DX3rd うちの子 短編集

バレンタイン 〜俺たちが甘くできると思うなよ！！〜

稲本「さて、今日はバレンタイン。どうせ奴からは何かしらの殺意が向けられるだろうが……」

黒鉄「Happy Valentine（死に晒せクソ野郎）！！」

稲本「こんのやろ早速かよおおおお！！」

黒鉄「……避けられたか」

稲本「避けられたかじゃねえんだよなに投擲してきたの！？砲弾！？」

黒鉄「カカオ(の実)だ」

稲本「ちゃんとそういうところは律儀にバレンタインなのね！？」

黒鉄「お前もそれからチョコを作るといい」

稲本「え、原材料の方から作れっていうの？」

黒鉄「当たり前だろう。日々俺たちがどれだけ苦労しているかを知るといいさ」

稲本「え、お前カカオから作ってるの？」

黒鉄「そんな訳ないだろ」

稲本「殴りて〜〜〜〜この澄まし顔」

黒鉄「それで、今年は何個もらえそうだ」

稲本「あー……まあ割と義理とか友チョコももらってるしそれなりには。なんだ、貰えない俺を蔑もうってものなら無駄だぞ」

黒鉄「いいや、アレクシアに見つかる前に食べ切らねばならぬのは大変だろうなと」

稲本「うっわリアルに痛いところ突いてくるね……。そういやお前はどうなんだ？」

黒鉄「俺は基本表に出ないから奏乃や真奈たちからだけだ」

稲本「ここでお前別にモテない訳じゃないからお前を馬鹿にできないのが腹立つ」

黒鉄「ﾊｯ」

稲本「腹立つ〜〜！！」

黒鉄「そういえばバイク稲本」

稲本「何そのあだ名。バッドシティあたりで付けられてそう」(付けられた)

黒鉄「今回はもう一人参加との事だ」

稲本「え、この混沌空間に？」

鉦一郎「えっと……初めまして？」

稲本「わぁ本当に来た」

黒鉄「彼は旭鉦一郎。"にじのくじら"というシナリオでPC1をしていたライターのキャラだ」

稲本「へぇ……すごく真面目そうでいい子じゃん。よろしくな鉦一郎」

鉦一郎「よろしくお願いします」

稲本「んで、この子が参加したのは何で？」

黒鉄「ノリ、との事だ」

稲本「思ったより雑ぅ」

鉦一郎「ああでも僕、お菓子作りはそこまでですが一応そういうことが出来るからって事じゃないかなと」

稲本「思ったよりちゃんとした回答きたたすかる」

黒鉄「彼については詳しくは言えないがとても家族想いの兄、らしい」

稲本「お前とは大違いじゃん」

黒鉄「……」(無言のボディブロー)

稲本「おごっ！？結構痛いの来たけど！？」

黒鉄「腹が立った」

稲本「立ってない時があったのがビックリだよ」

鉦一郎「えっとまあ、その妹と一緒に作ったクッキーがあるんでよければお二人にも」

稲本「え、いいのか？って何このクジラ可愛い〜！」

黒鉄「アイシングでカラフルに彩られていて……上手くできている」

稲本「味も美味いのがまた……え、なんか珍しくまとも枠じゃないこの子？」

黒鉄「このライターがまともなキャラを作ると思うか？」

稲本「ライターにはいいけど彼には失礼だと思う」

鉦一郎「と、というか僕こそただの高校生が出ても良いものかと……」

稲本「いやまあ、シナリオに出てる通り色彩の勇者として街を守るために戦ってるんだし、俺らより立派だよ」

黒鉄「ちなみに、このクッキーは君と妹さん、どちらがメインで作ったんだ？」

鉦一郎「妹の柝音がメインです。僕は力仕事やちょっとした味付けくらいです」

黒鉄「となれば君の妹さんにも話を聞いてみたいものだな。なかなか良い腕をしている」

鉦一郎「え」

黒鉄「え？」

鉦一郎「いや、そのちょっと僕が仲介するんで！」

稲本「おいおい、何か変に警戒されてるぞ黒鉄〜」

鉦一郎「え、だって危ない人の匂いがするというか……」

稲本「いやマジでお前警戒されてるじゃん」

鉦一郎「妹が危険な目に遭って欲しくないんで……」

黒鉄「いや、俺は話を聞きたいだけなんだが……」

鉦一郎「何言ってるんですか、少しでも妹に危険の芽があるなら芽が出る前に塩撒いとくのが兄ってものでしょう」

稲本「ああうん、この子もまとも枠じゃなかったわ。目がイってるわ」

黒鉄「……仕方ない、妹を思う気持ちを理解できないわけではないからな。君を仲介して話をするとしよう」

稲本「共感しちゃったよこのシスコン！！」

鉦一郎「じゃあ折角ですし料理をする者同士、何かとりあえず作ってみます？」

黒鉄「そうだな、まずはチョコでも作ってみるか。ここにカカオもあることだ」

稲本「いや結局そこから作るのかよ！！！！」

Happy Valentine!!