幕間~召喚~

 ……もう! なんなの!


 なんで、こいつと同じ状態みたいになってるの!


 これじゃあ……なんか、関係性があるみたいで嫌!


 みんなはイケメンでいいじゃんって言うけど……。


 私のことを好きだって言うなら……せめて、待つよくらい言ったらどうなの?


 私が、あの人を忘れることはなくても……傷が癒えるまで。






「なあ! 待てって!」


「しつこいわね! そんなの知らないわよ!」


「そんなこと言うなよ! こっちだって戸惑ってんだから!」


 もう、最近はずっとこれだ。

 中村将吾が、ずっと付きまとってくる。

 いい加減にしてほしいから、振り払いたいんだけど……。

 その言い分に心当たりがあるだけに、中々そういうわけにもいかない。


「……なに?」


「一度、病院行こうぜ? 俺らの体、なんかおかしいって」


「……それは……」


 確かに、中村君の言う通りだった。

 認めたくないけど、身体がおかしい。

 身体能力の高さ、続けて見る変な夢……もう、誤魔化せないほどに。

 そして困ったことに……中村君も同じ状態らしい。


「なっ? 俺も気味悪りぃし」


「わ、わかったわよ……あれ?」


「どうし……なんだ?」


 さっきまで明るかったのに、急に暗くなった……?


「きゃっ!?」


「うおっ!?」


「な、なに!?」


「ど、どうなってんだよ!?」


 私達の足元が光り出している!


 そして……次の瞬間——目を開けていられない閃光が放たれる!









 ……なに? なにが起きたの?


 目を開けてみると……何やら見覚えのない場所にいた。


「おおっ! ついに聖女様が! そして勇者様が! 女神様の言う通りであった!」


 ふと振り返ると、神父さんのような格好をした外人さんがいた。

 その周りには……西洋の騎士のような格好の人も。

 コスプレ? いや、その前に何処なの?


「だ、誰? ここはどこ?」


「な、なんだよ、このおっさんは……」


「これはこれは、失礼いたしました。貴方達は、ここではない世界から呼ばれてきたのです——異世界から」


「……へっ?」


「……お? ま、まさか……異世界召喚ってやつか!?」


「おや? 勇者様は博識な方のようですね」


「ま、まあな! 実は結構読んだりしてたし」


 中村君が、何か答えてるけど……私には何がなんだかわからない。


「どうやら、聖女様は混乱されている様子……ひとまず、部屋を用意させましょう。後のことは、明日以降じっくりとご説明致します」


「ま、待ってください! よくわからないけど家に帰してください!」


「……申し訳ありませんが、それは叶いません」


「へっ?」


「あなた様方を呼んだのは女神様なのです」


 女神? 異世界? なんのこと?


 もしかして、あの夢や体の変化が関係してるの?


 ……わかんなぃ……怖い……。


 和馬さん……助けて。

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