第2話

道を歩く。


ただ、道を歩く。


すると、通りすがった人達の私を小馬鹿にする声が微かに聞こえる。そんな事、どうでもいい。


今日は所属しているサークルの飲み会だ。少し気持ちが浮かれる。

いつもより少し足早かな。


集合場所に近付くと、既にメンバーが3人集まっているのが見えた。待ち合わせは17時なのに律儀な奴らだ。


今日は何を話そうか。愚痴はどこまで許されるだろうか。飲み屋のご飯は美味しいのだろうか。


これから始まる、ただの食事に少し高揚しながらあれやこれやと考える。


とりあえず、あそこへ行こう。そして、他愛も無い話をしよう。そうだ、昨日の寮のご飯が不味かった話をする。その後


携帯がポケットの中で鳴った。


つー、っと。汗が額から顎に伝い、地面に落ちるのを感じた。


今日くらいはいいだろうか。許されるだろうか。


色んな言い訳を自分に言い聞かせた。しょうがない、入っていた予定だもの。私は悪くない。相手にも伝えていた予定だ。私は悪くない。


「ねぇ、寂しい」「声聞きたい」


私は、その場に数分立ち止まり。そして、寮に帰った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る