第22話 リーヴァダンジョン入り口

 広場での話し合いを終えると、町を出てリーヴァダンジョンの入り口にやって来た僕たち3人。


 そのダンジョンは、森の中を進んで水辺の近くにあった。入り口の外壁は真っ赤なレンガで補強されていて、遠目からでも非常に目立って分かりやすい。町から歩いて来て、近づいてきたときにすぐ目に留まった。


 なんだか、見覚えが有る気がする場所だな。


 大きく開かれている出入り口は、真っ直ぐ地下へ進むための暗い道が伸びている。奥の方は薄暗くて、ハッキリとは見えない。その景色に不気味さを感じる。


 特徴的な赤いレンガの出入り口を目にした瞬間、薄っすらとだけ残っていた記憶が蘇ってきた。僕が遠い昔、冒険者だった頃に何度か挑戦したことのあるダンジョン。リーヴァダンジョンという名前は忘れていたが、たしか2回か3回ぐらい訪れたことがある気がする。あの赤いレンガの出入り口には、見覚えがあった。




 ダンジョンを攻略するための基本的な知識として覚えていたことは、2つだけ。


 まず1つは、ダンジョン内の気温は常に一定に保たれていること。わざわざ防寒や防暑のための服装を揃える必要が無いということ。


 ただし、例外はある。ダンジョンには炎を司っている場所、氷を司っている場所というものがある。場所によっては、ダンジョンを攻略するための暑さ対策、寒さ対策という事前の準備が必要な時もある。


 リーヴァダンジョンは、一般的なダンジョンだったはずだ。だから、事前に服装の準備をする必要は無い。戦いのために、防具を装備しておく必要はあるけど。


 もう一つのダンジョン基本知識というのは、道について。


 ダンジョンは入り口から真っ直ぐ地下へと続いている、長い道がある。それは一本の道で、ある場所までは下り続けることになる。モンスターが出現する空間に入っていく通路は、100メートルぐらい続く。


 どのダンジョンの出入り口でも例外は無くて、長い道が伸びていた。


 ダンジョンまで続く道には、不思議な仕組みがある。地下まで続いているただの道ではなくて、奇妙な空間に接続している。その道を通ることで、僕らはダンジョンに入ることが出来ている。


 その一本の道以外のルートを進もうとすると、なぜかダンジョンに辿り着けない。地面に穴を掘って道を作っても、ダンジョンには行けないということ。まだ解明されていない、ダンジョンの謎の1つである。


 とにかくダンジョンに入るためには、その道を通らなければならない。




 ダンジョン出入り口の付近、王国の女性兵士たちが巡回して周囲を警戒している。ずっと見張っているなんて、大変そうな仕事だ。


 少し離れた場所にも数名、歩いて見回ったりしている兵士たちを発見した。ここにあるダンジョンを監視している兵士たちは全員、女性のようだった。


 全身鎧のプレートアーマーを身に着けていて、腰に剣をさしている。見た目だけでかなりの威圧を感じる物々しい雰囲気。


 彼女たちは、一般人や許可証が持ってない冒険者、盗賊たちがダンジョンに勝手に立ち入らないように見張っている。周囲の見張りを続けながら、冒険者のダンジョン入出の管理もしているようだ。


 外からの侵入だけではなくて、ダンジョン内部に生息しているモンスターが何かの拍子で溢れ出てきた時に、討伐するために兵士たちが備えている。


 万が一の場合に、彼女たちがモンスターの進攻を食い止めることで、町がある方へ絶対に行かせないようにするという役目もある。

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