第19話

 そして、「はぁはぁ」と息を切らした俺の目の前に、これ又とても幻想的で俺達の居る世界とは比べ物にならない位、大きく澄んだ河が現れた。

 〈一体、いつの間にこんな所まで来たんだ!?〉

 河には、日の光が差し込み一層、幻想的な雰囲気を醸し出している。

 俺が、その光景に見とれていると、エルパが突然持っていた弓を構えだし、河に居るであろう獲物に的を絞った。

 すると、「ヒュッ」という音と共にその獲物に命中させた。

 そして、いきなりエルパが河に飛び込み、その獲物を俺の目の前に差し出してきた。

 それは、魚では無く、俺の世界には居ないで有ろう、龍に似た生物だった。体長も1メートル以上有る。

 明らかに、エルパよりも大きな生き物に俺は、「スゴいな、エルパ!でも、この生き物まさか食う訳じゃないだろうな?」「勿論、食べるよ。もしかしてお兄さんの居る世界は、こういうの居ないの?」「居る訳無いだろ(笑)」「そうなんだぁ」

 俺は、まるで弟でも出来たかの様なエルパとの会話に思わず笑みを浮かべていた。

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