第5話 勉強してみる?
「ふ〜。そろそろ朝ご飯にしようか!」
「うんっ!」
「キュ〜ッ♪」
「ワォ〜ンッ♪」」」
キリのいいところで作業を止めて、朝ご飯にする事になったので、俺も剣の練習を終わりにする。
「ニコちゃん、見てるだけで楽しい?」
「キュキュ〜ンッ♡」スリスリ♡
「そう?まぁ、ニコちゃんが楽しいなら良かったよ♪」
父さん達に続いて家へと戻る。
もちろんニコちゃんをお姫様抱っこして、、ね。
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さて!本日の朝ご飯のメニューは、照り焼きチキン、スクランブルエッグ、オニオンスープにマカロニサラダとなっている。
そして昨日と同様に、ニコちゃんは俺の膝の上に座っている。
という事はつまり、上手く立ち回らないと再びテーブルや皿がズタズタになってしまうということだ。
いや待てよ?そうとも言えないか?
今は人と同じ手をしていて爪だって同じなんだし、スプーンとかフォークを使えば問題ないんだからね!
それと昨日の失敗を踏まえて、今回は肉スタートではなく、マカロニサラダやスクランブルエッグから攻めることにしよう!
俺も肉食べたいしっ!!
「じゃ、じゃあニコちゃん?あ〜〜んっ?」
「キューンッ!」フルフルッ!
「あ、あれ?マカロニサラダは食べたくない?」
「キュンッ!」
まぁそうだよね。肉食獣だもんね。
俺はフォークに刺さったマカロニサラダを代わりに食べて、次はスクランブルエッグをスプーンでニコちゃんの口元に運んだ。
「じ、じゃあニコちゃん、あ〜んっ?」
「キュァ〜ンッ、、。」
「ど、どう?食べられる?」
「キュ〜、、。」
ふ〜む。仕方ない、、か。
と、俺は照り焼きチキンを一口大の大きさに切り分け、その一つをフォークで突き刺す。
そして、ニコちゃんの口元へ〜、、
「ニ、ニコちゃん?あ〜〜んっ?」
「キュァ〜〜〜〜〜〜〜ンッ♡、、キュキューッン♪」
もぐもぐ、、ふっふっふ。照り焼きチキン美味い!!
ニコちゃんは昨日のブタの角煮同様、あまりの美味さに大興奮している。
そして俺はというと、一つ気づいた事がある。
ニコちゃんはあーんする時、目を閉じるのだ!
そして、そのタイミングをうまく利用し、先に俺が一つ食べてから、もう一度フォークでチキンを取り直して食べさせる、、という訳だ。
「ほ、ほらニコちゃん?あ〜〜んっ?」
「キュァ〜〜〜〜〜〜〜ンッ♡キューンッキューンッ♪」
もぐもぐ、、ふっふっふ。2回目もバレてないようだ。
チキンの減り方を見れば一目で分かるのだが、大興奮しているニコちゃんが気付くとは思えない。
この調子で、昨日食べられなかった肉を堪能するとしよう!!
・
・
・
ふむ。今日は、照り焼きチキンの量が普段の3倍あったから、全員分を完食という悲劇は起こらなかったね。母さんが先手を打っといてくれて助かった。
ま、まぁ、俺も一緒になって食べていたから、父さんの照り焼きチキンが無くなったわけだが、最小限の被害で止めることができたのだ。
良しとしておこう、、。
さて、きっとニコちゃんはまたお返ししてくれるつもりなんだよね〜?
「キュ〜ンッ♡」
「え、、え〜っと?ニ、ニコちゃん?その爪はどうしたのかなぁ〜??」
「キュ〜??」
「す、凄いねー。伸縮自在なんだ、へー、、。」
「キュァ〜〜〜ンッ♡」
と、ニコちゃんはマカロニサラダを伸ばした爪で突き刺し、俺の口元へと寄せてきた。
その爪は昨日と同様に鋭利な刃物の輝きを放っている。
恐らくこれが舌に触れようものなら、俺の口の中は大惨事になること間違いなしだろう、、。
ここは一つ、フォークやスプーンの使い方を教えるべきだな。
「ちょっと待って、ニコちゃん。」
「キュ〜ン??」
「えっとね?俺がニコちゃんに食べさせた時、コレとかコレを使ってたのは分かるよね?」
コクコクッ
「じゃ、じゃあニコちゃんも、俺の真似してコレを使ってみようか?」
俺はニコちゃんの爪に突き刺さったマカロニサラダを箸で取って器に戻し、爪を短く戻してもらう。
そしてフォークを1本ニコちゃんに持たせてみる。
「上手に持ててるねっ♪そしたら〜、そう!上手上手っ!!」
「キューンッ♪キュァ〜〜〜ンッ♡」
「うんっ、あ〜〜んっ♪、、美味し〜っ♪ありがとね!」
「キュキュ〜ンッ♡」スリスリ♡
「ふふふっ♪朝からラブラブみたいね?」
「えっ、いや、これはその〜、、。」
「キュ〜ンッ♡」チュッ♡
「ふふっ♪別に照れなくてもいいわよっ♪母さんはリュウとニコちゃんはお似合いのカップルだと思ってるし〜っ♡」
「か、カップルって、、まだそんなんじゃないし、、。」
「ふふふっ♪あっ、そうそう。入っておいで〜?」
「ワフンッ♪」」」
「おおっ!?」
母に軽くからかわれた後、リビングに入ってきた3匹のシルバーウルフ達。
可愛く彩られた服を着こなし、二足モデル歩行にて登場です!!
、、本当に狼なのか?
「1番、、ルルちゃんっ♪」
「ワフッ♪」
スタッスタッスタッ、、ウッフーン♡クルッスタッスタッスタ、、
母が名前を呼ぶと、俺の目の前まで来てセクシーポーズ!クルッとUターンをして母の隣まで戻っていった。
「2番、、シールちゃんっ♪」
「ワフ〜ンッ♪」
スタッスタッスタッ、、ウッフン♡クルッスタッスタッスタ、、
「3番、、パルちゃんっ♪」
「ワフフンッ♪」
スタッスタッスタッ、、ウワァ〜オッ♡クルッスタッスタッスタ、、
いや、パルちゃん?大開脚はやり過ぎだと思うよ?
「どうだったかしら?リュウのハートを射止めた子は誰?」
「えっと、パ、パルちゃんのが印象深かったね。」
「、、リュウ。あなたがそんなスケベだとは思わなかったわ。母さん、ドン引きよ。」
いや、仕込んだの母さんだよねっ!?
「と、とにかく!ルル・シール・パル、改めてよろしくなっ?」
「ワォ〜ンッ♪」」ワフフンッ♡」
俺は改めて握手を交わしていくのだが、パルちゃんの反応だけが若干違った気がした。
ま、まぁ、余計なフラグは立てないようにしよう、、。
「ほ、ほら?ルル達もご飯食べちゃお?」
「ワフンッ♪」」、、、。」
3匹の前に照り焼きチキンの皿が置かれ、ルルとシールはガブガブと食べ始めたのだが、パルだけ口をつけずに俺の方を見ている。
鶏肉は好きじゃなかったのかな?
「パルちゃん?鶏肉は好きじゃなかった?でも、母さんの料理はどれも美味しいから、一口食べてみて?」
「ワァ〜〜、、。」
「わ、分かったよ。じゃ、あ〜〜んっ?」
「ワァ〜〜フンッ♡ワフワフンッ♡」
「ふふっ、美味しいでしょっ?気に入ったなら、残さず食べてねっ?」
「クゥ〜ン、、。」ウルウル、、
「も、もしかして、あーんしてもらいたいの、、かな?」
「ワフワフッ♡」
「あらあら?リュウったらパルちゃんにまで手を出すなんて、プレイボーイねっ?」
「いや、そういう訳じゃなくてね?あ〜、パルもそんな潤んだ瞳で見つめてくるのは反則だよ〜!ほらっ、あ〜〜んっ?」
「ワファ〜〜ンッ♡ワフンワフンッ♡」
結局、パルの照り焼きチキンは俺があーんして食べさせる事になった。
「ふぅ〜、良い湯だったなぁ!リュウ、お風呂空いたぞ!」
「う、うん。俺も汗流してくるよ。」
「キュ〜ンッ♡」ワフ〜ンッ♡」
父さんとギン達がお風呂から上がって、リビングへと戻ってきたので、交代で俺もお風呂に入ることにしたのだが、、ニコちゃんとパルちゃんまでついて来ようとしている。
「えっと、、パルちゃんはまだいいとして、ニコちゃんはさすがに、、ねぇ?」チラッ
「うふふっ、母さんは良いと思うわよ〜♪子供なんだから一緒にお風呂くらい入るわよ〜っ♪」
、、そういうものなのか?
「キュ〜ンッ♡」ワフ〜ンッ♡」
「ま、まぁいっか。じゃあお風呂でサッパリしてこよっ♪」
こうして一緒にお風呂に入り、汗を流したわけだが、、ニコちゃんを洗い、パルちゃんも洗うことになった。
結構大変なんですが!?
・
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・
お風呂から上がってリビングに戻ると、母から今後のプランを提示された。
「父さんとも話し合ったんだけど、ニコちゃんとパルちゃんも学校に行けるようにしましょ?」
「ええっ!?それは無理があるんじゃない?」
「普通に考えると無理ね。でも、母さんのコネと人脈があれば、、ふふっ♪」
「そ、、そうなの?」
「その辺は大人に任せておきなさいっ?ただニコちゃんには、人の言葉と生活ルールを教える必要性があるの。残り5日で、必要最低限の言葉と生活ルールを覚えることができたら、一緒に学校に行けるようにしてあげる。どう?頑張れる?」
「分かった。やってみるよ!」
「リュウならそう言うと思ったわ♪じゃあ、生活のルールは母さんに任せてちょうだい!リュウには言葉と文字の読み書きを任せるわねっ!?」
「うん!」
と、突発的に決まったことなのだが、ニコちゃんを放ったらかしにして寮に入るのは不安があったので、これが上手くいけば解消される。
そして実際に人語を使うライオスキングがいたのだ!その子供であるニコちゃんなんだから、きっと可能であると思う。
ただ、期間が短いというのが難点だが、、。
まぁしかし!特に人との接点がないライオスキングが独学で覚えるのと、1対1の個別指導で学習するのとでは大きな差がある。
俺はこの差に賭ける!!
「じゃあ、今日からお勉強だね。ニコちゃん、頑張ろっ♪」
「キュ〜ンッ♡」ワフ〜ンッ♡」
えっと、、パルも勉強するのかな?
まぁ人語を使うシルバーウルフなんて前代未聞だから、ちゃんと使えるようになったら尊敬すると思うけど、、。
今日から5日間。
どうなることやら〜、、。
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