第21回 次の部位はどこが引き裂かれますかね?

俺と卑弥呼は2つ目の爆弾を解除した。


実際、主に俺が解いたわけなんだけど。


 


「卑弥呼様、次どうします?」


俺は卑弥呼様に聞いた。


 


「そうね~。我が分析でいいかな~。」


卑弥呼様は考え込みながら、言った。


 


「わかりました。」


 俺も、すこし不安げに答えた。


 


卑弥呼は俺の忖度に勘づいているのかな~。


意外に鋭いから、用心していかないとね。


 


引き続き、役割を変えずに3面へ行った。


 


「最初の仕掛けは、スクリーン上に表示って映っています。」


俺は最初のしかけを説明した。


 


「はぁ~。マジでわからないんだけど。」


卑弥呼はいきなりブチ切れてきた。


 


コメント


:怖いわ。


:元ヤンの血が騒いでいるわw


:えっ、こんな説明でブチ切れてくるの?


コメントも俺もなぜ、怒っているのかを理解できない。


 


「え~とですね。7ページに書いていますよ。」


俺は、暴走族をつぶしたといわれている卑弥呼様の罵声で、頭が真っ白になってしまった。


 


「あっ、そうなん。」


不機嫌そうにそのページを卑弥呼様は開いた。


 


「ちょっとまってよ。こんなに図が乗っていて、頭が混乱してしまうよ。


まじで切れそうだわ」


明らかに怒った声で卑弥呼は言っている。


 


コメント


:うちの卑弥呼さまがすみません。$1万円


:卑弥呼様って脈絡もなく切れるっけ?なんか怪しいわ。


:エドさん。すみません。$1万円


:いつもの卑弥呼様はこんなことで怒りませんから。$1万円


 


ひみ民も、課金額から推察するに焦っているみたいだ。


俺は何も悪いことしていないのに、いきなり切れるなんて、怖すぎる。


首絞めのことがフラッシュバックしてしまう。


 


「え~とですね。2列目の左から2つ目にありますよ。」


俺はおびえながら、教えた。


 


「わぁ~、本当に。表示って映っているスクリーンのやつの答えがあるよ。


我、うれしい。


あれ、なんですぐに答え分かったの?」


卑弥呼は不気味なほどにやにやしながら答えてきた。


 


どうやら、卑弥呼はブチ切れる演技をして、俺の答えを誘っていたのか。


たしかに、あそこで怒るのは明らかに不自然だった。


また、同じミスで地獄をみるのか。


 


コメント


:卑弥呼様策士だわw


:卑弥呼様は、この鋭さをゲームに回してほしかったわw。


:お~っと、またヤンデレのCD宣伝時間かw


:豆虐の時間だ~


:今回も、最後の一押しでミスるねw


 


 


「ねぇ~。なんでかな~。


我ね。豆君の配信画面見ているんだけどさ。マニュアルは見ていないみたいだね。


我はこのマニュアルを暗記できるほどの頭持っていないから、なんで豆君が分かったのか分からないな~?」


卑弥呼は優しい口調で言っているが、明らかに殺意が滲みでている。


 


コメント


:卑弥呼様はポンコツお嬢様でかわいいと思った矢先に、すぐにこれかw


:やっぱり、この時間を待ち望んでいたわw。


:なんか、これがお決まりの流れになりそうだわw


:楽しみですわw。


:ひみ豆の基本ですわw


 


 


「すみません」


俺は、全力で謝った。


 


 


コメント


:左腕


:左腕


:頭


:右足


:右足


 


コメント欄よ。次引き裂かれる部位を当てるゲームをするな。


いつもだったら、本気で突っ込むんだけど、怖くてできんわ。


 


ちなみに、正解は右足だよ

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