第28話

 「さぁ、二人ともこのゴーグルを被って頭の中に思い描く世界を作ってみて。それが、二次元の世界に行ける入口だから」と、俺は圭吾と志帆に促した。

 〈思い描いたって、どうせあのアクビ達が居る世界に行くだけだから。どうせなら、志帆達を驚かしてやろうか〉俺は、少し罪悪感を抱えながらも、二人をあの幻想的な世界に連れて行きたかった。

 志帆は「そんな事、言ったって何を想像して良いか、分からないよ」と言ってきた。

 圭吾も、クールな表情を崩しながら何かを考えている様だった。

 そして、俺達三人はゴーグルを被るとスイッチをONにした。

 そして目の前が、暗闇と光に包まれ脳が余計な事を考えさせない様、無意識な状態を作り出した。

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