第八話 バケーション、ミスコン、謎の人物、竜(前編)

「海だぁ!」


「海だぞぉ!」


「海はいいよなぁ……」



 準備を終えた俺たちは、翌日から水族館の近くにある海水浴場へと遊びに出かけた。

 海水浴を楽しみつつ、海岸近くにあるコテージを借りてバーベキューとキャンプを楽しむ予定である。

 魔法の袋は使えないので荷物は重かったが、久々の日本の海はいいものだ。

 女性陣の水着もいい。

 三人ともビキニなのは、もっといい。

 信吾もそうだが、拓真も大いに喜んでいた。

 俺も楽しんでいたが、ちょっと海が汚いのは難点だな。

 環境破壊がほとんどないリンガイア大陸と比べるのは酷なのかもしれないけど。


「いやあ、海に来てよかったと素直に思えるな」


「拓真は、三人の水着目当てか?」


「悪いか! 信吾だってそうだろうが。それにしても……なあ、ヴェルよ」


「ああ」


 白のビキニにパレオがよく似合う黒木さん、真っ赤なビキニを購入した赤井さん。

 そしてエリーゼは、随分と布地が少ない水色のビキニだな。


「エリーゼ、似合っているけど……」


 エリーゼは恥ずかしいのではないかと、ちょっと心配してしまったのだ。


「選べる水着が少なくて……」


 そういえば、バウマイスター伯爵領内で海水浴をした時に着た水着は、オーダーで作ってもらったからな。

 胸が欧米人レベルのエリーゼには、日本の店舗で販売している既製品だと選択肢が少ない。

 特に今は九年前だ。

 余計に、胸が大きい必要の水着は沢山売っていないのであろう。


「周囲から注目されているような気がします……」


 金髪美少女で巨乳だからな。

 シャイな日本人でナンパを試みる人はいないみたいだが、大いに注目を集めているようだ。


「すげぇ……」


「もう! 清隆は私と海水浴に来たんでしょうが!」


 鼻の下を伸ばしてずっとエリーゼを眺めていた若い男性が、一緒に来ていた彼女らしき女性に怒られていた。

 よく見ると、何組かそういうカップルがいた。

 男性の本能だな。


「恥ずかしいです」


「俺はよく似合っていると思うし、エリーゼが俺の奥さんなのは鼻が高いな。堂々としていた方がいいよ」


「そうでしょうか?」


「えっ! あの金髪外人さん、人妻なのか?」


「しかも、日本語が上手い。留学生なのかな?」


「旦那さんも外人さんだな」


「当たり前じゃないの」


 エリーゼが人妻であり、俺が夫だとわかると、俺たちに注目する人は一気に減ってしまった。

 フリーでなければ、チャンスもないというわけか。


「こういう時、同じ日本人というだけで注目を浴びなくていいわね」


「そうね。私、いつも胸を見られるから」


 黒木さんと赤井さんも男性からの注目を浴びるタイプであり、今日はエリーゼがいて好都合だったらしい。

 それにしても、二人とも信吾に気があるってのが凄いな。

 俺が高校生の頃、信吾と同じ容姿だったはずだが、まったく女性にモテた記憶がない。

 海水浴とは、男同士で友情を深めに行く場所だったのだから。

 スイカ割りと花火が楽しみなくらい?

 ナンパ……は、度胸がなくてねぇ……。


「信吾、似合う?」


「一宮君、新しい水着にしたのよ。どうかしら?」


「二人とも、似合うね」


 そして、二人から惚れられている事実に気がつかない信吾。

 あれ?

 もしかすると俺も高校時代、誰か女子に惚れられていたけど、それに気がつかなかった?

 ……んなわけないか。考えるだけ空しいからよそう。


「うーーーん、そしてロンリーボーイな俺」


 どういうわけか、拓真はどちらからも惚れられていないようだ。

 どちらかというと、信吾よりも拓真の方が女性にモテるタイプなんだがな。

 背が高くて体も筋肉質、それに加えてサッカー部のエースなのだから。


「あれ? ヴェンデリン、意外とムキムキだな」


「羨ましいな。僕は細いから」


 俺も信吾と同じく細い方だが、意外と筋肉はついているタイプだ。

 なぜかって?

 導師と二年以上も毎日修行してみな。

 嫌でも、ある程度は筋肉がつくから。

 導師ほどマッチョになれるかどうかは知らないけどね。


「みんな、コテージに近い砂浜の方が人が少ないみたいよ」


「そうなんだ。じゃあ、そっちに行こうか」


 黒木さんの勧めで、俺たちはコテージ寄りの砂浜に移動する。

 すると、沖合いに小さな無人島が見えた。

 確か『異界島(いかいとう)』とかいう奇妙な名前の島だったはずだ。

 周囲一キロほどの小さな島で、わずかな砂浜の他は木々に覆われている。

 島の中心部に、洞窟があるという話も聞いたことがあった。

 前世で、高校の同級生から聞いた噂であったが。


「ヴェンデリンさん? ああ、異界島ですね」


 赤井さんは、俺が無人島をじっと眺めていることに気がついたようだ。


「変わった名前だよね」


「そうですね。どうしてそういう名前なのかはわかりませんけど」


 普通、なにかしら島の命名理由があるはずだが、そういえば俺も全然その由来を聞いたことがなく、誰に聞いても知らなかったのを今思い出した。


「でも、危なくないみたいですよ。あの島は個人の所有物らしいので勝手に入ることは禁止ですけど、今年から一日一組限定でキャンプはできるみたいです」


「らしいな。ちょっとした冒険気分が味わえるって人気らしい。予約はなかなか取れないみたいだけど」


 拓真も異界島について知っており、キャンプ地として使用可能らしい。

 俺が高校生の頃とは、微妙に差があるようだ。


「今回は縁がないようね。早く泳ぎましょうよ」


「賛成!」


 上陸もできない島のことを話していても仕方がないと、黒木さんの意見で海水浴を楽しむことにした。


「黒木さん、泳ぐの上手だなぁ」


「彼女、成績優秀、スポーツ万能だから」


 優雅に泳ぐ黒木さんを見ていると、信吾がそっと教えてくれた。

 なるほど、アニメのキャラみたいな人なんだな。

 俺は初めて出会うタイプだ。


「信吾はどうなんだ?」


 信吾は運動部に所属していなかったが、運動神経は普通なのでちゃんと泳げた。


「信吾、泳ぎを教えてよ」


「榛名、またか?」


「私、泳ぎは苦手なのよ」


 赤井さんは泳ぎが苦手なようで、信吾に泳ぎを教えてくれと頼んできたが、もうこれで何度目からしい。


「拓真かヴェンデリンの方が泳ぎは上手じゃないかな?」


「「なっ!」」


 俺と少し離れていたところで泳いでいた拓真は、信吾のあんまりな言いように、つい俺と驚きを重ねてしまった。

 赤井さんが信吾を好きなことは、信吾本人以外みんな気がついているから、あまりに鈍い彼に衝撃を受けてしまったのだ。

 泳ぎを教わるなんて口実で、彼女はただ信吾と一緒にいたいだけなのに、お前はそこまで鈍感なのかと。


「僕、教えるのも下手だからなぁ……水泳部ってわけでもないし」


 信吾の奴、本気で上手な人に教わった方が上達が早いと思い、あくまでも親切心で先生役は他の人がいいと思っているようだ。


「あなた、私もまだ泳ぎが下手なので教えてください」


「いいよ」


 ここでエリーゼが助け船を出してくれた。俺は、エリーゼに泳ぎを教えるからという理由でその場を離脱する。


「これはチャンスね」


「いやあ、それはどうかな?」


 いまだ信吾が赤井さんからの好意に気がついていないことが確定となり、黒木さんは一人とても嬉しそうであったが、だからといって鈍い信吾に黒木さんからの好意が伝わる保証はない。

 むしろ厳しいのではないかと俺は思うのだ。


「あいつはヤバイくらいに鈍いと思う」


 俺もそんなに敏感な方ではないが、信吾という存在の前では霞んでしまう。


「そうですよね……うわぁーーー、私よく泳げないんです」


 いや、それはわざとらしすぎるだろう、

 黒木さん……あなた今の今まで、スイスイと泳いでいたじゃないか。


「こうなれば……赤井さん、私も泳ぎを教えてあげるわ」


「信吾がいるからいいわよ」


「榛名、同じ女性から教わった方が覚えが早いんじゃないかな? せっかく黒木さんがそう言ってくれたんだから」


「……」


 なにもわかっていない信吾は、黒木さんが純粋な好意から赤井さんの指導を買って出たと思ったようだ。

 赤井さんの願いもむなしく、三人で泳ぎの練習を始めることになってしまった。


「信吾は、自分が女性にモテるわけがないと本気で思っているからな」


 拓真は一人優雅に泳ぎながら、自分の幼馴染について解説した。


「そしてもう一つ真理があるな」


「真理? なんだそれは?」


 拓真の奴、急になんなのだ?


「今! 俺は奇跡を目の当たりにしている! 海水は物が浮きやすいだろう? 見てみるんだ! エリーゼさんと赤井の胸が、まるで桃のようにドンブラコと浮いているのだ!」


 確かに、俺が今両手を持ちながら泳ぎを教えているエリーゼ、信吾と黒木さんが泳ぎを教えている赤井さんの大きな胸が浮いているというか、水面の上に山のようにそびえているな。


「一方、黒木さんは……残念、お疲れさまでした!」


 二人に比べると、黒木さんの胸はほとんど水面下にあった。

 どうやら拓真も、胸が大きな女の子が好きらしいな。

 俺?

 まあ、大は小を兼ねるというか、ないよりはあった方がいいというか。

 嫌いではないな。


「黒木さんも、もう少し胸があればなぁ……って、げぇ!」


 俺とエリーゼの近くでゆっくりと背負泳ぎをしながら余計なことをほざいていた拓真であったが、彼の発言はすべて黒木さんに聞こえていた。

 彼女は、冷たい笑顔を浮かべながら拓真の傍にやってきた。


「彼女でもない人に対して、随分な言い方ね」


「はははっ……これは世間の男性の一般的な意見と言いますか……」


「有罪ね」


 勿論そんな言い訳が通じるはずもなく……。


「あはっ、それ以上砂をかけないでくれ! 随分と波打ち際に近いじゃないかな? 水飛沫が目に入って痛いんだけど!」


 黒木さんからの無言の圧力により、俺と信吾は拓真を抱えて砂浜に上陸し、彼の首から上を除き砂の中に埋めてしまった。

 まさしく、生き埋めの刑である。


「お前らも、俺と同じ意見だよな?」


「僕は違う」


「俺も、女性を胸だけで見ることはしないぞ」


「嘘つけ!」


 拓真の抗議を無視して、俺と信吾はどんどん砂山を高くしていった。


「砂が重くて動けない……」


「江木、あんたはそんなんだから、すぐに女子と噂になっては駄目になっちゃうのよ」


「そうですね。タクマさんはもう少し女性の内面を見た方がいいと思います」


 赤井さんとエリーゼも拓真を非難しながら砂を盛っていき、自力での脱出は困難な状態へと陥ってしまった。


「みんな、カキ氷を食べようか?」


「じゃあ、僕が買いに行くよ」


「俺も行く」


 拓真を砂に埋めたあと、喉が渇いてきた。

 黒木さんがかき氷を食べようというので、俺と信吾で買いに行くことにする。


「いいわね、私も賛成。エリーゼさんって、カキ氷は食べたことある?」


「はい」


「故郷の日本の人が作ってくれたんだ」


「ええ……」


 本当は、俺が作ってエリーゼにご馳走したんだけど。


「俺、レモンで」


 きっちりと砂に埋まっている拓真の分も合わせ、急ぎカキ氷を買ってきた。


「夏はカキ氷だね」


「信吾、冷たくて美味しいわね」


「頭がキンキンする」


「あなた、急いで食べすぎですよ」


 買ってきたカキ氷は、今は真夏とあってとても美味しく感じられた。


「すいませーーーん。俺にも食べさせてください」


 残念ながら、首から上以外は砂に埋まっている拓真は、傍に置かれたカキ氷をひと口も食べられずにいたが。


「仕方がないわね。反省した?」


「はい、江木拓真! 大いに反省しております!」


「じゃあ……」


「あっ、食べさせてくれるの? 『あーーーんして』とか夢でした」


「……」


「黒木さん、これ以上砂を増やさないでください」


 せっかく黒木さんが許そうとしたのに、拓真がまたバカみたいなことを言って余計に砂を盛られてしまう。


「んなわけないでしょうが! 私は江木君の彼女じゃないんだから! しばらく埋まってなさい!」


「拓真、食べさせてやろうか?」


「嫌だ! 野郎に食べさせてもらうなんて! 野郎に食べさせてもらう高級フルコースよりも、女性に食べさせてもらう豚の餌だ!」


 その言い分はわかるような気もするが、俺なら高級フルコースを選ぶと思う。


「江木、カキ氷溶けちゃうよ」


「なぁーーーっ! カキ氷食いてぇーーー!」


「すみません」


 砂山に埋まった拓真が叫んでいると、俺たちの下におかしなハッピを着た男性二名が声をかけてくる。


「お時間よろしいでしょうか?」


「我々は、佐東市観光協会の者です」


 確かに、二人が着ているハッピには『佐東市観光協会』の文字が記載されていた。


「はい、なんでしょうか?」


「すみません、実はこれから行われるミスコンに出てほしいのですが……」


「ミスコンなんてやってるんだ」


 前世で俺も何度か海水浴には来ているけど、ミスコンをしていたという記憶はなかった。

 これも、前の世界との大きな違いなのかもしれない。


「そんなに大それたものではありません。ミスに輝いたからといって、あとでなにか活動があるわけでもないのです」


「そんな気楽な大会にしたら、全然参加者がいなくて……」


「そちらのお三人なら参加するに値するであろうと、急遽声をかけさせてもらいました」


 軽いイベントのつもりで開催したら人が集まらず、急ぎ参加人数を増やそうと、エリーゼ、赤井さん、黒木さんに声をかけたわけか。


「あなた、『みすこん』ってなんですか?」


「ええと……」


 よくよく考えてみたら、王国にミスコンなんて存在しなかった。

 人様の前で女性に、それも未婚の女性に水着を着せて審査なんてしたら、教会の意を受けたホーエンハイム枢機卿が摘発に乗り出すであろうからだ。


「一番綺麗な未婚女性を決める大会のようだね」


「ニホンではそのようなことをするのですか」


 エリーゼは特に嫌悪するでもなく、そんな催しがあるのかと素直に感心していた。


「そちらのお嬢さん、欧米の方に見えますが、お国にミスコンはないのでしょうか?」


「古いしきたりと因習がある地域なので」


「なるほど、世界は広いのですね」


 欧州でも田舎の出なのでと観光協会の人に説明したら、すぐに納得してくれたようだ。


「せっかく日本に観光で来られたのですから、記念にいかがですか?」


「参加すると、名物『佐東饅頭』をもれなくプレゼントしますから」


 『佐東饅頭』とは、全国区では全然有名ではない佐東市の名物だ。

 饅頭なので普通に美味しいが、なにか特色があるわけでもないので、地元の人間くらいしか食べないお菓子であった。

 参加賞が饅頭ってのもどうかと思うけど、参加賞が出るだけマシなのであろうか?


「すみません、私は参加できません」


「そこをなんとか!」


「是非、お三方に参加していただきたいのです」


 観光協会の人たちは、是非エリーゼたち参加してほしいとお願いを続けた。


「私たちはオマケか……」


「そんなことはないです!」


「こんな田舎のミスコンなので、外人さんがいると盛り上がりが違うんですよ」


 エリーゼのオマケ扱いされた赤井さんが不機嫌になると、慌てて観光協会の人がフォローに入った。

 よっぽど参加者不足に悩んでいたようだ。

 赤井さんなら一般応募でも普通に参加できるはずだが、外人であるエリーゼには敵わないというわけか。

 日本人って、本当に金髪外人が好きだよなぁ……。

 前世でも、上司のおっさん連中に金髪好きが多かったのを思い出す。


「単純に、外人さんがいた方が盛り上がるからだと思いましょうよ」


「そうですよね、お嬢さん」


 黒木さんは、別に出場してもいいと思っているようだ。

 彼女の意見に、観光協会の人たちも同調した。


「見事グランプリに輝きますと、賞金は出ませんがサプライズでいい賞品が出ますから」


「賞品に興味が出てきたからいいけど」


「ありがとうございます!」


「私は駄目です」


「ええっ! どうしてですか?」


 黒木さんと赤井さんがミスコンへの参戦を承諾したが、エリーゼはミスコンへの参加を承諾しなかった。

 彼女は生まれつきのお嬢様だし、人前に水着で出るのは嫌なのであろう。

 と、思っていたら……。


「ミスコンって、未婚女性のコンテストですよね? 私は結婚していますから」


 エリーゼがミスコンへの参加を断ったのは、自分は結婚しているから参加資格がないという理由であった。


「ご結婚されているのですか?」


「はい」


 エリーゼが嬉しそうに俺と腕を組むと、観光協会の二人は彼女の指に填まった指輪を確認しつつ、夫である俺を羨ましそうに見つめた。

 同じ男として、巨乳金髪美少女と結婚している俺が心から羨ましいのであろう。


「そういうわけでして、大変申し訳ないのですが……」


「別に構わないですよ」


 エリーゼがミスコンへの不参加を表明するが、観光協会の人たちは特に問題はないと断言する。


「ですが、そういうルールなのでは?」


 確かに、ミスコンに既婚者が出るってどうなんだろう?

 エリーゼも、それはルール違反だと思っているから断ったのだし。


「厳密な審査があるミスコンなら駄目かもしれませんが、賑やかしのためのイベントですから」


「実は参加者が少なくて、お子さんがいる人も出ていますので……」


 よほど参加者に困っていたようで、エリーゼが結婚していても観光協会の人たちは気にもしていなかった。


「それでしたら、面白そうなので」


「「ありがとうございます!」」


 こうして、エリーゼ、赤井さん、黒木さんの三人は、地元観光協会主催のミスコンに参加することになった。




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