第10話

 「ふー、やっと一通り片付いたな。真治、有難うな。500円やるから、これで好きな飲み物買ってきてくれ」

 俺は、500円玉を受け取ると、近くの自販機まで買いに行く事にした。

 2時間ぶりに外の空気を吸った俺は、ふーッと息を吐いた。

 〈気持ち良い〉そう感じながら、空を見ると大きな虹がさしている事に気付いた。

 その虹を見て俺は、〈…俺達が居る世界とは、又違った世界が有れば良いな。何も悩みなんか無くて、誰もが生き生きとした世界。時間に追われる事無く…そういう世界で生きれたらどれ程幸せだろうか〉

 ふとそんな事を想いながら飲み物を買うと、急いで親父の居る場所まで引き返す事にした。

 そう、時間は待っててはくれ無いのだから…

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