第13話 テクノロジー

「みんな、ロボットってどう思う?」

「ヒカリ、乗りたいの?」


 アカリちゃんが真っ先に反応する。珍しい。


「真っ先に浮かぶのがそれ!?」


 マヤちゃんがびっくりしてる。でも確かに。


「今読んでいるのがそんな内容だったから」

「なるほどねー」

「それでね、ぼくが言ってるロボットっていうのは、工場で動いているものとかペットロボットとかそういうの」

「んー、どうって言われても……。まあ、便利でいいんじゃない? 仕事は楽になるし、ペットロボットはアレルギーの人でも飼えるわけだし」

「ロボットの普及で雇用が減る可能性がある、なんて話を聞いたことがあるな。単調なことなら機械に任せたほうが正確だろうから、そっちのほうがいいと思うがな。人間は人間にしか出来ないことをやればいいんだよ」

「ぼくが引っかかっているのはそこなんだよ。マヤちゃんが言ったように便利だし、ナギトくんが言ったように人間と機械の区別ができればいいんだよ。でもね、人工知能ってのがあるでしょ? プロ棋士に人工知能が勝ったとか聞いたことない?」

「あります、ありますー。すごいですね、人工知能って」


 リサちゃんも会話に加わる。


「一部ではあるけど人間を超えてるんだよ。なんだかそれって怖くない? 人工知能に支配されそうで」

「映画の世界じゃないんだから。考えすぎだよ、ヒカリちゃん。それに支配しなきゃいけないって判断されるような存在なら人工知能なんか無くたってどうせ近いうちに滅ぶでしょ」


 マヤちゃんがすごいことをあっけらかんと言う。


「そうですよ。それに、人類と機械が仲良くなる未来だってあるじゃないですか」

「じゃあ聞くけど、人類にしかないものって何?」

「心でしょ。完全に理解することなんてできないし」

「創造性もだろうな。ある研究で人工知能に何万冊もの作品を読ませた後に小説を書かせてみたが、支離滅裂で全く面白くなかったそうだ」


 アカリちゃんとナギトくんが答える。


「大丈夫だって。なるようになるよ」


 マヤちゃんがにっと笑う


「それにしても、悩まし気なヒカリちゃんも可愛かったねー」

「そうですね。珍しいです」

「実は昨日の夜、ロボットが襲ってくる映画を観てて……」


「やっぱりそうじゃん!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る