第3話 マネージャーは義姉

事務所に着くと社長が迎えてくれた。


「充くん悪いねいきなり呼びつけて」

「いえいえ…それより話とは…」


事務所に入るとウィッグと眼鏡を取りちょっとした空きスペースにある机と椅子に見覚えのある後ろ姿があり。


「連れてきたよ君に担当してもらうタレントだ」

「よろしくおねがいします!雪村曜……え?」

「ひ、曜さん!?」

「おや?顔見知りかね?」

「父親の再婚相手の娘さんです…」


こんな所での再開に2人ともが驚き、続いて社長と契約などの話に移ると


「今まで充くんにはマネージャーの雇用率が悪いって理由からつけてなかったけど…今回新人さんでマネージャー志望の子が来てくれてね」

「それが曜さん…」

「そう!ほんとはベテランを付ける予定だったけど彼女マネジメントの勉強してたみたいでね」

「専門分野ですから!」


胸を張りながらドヤっとこちらを見てくる…うんちょっとバカっぽいし可愛い!胸も誇張されてけしからん!


「それじゃあ2人の懇親もかねて食事会でもどうかね?」

「いいですね!時間もお昼でいいくらいですし!」


社長と話が終わると曜さんが


「ん~充く~ん」


っていいながら抱き着いてきたので少し抵抗しようと


「んん!!」

「はぁ~かわいいなぁ~」


抵抗も虚しく頭を撫でられる形になってしまった…さらに


「お?充じゃん…え?誰?」

まほほはんまことさん!?」

「よ、よう…でこのお姉さん誰?」

「本日から充くんのマネージャーになった曜です!」

「…マネージャー交換してくんね?」

「ほう…私じゃいやだと?」

「ひぃ!心さん!?」

「真こっち来なさい」


そう言われて強引に引っ張られていく真さんを見ながらようやく曜さんの胸から解放された。


「曜さん…すこしは自重してください…家では何も言いませんけど…」

「す、すみません……」

「いいですか?自分で言うのもあれですけど期待の新人って言われるんです…そのマネージャーになるんですからそれなりの覚悟を…」

「大丈夫!お義姉ちゃんに任せなさい!」


すこし不安に思うが頼れるところは頼ろうと思った。

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