第56回 卑弥呼様にバレる一歩手前

パワー系百合ひみ民の浜水から、殺意がにじみ出ていた

――浜水から胃に穴をあけるようなリプが来た。


★浜水のDM

許さない。なんで、あなたばかり嫉妬されるの。

殺したら、配信自体もやめそうで怖いんですけど。


このDMの方がが怖いんですけど…

ガチ恋という面ではかなり特殊なひみ民であるが、過激派ひみ民もこれくらいの異常性はあるんだよな。

コメ欄もみたくないですけど・・・


――文を読み終わると、夏目からDMが来た。

次は、DMですか?

どれだけ、誤爆を狙いたいんですかね?

マジで神経を使うんだけどな。


★夏目のDM

うふふふ、大変ですね。

3人同時に忖度しないといけないのはw

ちなみに煽っていないです。


なんで、毎回のように、『ちなみに煽っていないです。』を入れてくるんだよ。

煽り構文として、完全に成立しているんだよな。

コバエのようにリプとDMを動き回る厄介な夏目に対して、いらだちを覚えてきた。


★豆のDM

お願いですから、前の頼れる同期に戻ってください。

今の夏目さんは完全にひみ民に変貌しており、狂っています。


俺は、夏目に対して一番叶えてほしい願いを懇願した。

―――しかし、その願いは届かないと思う。


なぜなら、彼女は卑弥呼関係の狂った人脈(理・浜水)の一人になってしまい、チームインテリ関係の人間ではなくなってしまったのだ。


そのいらだちを完全に無視して、夏目はまたリプしてきた。


★夏目のリプ

そりゃあね。

私は、厄介なひみ民ですから。

逆杞憂民として、卑弥呼様とのてぇてぇ作っていくし。

卑弥呼様の豆虐も見たいし。

豆君に嫌われてしまってもしょうがないね。


こいつ~、自分の事をひみ民って言っていやがる。

夏目はひみ民であることを自覚しており、それを元に行動しているわけだ。


――思っているだけなのと、言葉で出すこと(字面上)には大きな違いがある。

心の中にあることを形にするのは相当な思いの強さがないとできないのだ。

これは配信者になって知ったことであり、以下の出来事でそれを理解したことである。

視聴者1000人中50人程度、少数精鋭のリスナーしかコメントしないのだ。つまり、ネット上で意見するのはハードルはかなり高いわけだ。

そこに関していろいろと反論などはあると理解しているが・・・


俺は、リプを返そうと瞬時に動こうとした。


――――――瞬間的に行われた次の出来事は・・・

しかし、俺にとって予想できなかったし・・・

夏目もそのような意図は全くないだろう。


もちろん、リスナーも卑弥呼はそのような奇想天外なことをすると予想できないし、俺と夏目以上に混乱してしまうのだろう。


ちなみに、今回は俺もミスではなく、ある意味事故である。

一部の結論をいいますと、浜水とのやり取りが卑弥呼にばれそうな状況になります。

いや、完全にバレます。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る