第6話五時間目・数学
「…次、数学。」
僕は、数学の教科書を手に持って言った。キミは僕と教科書を見た後、自分の机に目をやった。
「あ、公民出してる…ははっ。今日、なんかいつもと違うね。」
赤い瞳のキミは、数学の教科書を机から出しながら言った。
「え?」
僕は、ポカーンとした。キミからその言葉を聞くなんて。
「なんかしっかりしてる…いつもより。」
キミはそう言ってクスッと笑った。
分からない。なんでキミが笑うと、こんなにもうれしいのか。
気になる。キミが僕の事をどう思っているのか。
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