第20話 親玉出現
「はぁ!」
飛び出した勢いのまま左手の黒い剣、右手の白い剣で魔獣を斬りつける。
もちろん致命傷一歩手前を狙って。
「ふっ! やぁ!」
そのまま2体目、3体目と反撃の隙を与えないように攻撃。
それと同時に結衣の魔法が飛んでくるから回避。
「グルギャァ!」
「グルルァ!」
回避した場所には2体の魔獣。
先読み!?
だが!
「むっ!」
左右からの攻撃を剣で正面から受け止める。
こっちの剣なら受け止めれる!
「冬也!」
「大丈夫!」
2体の攻撃を跳ね返し蹴り飛ばす。
「っ! 痛……」
脚に痛みが走る。
そういえばフィジカルエンチャントかけてなかった!
慌ててかける。
と、
「ふぅ……」
恵音が息を吐く。
魔獣の動きが落ち着いた。
ここまでやれば流石に引いてくれるか……。
「……っ!」
奥からとても濃い魔力。
親玉か……。それも2体……。
「でかいな……」
先程の倍、恵音の身長ほどはあるだろう巨体。
狼型の魔獣にしてはでかい方だ。
「……」
お互い動かず様子を伺う。
日本刀から西洋剣に変えたからといって戦いづらいのは変わっていない。
油断は禁物だ。
「グルギャァァ!!!」
来た!!
左手の白剣で攻撃をいなしながら右手の黒剣で斬りつける。
……、刃の通りが悪い……。
闇雲に戦っても武が悪い。
すぐさま距離を取る。
間合いを一定に保ちながら周囲の確認。
恵音は!?
可愛らしい
無理矢理攻撃をすることはなく、相手の攻撃をその長い刀で上手く受け流している。
刀をが長いが故に恵音はあまり回避をしないのだ。
動くたび長くて黒い綺麗なポニーテールが舞う。
戦闘中にも関わらず見惚れてしまいそうだ。
「ギャアァァ!!」
むっ!
親玉じゃない魔獣が飛び出してくる。
ここで間合いを崩されるのはまずいっ!
「
目の前に翡翠の壁が出現。
俺を守ってくれる。
「弱い方はおまかせくださいな!!」
「……っ! ありがとう!」
「えぇ!」
お姫様に助けられる。
フィリスだけではなくクロードも親玉以外の注意を引きつけてくれている。
だが、このままではジリ貧だ……。
いずれ魔力が体力、もしくは魔力が切れるだろう。
せめてこの森を抜けることが出来れば……。
そうだ!
「フィリス! この近くに少し開けた場所はないか!?」
「……分かりません……。さすがにここの地図までは分かりませんわ……」
………………。
申し訳ない……。
さすがにフィリスに頼りすぎか……。
じゃあどうすれば……。
「ここは私に任せて!」
「あかり!?」
「いつまでもみんなに任せてなんて居られないよ!」
「……分かった!」
俺とフィリスの話を聞いていたのかあかりが名乗り出る。
「フィリスさん! すみません、手伝ってください!」
「はい、なんですの?」
あかりに近寄るフィリス。
「そこに立ってるだけで大丈夫です。いきます!」
空間魔法で御幣を取り出す。
「高視の
魔法が発動する。
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