第8話 ロケ先で
翌日、曜さんとロケ現場であるレジャースポットに来ていた。
「曜さんよくこんな人気長寿番組からのオファー来ましたね」
「ふふん!私の売り込み能力を侮らないでください!」
自慢げに胸を張って褒めてほしそうにこちらを見てきたので
「よく頑張ったねお義姉ちゃん」
「…えへへ~充のなでなで好き~」
曜さんはプライベートと仕事とで俺の呼び方をしっかり変えている、ロケ地や仕事のスケジュール確認などは『充』、家で甘える時や外にいる時などは『健二』と呼び変えてもらっているのでこちらの対応もしやすい。
「充さんまもなく出番です」
「は~いすぐいきま~す」
「それじゃあ頑張って充!」
スタッフさんに呼ばれたので準備の為にロケバスから降り、軽くストレッチをする…すると後ろから
「お、みっつーじゃん久しぶり~」
「え?おお!花楓!」
彼女は
「スンスン…」
「か、花楓?」
「他の女の匂いがする…まさか熱愛報道!?」
「ないない」
「そう?でも…他の女性と密接な関係なら…私…嫉妬するよ?」
「はいはい…冗談はいいから…あ、それで言うならマネージャーが女性だからね」
「なんだマネか~よかった♪彼女とかなら…みっつーから引き離さないと」
最後の方は全く聞き取れなかったが、もうすぐロケが始まるので指定された位置に立って時間を待っていると進行をしてくださる芸人さんが出てきて
「お、今日のゲストは相田さんと如月さんなんですね!これは数字取れるぞ!」
「あはは…僕は何も持ってないですよ」
この芸人さんは明らかに年下である俺にも敬語で話してくれているいい人で、タレントや俳優さんからも信用は大きい、それでもカメラが回るとしっかりタメ口で話しかけてくるのでプロ意識は高いんだなと思っている。
「それじゃあロケ始めます3…2…1…」
「本日も始まりました~…」
いつものようにロケが開始される…芸人さんと花楓のおかげで緊張も解けているのでリラックスしてできている。
「それじゃあさっそく!本日のゲストです!どうぞ!」
呼ばれたので花楓が先にカメラの前に行ってもう一回呼ばれるときに俺が行くという話になっている
「どうも~如月花楓です!」
「くぅ~今日も可愛い!!さすが現役高校生タレント!」
「ありがとうございます♪」
「それじゃあもう1人!奥様方おまたせしましたこちらの方です!」
少しハードルを上げられたが呼ばれたので向かう…少しアドリブ入れるか…
「奥様方…お待たせしました相田充です」
「いきなりサービス満点だな!それでは!今日はこの3人でリポートしていきたいと思います!」
「「おーー!」」
「…はいオッケー!オープニング完璧!」
オープニングが終わり少しリラックスしていると目の前で曜さんが頬を膨らませてこちらを見ている…後ろを見ても花楓が不機嫌そうにこちらを見てくる…え?何か俺やっちゃいました?
「モテるタレントは辛いですね相田さん」
「え、いやいやモテませんよ」
「無自覚ですか…いやいや罪な男ですね」
この時の芸人さんの反応が何を言っているのかわからなかった。
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