第7回 卑弥呼様にガチ恋勢はいませんでした。

コラボ配信の時間となり、配信開始のボタンを押した。



「おはエド。突発の卑弥呼様とのコラボ配信だ~~~。」

俺は大声で叫んだ。


コメント

:おは豆。

:おは豆。

:おは豆。コラボキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

:おは豆。異色のコラボすぎて草


「では、さっそくね。卑弥呼様をお呼びします。」


「おはひみ~。みんな元気している?」


コメント

:おはひみ~。相変わらずの美声ですね。

:おはひみ~。卑弥呼様、エドワードさんに迷惑かけないでくださいね。

:おはひみ~。いい声だわ~

:おはひみ~。理先輩以外のコラボは珍しいですね。


「豆君さ。最初の豆いじりのくだりしていないでしょう。もしかして、我に気使っている?全然気とか使わなくていいからね。」

卑弥呼は、気さくに声をかけた。

「やっぱり、先輩ですし。敬意は必要ですよ。それに、ひみ民にそのネタ分からない人もいると思いますので。」

俺は、へこへこしながら、言った。


お前に気を使わなかったら遠慮なく首絞めるだろうがよ。

気を使わなくていいよって先輩ほど気を使うべきだと今までの人生で学んだよ。

俺の内心は、乱れていた。


「やっぱり、後輩だから気使うなって言う方が難しいよね。

話は変わって、コラボの話になるけどさ。

我さ、配信のネタが切れたから、どうしようかな~って思ったのよ。

昨日、アリス談議して盛り上がった豆君とコラボすれば、ネタ切れも解決するじゃん。

だから、いきなりコラボ依頼のコメントを送ったんだよね。

もしコラボしなかったら、我はアリス談議をネタにするつもりだったんだよね。

それしなくてよかった~。

いきなりのコラボありがとうね。」


卑弥呼は淡々とコラボ経緯を語った。


この人とコラボしなかったら、毎日、アリスたんで抜いていること(アリス談議)を暴露されるのか。とんでもない脅しだな。


「いいですよ。ネタ切れは配信者にとって悩みの種ですからね。今後は、アリス談議する予定とかありますか?」

俺は、探りを入れてみた。


「そう~ね。我がコラボ誘って、君が断ったらやろうかな。君の面白さをネット全体に広げたいしね。」

卑弥呼はとんでもないことをさらっと言った。


これって、卑弥呼様からの今後コラボを断ったら、アリス談議するって脅しなのか。

さっそく、胃がキリキリし始めたんだが。

実は、リスナーとの共同での忖度の準備以外にも秘策を準備してきた。


「今回のコラボってかなり異色ですよね。俺のリスナーはたぶん、ガチ恋勢いないからいいんですけど。

はじめての同期以外の男性コラボって、ガチ恋のひみ民にとってはかなり嫌な配信じゃないんですかね。」


コメント

:エドワードさん。ぜひコラボをお願いします。同期と理先輩以外コラボ相手がいないので。

$1万円


:ふつつかな卑弥呼ですが、コラボしてくださいお願いします。

$1000円


:ひみ民には、杞憂の民はいません。


:心を許したエドワードさんはV関係の知り合いだから、逃げないでください。

$1万円


:ひみ民は、卑弥呼様のコラボがいないことに杞憂していて草。


:ひみ民は、恋人より娘としてみているのかな。


:卑弥呼様って、ひみ民のお姫様(アイドルとして期待されていない。)


:ガチ恋勢0人で草


ひみ民は、コラボ相手が逃げてしまうことへの心配をしているのに対して、豆民はそれを見て笑っているという不思議な構造ができている。


「おまいら、杞憂しろよ。少し寂しいよ。嫉妬してくれよ。

我がコミュ障の箱入り娘だと思われるではないか。」

卑弥呼は、おそらく顔を赤らめながら言った。


これ以上突っ込んだら、ブチ切れられそうだったので、あえてスルーした。

一瞬で2万円投下って、ひみ民は、コラボを待ち望みすぎだろ。

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