第36話

 「サア、コチラニツイテキテクダサイ」相変わらず、辿々しい言葉使いでこの人形ロボットは俺達に命令してきた。

 10分程歩くと、要塞っぽい物が見えてきた。

 「サア、アソコガゴシュジンサマノスンデオラレルオシロデス」

 …しかしこの、人形ロボットはいきなり、喋りだす。

 それは、何者かに既にこう喋る様、インプットされているかの様に

 〈あそこに、御主人様とやらが住んでいるのか?もしかしたら、この仮想現実の謎も何か知っているのかもしれない〉

 俺は、周りを見渡すとここは、陸地から離れた小さな孤島で有る事に気付いた。空気も、先程までの鉄の焦げた臭いは無く、とても清んでいる。

 そう、ここはやはり俺達の脳が作り出した、もう一つの世界なのかもしれない。

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