第35話

 そして離陸から約30分後に、運転席に居るであろうあの人形ロボットの声が聞こえてきた。

 「ソロソロ、チャクリクイタシマス。オキャクサマハヨクオツカマリニナッテ、リクニツイテカライドウシマスヨウオネガイイタシマス」ロボットでも、こういう所はしっかりしている。

 まるで、俺達の世界にも在る機内アナウンスの様だ。

 俺と志帆は、それが可笑しくてお互い顔を見合せ「ふふふッ」と、笑いあった。

 そして、ゆっくりと着陸し、「さぁー、やっと着いたぞ。別に飛行船の中では何とも無かったな。圭吾の言った通り、丁度30分後に着いたし!」と、俺は圭吾の方を見てみた。

 その時の圭吾の顔は、あの屋根裏の時に見た自信と不安に満ちている様な顔付きだった。

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