第13話 さっそく首をつっこもうとするな
放課中。
次の授業に向けて予習しなければ。
勉強に集中を、と思ったら……。
なんか聞こえてくるぞ。
どしゃーん。がらがら、どかーん。
教室の外から騒動の気配がしてきた。
僕の顔は当然、「うわぁ」になる。
頼むから、そういうのなしにしてくれよ。
そう願うが、運命の神様は残酷だ。
追加で、ガラスが割れた音とか、重たいものが転がる音がした。
するとどうなる?
クラスにいる馬鹿とお嬢様が机からすくっと立ち上がる。
それで、どうしちゃう?
息ぴったりに互いに視線を交わした二人は教室の出入り口を通過。
「何かあったのかしら」
「気になるな!
ほら、なんか荒事の気配がした瞬間に、幼馴染ズが吸い寄せられてくよ。
農場で餌付けされてる動物達だってもっとゆっくり行動するもんだよ。
ぜんぜん躊躇わねーな。お前ら。
すると幼馴染達を煽るような声が聞こえてきた。
「きゃあっ。あっちで、喧嘩が起こってるわよ!」
「誰か、止めて! 先生を呼んできて!」
他の生徒がこんな叫びを上げると、これからこういう流れになるんだろうなって予測が立ってしまう。あ、もうこれ知ってる。……って感じに。
教科書を閉じて、席を立ち、幼馴染の後を追うと。
やっぱり、そこにいた。
お人よし共が神妙な顔して、何かしらに巻き込まれている。
そして、周囲の生徒達に事情を聴いていた。
想像した行動からまったくぶれないな。
僕は表情を変えずに彼らの後ろに立った。
そして情報収集を終えた幼馴染達は、音の発生源を見る。
そこには喧嘩している生徒。
「分かったわ。私達が止めるわね。怪我をする前に成敗しなくちゃ!」
「俺も手伝うぜ!」
そして、そんな事を言いながら走り出そうとした二人の首根っこを掴んだ。
「ちょっと待て、猪突猛進族!!」
とりあえず叫び声をあげた生徒を捕まえて事情を聴くことにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます