第9話 鍛えた方が良いのかな



 村に帰った後、薬を煎じてのませたら、お嬢様の具合は良くなっていった。


 迷いの森でばったり倒れた時はひやひやしたが、数日後には木刀を振り回せるようになったらしい。


 後遺症も残らず完全回復したようだ。


 そんなお嬢様と馬鹿は懲りずに、ちゃんばらごっこに精を出汁ている。

 迷いの森に行った事がばれて大人達から強く叱られたのに、懲りる様子がまるでない(僕? 僕はうまく取り繕ったから被害少なかったよ)。


 たぶん、また馬鹿をしでかすのだろう。


 その時、被害を受ける対象は僕も込みな気がする。


 放っておけたら良いんだけど、なんて言うかほうっておけないって言うか……あいつら見てるとつい口とか手とかが出ちゃうんだよな。


 はぁ、危なっかしいんだよ。


 で、後日二人に会いに行くとお礼を言われた。


「ヨルン、この前のことはありがとうね」

「おう、ついてきてくれて助かったぜヨルン」

「僕は別に何もしてない」

「そんなことないわよ。心配してくれたのすごく嬉しかったわ」

「ヨルンがついてきてくれたから、俺も怖くなかったしな」


 うーん。僕も、鍛えた方がいいのかな。


「そうだ。そういえばこの間この近くで狂暴な害獣が出たらしいの。こんなに大きいいの。村の人たちが怖がってたわ。一緒に退治しましょ」

「そうだな。大きいと、なんか戦ったって感じするもんな。達成感大きいし、ちょうど体なまってたとこだから、行こうぜ!」


 うん、絶対に鍛えとこう。







 馬鹿の称号・ランク かけだし魔物ハンター。おっちょこちょいさん 「D」


 お嬢様の称号・ランク かけだし魔物ハンター。天然記念物系お嬢様 「D」


 僕の称号・ランク まきこまれ系魔物ハンター、とどめ刺す係 「E」


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