到着すると中央の長椅子に、初老の男性が座っている事に気付いた。後ろから見ても、高貴な紳士的な初老の男性だった。

 その、男性はクルリと俺達の方を見ると、俺は「あッ!」と声を挙げた。

 「ジイちゃん!?」そこには、俺が幼い頃に亡くなっていた筈の祖父の様な男性が居た。〈いや、あれは絶対ウチのジイちゃんだ。でも、何でこんな所に?〉

 そして、この初老の男性はゆっくりと口を開いた。

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