第12話 馬鹿の姿勢
一方……。
「俺はトップじゃなくても良いんだけどな。俺がなりたいのは騎士だし」
こっちは、幼馴染(馬鹿)の学習姿勢だ。
馬鹿っぽい思考で、馬鹿っぽい事に、馬鹿丸出しの動機で入学したらしい。
馬鹿だろ。こいつ。
お前平民なんだから、平民らしく小さな村で騎士の真似事してりゃいいんだよ。
そのふやけた思考、お湯でもかけて微塵も残さないくらいに、ふやけさせてやりたい。
「勇者になれなかった人達は、騎士に就職するんだもんな。だから、俺は騎士になる」
さいですか。
そんな二人の幼馴染を持つ僕は、毎日気苦労が絶えない。
「お前のやる気は分かったから、練習とか訓練とかは僕の目のつかない所でやってくれ」
「なんで? 付き合い悪いぞ」
「馬鹿なくせに無駄にあるその体力についてけるか!」
「褒めるなよ。照れる」
「褒めてない!」
僕の学生生活どうなってしまうんだろうな。
先行き見通せないどころか、すぐ目の前にぶ厚い壁立ちふさがってないよな?
僕はそっとため息を吐きながら、授業の予習をこなす。
座学が優秀なお嬢様は大丈夫だが、馬鹿が授業に追いつけない時があるので二倍勉強しなければならない。
人の面倒なんて見てられるかって心境なんだけど、あいつらが教師から「さて、この問題の答えは何でしょうか?」って指名された時がなあ。
お嬢様は大丈夫だけど、馬鹿から向けられる視線を無視すると、後が煩いんだよな。
「(ヨルン、助けて! ちんぷんかんぷんだ!)」
「はぁ……(ノートの端に答えを書いて渡す)」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます