魔法が当たり前にある現代。山梨の片田舎に暮らす四方山メイジは、魔法使いの女子高生。祖父が遺した家で使い魔の鴉・フギンと暮らす彼女の生活はいつもカツカツ。現代に生きる魔女の暮らしをリアルに描く現代ファンタジー。
主人公のメイジが住むのは、昔ながらの日本の里山が広がる田舎町。家のすぐそばにある森や川の動植物には豊富な魔力が宿っている。それを採取してはフリマアプリ「メルオク」で売って生活費を稼ぐのがメイジの日常だ。
自宅の井戸水ですら魔力の宿った水として売れるが、せいぜい数百円。たまに来る高額な収集依頼で食いつなぐメイジだが、そのためには裏山を苦労して登って、お目当ての魔法素材や魔法生物を見つけなければならない。
面倒くさがりでお金に弱い現代っ子のメイジが、小言の多いフギンの手を借りながら、毎回、四苦八苦しながらお宝探しに奔走することになる。
魔法使いも楽じゃない。苦労して納品したのにワガママなお客の声もとことんリアル。けれどちょっとした非日常の日常が不思議に満ちていて魅力的です。
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=愛咲優詩)