著者あとがき

 発達障害者の方が持って生まれてくるその特性の種類は、非常に多岐にわたります。持っている特性は人それぞれであり、そして、各自が持っている各特性の強さもそれぞれです。ADHDだからこう、と決めつけることはできません。重度のADHDはこんな生易しいものではない、などと、ご叱責のお声もあろうかと思います。主人公勇二郎は、重めのADHDと設定しましたが、当事者の方から見ると、まだマシな部類に入るかもしれません。当事者の方には、発達障害だけでなく、ASDに見られることのある双極性障害、虐待によるトラウマ・・・などなど様々な要因が複合的に絡み合い、さらに、それらの相乗効果も生まれます。大変な生き辛さを抱えておられる方がいらっしゃるようです。ぜひ、ご感想をお寄せいただければ幸いです。


 精神疾患や発達障害を抱えておられる当事者およびそのご家族の方のお心に、何かをお届けできたなら、作者にとって、これ以上の喜びはありません。


 最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。


 私は、生き辛さを感じながらも、かろうじて生きてきた人が、愛、命の尊さ、絆を感じることで、生きる力を取り戻し、再生する物語を書きたい。


 また皆様とお会いできることを楽しみにしています。


                         令和二年十一月十日 蒼草太



【参考書籍】

 大久保巨(1987)『よく分かる文鳥の飼い方・育て方』土屋書店

 伊藤美代子(2015)『幸せな文鳥の育て方』大泉書店

 小島篤史(2010)『コンパニオンバードの病気百科』誠文堂新光社

 長坂拓也・真田直子(2006)『文鳥』スタジオ・エス


 新里堅進(1978)『沖縄決戦』月刊沖縄社

 佐野眞一(2015)『沖縄戦いまだ終わらず』集英社


 杉山登志郎(2011) 『発達障害のいま』講談社現代新書

 司馬理英子(2008)『ADHD のび太・ジャイアン症候群シリーズ1~5』主婦の友社

 司馬理英子・しおざき忍(2017)『私って、ADHD脳!?』大和出版

 市川宏伸(2006)『ADHD(注意欠陥多動性障害)のすべてが分かる本』講談社

 佐々木正美(2007)『アスペルガー症候群・高機能自閉症のすべてが分かる本』講談社

  福西勇・福西朱美(2015)『大人のADHDコントロールガイド』法研


 発達障害の全貌を見渡すためには、『発達障害のいま』が最も参考になりました。

 ただし、心療内科医ではなく、精神科医の方がご執筆されている書籍のためか、内容は甘くありません。シビアな症例がいくつも紹介されております。また、対処法について解説した書籍ではありません。


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いつか見た、南国の星々を胸に抱いて 蒼草太 @AoiSota2

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