第13話 2人の関係性

「そういえば、クロードくんはフィリスちゃんのことをお嬢って呼ぶけどなにか理由があったりするの?」


 あかりちゃんが突然そんなことを言う。


「そ、その、言いにくかったら言わなくてもいいんだよ! なんとなーく気になっただけだし……」

「いや、別に大丈夫だよ。そんなやましいことなんてないって。な? お嬢?」

「ええ。別に隠すようなことではありませんしね」


 そう言いながらサンドイッチのおかわりを頼むフィリス。

 フィリスさんの前にはすでに空のお皿が3枚積み上げられている。

 どんなけ食べるんだろうこの子……。


「実は俺、お嬢の執事なんだ」

「執事?」

「そうだ。恵音分かるか? 執事だぞ羊じゃないぞ」

「さすがにそれくらい分かるよぅ……」


 むぅ、と不満げに頬を膨らます恵音。

 それを軽く笑い飛ばして話を続ける。


「俺の家系は昔からルクナシア家と交流があったんだ。それが色々あって執事やメイドに変わっていったんだ」

「へー。色々かー」

「その話は長くなりますのでまたの機会に話すと致しましょう」


 またお皿が1枚積み重なる。


「まあそんなとこだ。……お嬢、それで最後な、それ食べたら寮に戻るぞ」

「えぇ!? まだ物足りないですわ!」

「うるさい」

「っ! 酷いですわ……」


 実際、フィリスさん以外もうサンドイッチは食べ終えていて完全にフィリスさんを待っている状況だ。

 クロードくんが正しい。


「……そうですわね。夜のためにもこれで最後と致します」


 名残惜しそうに最後のサンドイッチを食べ始める。


「ご馳走様でした」


 皿を積み上げる。

 フィリスさんは最終的にお皿6枚分ものサンドイッチを食べてしまった。

 バーベキュー大丈夫なのかなこの人……。


「バーベキュー楽しみですわね」


 あ、大丈夫そうだわ。

 恵音と楽しそうに話しているし。


「ありがとうございました」


 店員さんに見送られ喫茶店を後にした。


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