第222話 なぜ敵の親玉は、決戦前にこちらと話したがるのか? そして、ヴェンデリン最大の危機(その1)
「まさに、決戦の時迫るじゃの」
テレーゼは、野戦陣地にさらに嵩上げ増設された土壁の上から、眼下に見えるニュルンベルク公爵が率いる反乱軍を見下ろしていた。
逃げ込んできたヘルムート王国軍残党を受け入れ、装備の支給と編成が終わり、訓練も始めたところだったので、決戦に間に合ってよかった。
やはり本命ともなると、反乱軍の威圧感は凄いものだな。
ニュルンベルク公爵の気迫が感じられるようだ。
「敵は、何人くらいいるんだろう?」
「そうだな。十五万人くらいだな」
王国軍を率いるフィリップが、俺の問いに答えた。
相続争いではポカをしたが、優秀な戦術指揮官である彼は、反乱軍の戦力をほぼ正確に見抜いていた。
軍勢を見ただけでおよそ何人いるか判断するなんて、経験がないと難しいからな。
俺にはさっぱりわからん。
「多いな……」
「前線にいる連中は捨て駒だな」
「えっ?」
「損害担当、盾役とも言うな。過去の戦争ではよくあったことだ。気にするな」
「損害担当って……」
フィリップの発言に、俺のみならずエルやイーナたちも不快感を隠せないようだ。
「ニュルンベルク公爵は手駒の損失を抑えたい。と同時に、帝国統治の邪魔になる連中も戦闘で合法的に始末か消耗させたいわけだ」
「確かに、前線の連中は装備品も練度も二線級じゃの。フット子爵がおるな。ニュルンベルク公爵とは犬猿の仲なので始末されたかと思ったら、先鋒で使い潰されるか。世知辛いのぉ」
「よく素直に前線に立ちましたね」
「そうさの。ここで潔く討ち死にすれば、家は残してやると言われたのかもしれぬ」
「酷い話だ」
「そんな酷いことを平気でやるくらい、ニュルンベルク公爵は本気というわけじゃ。他にもおるぞ、ほれ」
そう言いながら、テレーゼは自分の首にかけた遠眼鏡を俺の前に持っていく。
俺とテレーゼの顔がくっついて、彼女のいい匂いが鼻をくすぐるが、気にしないようにして敵軍の前衛を観察し続けた。
「隊列が凸凹ですね。一部精鋭っぽい連中もいますか」
「忠誠心の怪しい貴族たちや、ニュルンベルク公爵がいらないと判断した連中であろうな。かの御仁は、物事を合理的に進めたいのであろう」
俺や他の魔法使いたちの他、多数の兵士たちも動員して、ソビット大荒地には大規模な野戦陣地が完成していた。
北上する反乱軍を防ぐため、土や岩を使って大規模な城壁にも匹敵する土塁が無事に完成していたのだ。
土塁の前には馬避けの柵が幾重にも立ち、堀も沢山掘ってある。
解放軍は、どう足掻いても反乱軍よりも兵を揃えられない。
そこで、一旦ソビット大荒地で防衛主体の戦闘を行って敵軍を殺ぐ戦略をテレーゼは選んでいた。
反乱からすで五ヵ月ほど。
ソビット大荒地は、解放軍の一大軍事拠点となっている。
テレーゼは軍事拠点化工事の指揮に、長期戦に備えた後方の統治と貴族たちの統制、解放軍の編成と補給体制の構築と維持にと、忙しく働いていた。
俺も参謀にされたので、なぜかイーナとエリーゼと一緒に書類の処理を手伝っているけど。
カタリーナは野戦陣地の工事の他に、他の魔法使いたちへ指導を行っているブランタークさんの補佐。
ルイーゼとヴィルマは戦闘訓練の手伝い。
エルは、フィリップの下で軍の指揮を学んでいる。
あとは、ハルカと共に刀の訓練もしていた。
そういえば、導師は普段はなにをしているのであろうか?
なぜか突然、野戦陣地の工事や開墾で汗を流し、近場で狩猟などをしているようであったが。
タケオミさんは、俺の傍で護衛役に徹している。
たまに時間が空くと、彼は可愛い妹を奪った憎たらしいエルに対し憤怒の表情と視線を向けているが、エルは気にしていなかった。
二人だけの世界を作っていれば楽しいのだから、野郎の憤怒の表情なんて見ても面白くないから当然か。
『ハルカの小さい頃は、いつも『兄様ぁ』と言いながら、私によくくっついてきた子で……』
『その子も、いつかは大人になるよな』
『そんなことは認めないぞぉ---!』
ブランタークさんがタケオミさんの思い出話に茶々を入れてしまうから、彼は泣きながら走り去ってしまうこともあった。
いい加減に大人になれよという意図なのであろうが、シスコンはそう簡単には治らない。
それがこの世の真理なのだから。
『俺の護衛……。今は書類の処理だからいいけど……』
俺は、タケオミさんが走り去ったあとも冷静に書類の処理を行っていた。
隣にイーナもいるし、テレーゼの執務室に刺客が現れるようでは解放軍は終わりであろう。
今、彼がいなくても問題はない。
『伯爵様は、いつの間にかそういう仕事をしているのな』
『なんとかこなせますからね。ブランタークさんもいかがです?』
『俺は、魔法使いたちへの指導で忙しいから』
ブランタークさんは、帝国でも若い魔法使いたちに魔法を教えていた。
短い期間なので魔力はそう上がらないが、魔法の精度や魔力使用量の効率化などでブランタークさんの右に出る者はいなかったからだ。
本当はこういう仕事はブラッドソンさんの担当なのであろうが、彼は非業の最期を遂げている。
だからこそ、ブランタークさんはこの仕事を快く引き受け、遠く帝国の地でまた彼の弟子たちが増えていくというわけだ。
『伯爵様は、もはやテレーゼ様の腹心だからな』
『今でも、それでいいのかと思いますけど』
俺は外国の貴族なのに解放軍に組み入れられてしまったが、帝国の名誉伯爵なる爵位を貰ったので問題はないようだ。
あとは、これが一番大きい。
『バウマイスター名誉伯爵には武勲がある。その地位に取って替わりたいのなら、次の戦いで武勲を挙げるがよい』
テレーゼはこう言って、他の貴族たちからの干渉を排除してくれたようだ。
しかし、あまり彼らを煽るのはやめてほしい。
士気の向上には繋がるが、下手をするとニュルンベルク公爵の策に乗せられて敗北の要因にもなりかねないのだから。
『戦争が久しくなかった時代じゃが、貴族にとって武勲ほど評価に値するものはない』
テレーゼの言っていることは事実で、そのおかげで表面上は俺の力が強まっていた。
しかし、陛下と連絡が取れないとはいえ、爵位を兼任して大丈夫なのであろうか?
前例がないと、王宮雀たちが騒ぎそうではある。
『気にしても仕方があるまい。今は勝つしかないのである』
それでも、傍に導師がいるのがありがたかった。
彼があとで陛下に説明してくれれば、正しい事情が伝わるであろうからだ。
勿論、戦力としても大いに期待できるわけだが。
『そうですね。今は勝つしかありません』
『戦の時である。余計な邪念を振り払い、ただ目の前の敵を討つのである』
導師は眼光鋭く敵反乱軍を見つめ、それはまるで敵全軍を威圧しているかのようであった。
というようなやり取りがさっきあったのだけど、今の俺はテレーゼの隣で迫りくる反乱軍の陣容を見ている。
一つの双眼鏡で顔をくっつけながら。
「ほぼ全軍ですか?」
「さすがに今の時点では、ほぼ限界に近い動員であろうな」
間違いなくエリーゼの機嫌は急降下していると思うが、今は臨戦態勢下にある。
あとでご機嫌を伺うとして、俺は反乱軍から視線を反らさなかった。
決してエリーゼが怖かったからではない。
仕事を優先しただけだ。
「帝都周辺の地固めに、侵入した王国軍の始末で時間があったからの。その間にこの野戦陣地は完成した。ここを抜くには大きな犠牲が必要であろう。自分の手駒たちの犠牲は避けたいであろうから、前線にいるのは使い潰す事が前提の連中というわけじゃ」
テレーゼは、前線にいる貴族で顔を確認できた連中を見て確信している。
フィリップの言うとおり、前線にいる連中は損害担当部隊であった。
だから装備が悪くても、訓練不足でも、問題ないわけだ。
「撃退や殲滅も可能でしょうが……」
「そうさの、我が軍も消耗するの」
犠牲は出るし、疲労もする。
矢も大量に消耗するであろう。
消耗し尽したところで本命の精鋭によって攻められると、野戦陣地が陥落する危険もあった。
向こうの方が数が多い分、そういう戦術が取れてしまうのだ。
「酷い策ですけど、大いに有効ですね」
「防ぐ手もないの」
ニュルンベルク公爵。
いらない貴族や兵士を消耗品としか見ない、恐ろしいまでの合理的思考の持ち主だ。
その犠牲の中に自分やその関係者がいないから、あまり痛痒に感じていないのかもしれないが。
「迎撃準備!」
テレーゼの命令が全軍に伝わるのと同時に、反乱軍は……動き出さなかった。
臨戦態勢にはあるが、そこから三人の騎士たちが白旗をあげながらこちらに近づいてきたからだ。
「フィリップ公爵様はいずこに!」
「ここにおるぞ!」
白旗を持った騎士たちは軍使であった。
テレーゼを呼び出し、彼女はそれに応えた。
いくら相手が反乱軍とはいえ、それが貴族としての礼儀であったからだ。
「降伏でもせよと言うのか?」
「できればそれが望ましいと、陛下は仰せです」
「ふんっ! 反乱で国を奪ったつもりで、早くも陛下気取りか。思った以上に器が小さい男でガッカリじゃの。ニュルンベルク公爵殿は」
テレーゼの嫌味の混じった返答を、騎士たちは一切反論せずに聞いていた。
図星と感じたのかも。
「となれば、あとは戦にてケリをつけるまで」
「その方が手っ取り早いであろうな。できれば犠牲を避けたいところであるが」
「陛下も同様に考えております。ところで、話は変わりますが……」
軍使は、テレーゼに予想外の提案をしてから自軍の陣地へと戻っていく。
「会食とは、どういうつもりなのかの?」
軍使がテレーゼに話した提案とは、戦いの前にトップ同士で会食を行うというものであった。
一体、そんなことをしてなにになるのであろうか?
これはこの手の物語などでよくある、実際に話してみたら敵の親玉が自分語りなどをして、『敵にも事情があるし、完全に悪い人なんていないよね』的な事実に気がつくフラグなのであろうか?
というか、今さらそんなものはいらない。
俺からすればニュルンベルク公爵など、一秒でも早く滅んで欲しいと思っているからだ。
「普通に考えれば、謀殺を注意する案件である!」
「会食だから毒ですか?」
「見つからない毒でも発見したのかの? ニュルンベルク公爵は」
「……」
毒殺って、いかにも貴族らしい話だな。
それと、珍しく導師がまともな意見を言っており、俺を含めて全員が驚きの表情を浮かべた。
「いや、某でもそのくらいは思いつくのである!」
「でもよ。向こうの提案によると、会場と食事はこちらで準備していいんだろう? じゃあ大丈夫だと思うけどな」
ブランタークさんもテレーゼの傍にいるので、軍使の会食における条件は聞いてる。
双方共に、参加者はトップを含めた三名まで。
場所は、両軍が睨みっているちょうど中間地点となっていた。
さらに、食事はこちらで準備してもいいという。
こちらが毒を入れる可能性もあるのに、それでも構わないというのだ。
「己の剛毅さを、反乱軍の兵士たちに見せるのか。ニュルンベルク公爵らしいの」
「ですが、有効な手段ではありますよ」
今回の内乱の解決策として、最悪、俺たちが魔法で殺害するという方法もあった。
だがその方法は、実はテレーゼに止められていた。
「貴族とは、プライドが高い生き物じゃからの。いくら反乱分子でも、そういう方法で始末すると風聞が悪くなる。今後の統治に影響が出かねない」
「ニュルンベルク公爵はその能力ではフィリツプ公爵に負けていなかったのに、志半ばで倒れてその生涯を終えられた。不当な勝者であるはずのフィリップ公爵、彼女の政治では帝国は悪くなる一方だ。そこで、英雄ニュルンベルク公爵様の意思を継いだこの私が! となると?」
次に反乱を起こす奴からすれば、謀殺されたニュルンベルク公爵の存在は利用しやすいというわけだ。
「偶像崇拝の道具にされてしまうと、のちのち厄介じゃの。短期的に見ると犠牲は増えるが、完膚なきまでに叩き潰した方が、長期的には次の反乱の芽を摘めて最終的な損害が少なくなるかもしれぬ」
納得しないニュルルンベルク公爵シンパの残党や、別個に反乱を目論む貴族たちがその旗印に彼を使ってしまう可能性があった。
ニュルンベルク公爵に組していた貴族たちが他の反体制派と組み、テレーゼによる統治を邪魔してくる懸念もある。
「誰の目から見ても、ニュルンベルク公爵が戦で敗れて死んだという事実が必要となるのじゃ。今さら話し合う余地などないが、受けぬと器の小ささを疑われるか。案外、妾たちが断ってくるのを期待しておるのかもしれぬな」
敵味方に、テレーゼの臆病ぶりを宣伝するつもりなのかもしれないわけか。
「向こうの提案を受けるとしよう。さて、野外でのランチかディナーになるのじゃが……」
テレーゼは、同じく中央に軍を置いているミズホ上級伯爵に使者を送る。
「フィリップ公爵領の郷土料理でも、ニュルンベルク公爵領の郷土料理でも不公平になるからの。ミズホ料理を作ってもらうことにする」
数分後。
ミズホ上級伯爵が姿を現し、彼はテレーゼの要請を受け入れた。
「テレーゼ殿。頼まれれば引き受けるが、ニュルンベルク公爵がミズホ料理など食べるのか?」
ミズホ上級伯爵は、早速家臣に命じて両軍の睨みあう中間地点に会食用のテントを張り始めた。
さらに、調理用の魔道具なども移動させ、ミズホ家お抱えの料理人たちが調理を始める。
どうやら懐石料理のようなものを作っているらしいが、ミズホ上級伯爵の心配は、あのミズホ人嫌いで有名なニュルンベルク公爵がミズホ料理を食べるのかというものであった。
単純に口に合わないかもしれず、それなら皇帝が食べるような料理でいいと、ミズホ上級伯爵は思ったのかもしれないな。
「食べるに決まっておる。自分から度胸を見せつけるために会食を提案しておいて、なにも食べられなかったとなれば、最初からそんな提案などしない方がマシだからの。それをこっちが利用して宣伝してやればいい。ニュルンベルク公爵は臆病者だと。それに実はあの男、地元の料理が苦手なのじゃ」
「それは初耳ですな」
ミズホ上級伯爵は、初めて知るニュルンベルク公爵の個人情報に意外だという表情を浮かべていた。
確かに普段は、地元大好き、地元最優先なイメージを感じていたからだ。
「ニュルンベルク公爵領って、どのような料理が食べられているのですか?」
「味が濃いの」
「味が?」
「味が極端なのじゃ。甘いのも辛いのも、とにかく調味料を一杯使ってあれば贅沢だという思想でな。フィリップ公爵領でも魚料理が普及するまでは、ジャガイモと、ベーコンと、ソーセージと、ザワークラウトだけだと揶揄されておったがの」
「地元料理が嫌いな領主様って……」
選帝侯やその後継者は、帝都に詰める期間が長い。
そのせいで、余計に地元の料理が苦手になったのかも。
でも、わからないでもないよな。
濃い味付けの料理ばかり食べていると、生活習慣病になってしまうかもしれないから。
「もしかして、先代のニュルンベルク公爵って……」
「奴が十八の時に急死しての」
「なるほど」
生活習慣病からくる急死だった可能性があるのかな?
「とにかく本人は、薄味の料理が好きなようじゃの。地元で『あまり味の濃い料理は健康を損なう』と薄味を勧めておるが、これは唯一領民たちには不評での」
『味を薄くするなど貧乏くさい』、『調味料は沢山使った方がいいのだ』という主に年寄りの意見が根強いらしい。
「そんなニュルンベルク公爵であるから、ミズホ料理とは相性がいいであろうよ」
それから数時間後。
無事に、テントの設営と料理の準備が終わった。
「お抱え料理人による、最高級のミズホ料理か。惜しいな」
食べたいとは思うが、お互いに随伴は二名のみである。
外国の貴族である俺が選ばれるはずがない。
「味がわからないと思うから、選ばれないで正解だよ」
ルイーゼの意見にも一理あるか。
あのニュルンベルク公爵と食事などしても、ろくに食べ物の味はわからないであろう。
「この戦争が終わったら、美味しいお店に食べにいけばいい」
「そうだな、いっぱい食べるか」
「ミズホ伯国には、行きたいお店が一杯ある」
試作型狙撃銃を抱える姿がすっかり様になっているヴィルマは、ミズホ料理店巡りを楽しみにしているようだ。
その手には、ミズホ伯国名店ガイドという小冊子も握られていた。
……いつの間に手に入れたのであろうか?
「それで、どなたが随員に選ばれますの?」
「そうだなぁ……。カタリーナが行くか?」
「その前に、絶対に選ばれませんわ」
突然の向こう側からの提案だったので、テレーゼはまだ随員を発表していない。
だが、外国貴族でもある俺が選ばれるはずがなかった。
その妻であるカタリーナなど、候補にも入らないであろう。
「いや、待てよ。カタリーナの華麗な作法で、ニュルンベルク公爵の度肝を抜くいう手もある」
「ヴェンデリンさん。それ、絶対に褒めていませんよね? そういう席は、ウケを狙って出席するものではないのですが……」
カタリーナは、以前俺が、彼女の作法が仰々しいと言っていたことを覚えていたようだ。
そもそも、ミズホ料理の経験が薄い彼女を参加させるのは難しいか。
フィリップ公爵家の重臣の誰かかな?
「有力な候補としては、バーデン公爵公子と、あとは誰か伯爵くらいが妥当なところ?」
イーナの予想が、ほぼ妥当といったところであろうか?
ところが、エリーゼの意見は違うようであった。
「あなた、お出かけになる支度を」
「俺が?」
「はい。必ず選ばれると思います」
「ニュルンベルク公爵が美女なら見学くらいしてもいいけど、野郎なんて興味ないなぁ」
「お前は、その辺のオッサンか」
エルに呆れられてしまうが、ニュルンベルク公爵は眼光鋭い美男子なのを一度だけ見ているので、俺にとってはただの敵でしかない。
挙句、人に迷惑ばかりかけているし、できればエリーゼの予想は外れてほしいものだ。
「バウマイスター伯爵様、フィリップ公爵閣下がお呼びです」
「エリーゼの予想は当たったなぁ……」
だが、俺の予想に反してエリーゼの人選は当たっていた。
俺はテレーゼから随伴を命じられ、見たくもないニュルンベルク公爵の顔を拝みに行く羽目になる。
断るという選択肢がないのは、いくら嫌な相手でも接待しなければいけなかったサラリーマン時代の癖が残っていたからであろうが。
俺はテレーゼと共に、両軍が睨み合うなかで、あのニュルンベルク公爵と会食をすることになってしまった。
せっかくのミズホ料理なので、味がわかればいいけど。
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