第20話

 帰り道、エルパがいきなり「お兄さんが居る世界はどんな感じなの?」と話し掛けてきた。

 俺は、答えに躊躇してしまったが「…誰もが、生き急いでいる感じかな?この、世界の様にゆっくり時間が過ぎれば良いのにね」と、返した。

 エルパは「そっかぁ!ま、この世界も、良い事ばかりでは無いけどね」と、返してきた。

 行きは、直ぐ着いたと思ったが帰りは、中々たどり着くのに時間が掛かった。

 やっと、集落に到着した俺は「お兄さん、今日は付き合ってくれて有難う」と、エルパに声を掛けられた。

 俺も「こちらこそ、有難うな」と返し、短い時間だったが小人達と信頼関係を結べた様な気がした。

 アクビも「今日は我々と付き合ってくれて有難うございます。もう、そろそろ戻られるかな?」と、声を掛けてきた。

 俺は、「そうだね。そろそろ、戻らないと両親が心配するからね」と返し、「あ、そうだ?もしかして30年位前に同じ様な人間を見たって、俺の親父…?」と、疑問に思っていた事をアクビに聞くと、「姿形が君に似ているから、多分そうだと思うよ」と返してきた。

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