聖女の未来

一ノ瀬 彩音

第1話 壱

「あ~あ、よくも俺の事を裏切ってくれたよな」


「裏切っていませんっ!!」


「いやっ、いやっ、裏切っただろうがっ」


「裏切ってません」


「あのな、婚約しといて別の人と付き合っているって

絶対どうかしているだろう」


「いいえっ、していません」


「どうしてそう言い切れるんだよ」


「言い切れますよ、私が誰と付き合おうが勝手じゃない」


「そういう風に言うのか」


「婚約しているからと言って誰かと恋愛してはいけないなんて

ないじゃないの」


「君は聖女なのに、そういう考えてをしているのか、まじで腹が立つな」


「聖女だからいいのです」


「最低な女だな、聖女なのに、信仰心があるのに」


「そんなのは関係ないし、どうでもいいのよ」


「よくもそんな事を言えるな」


「本当に婚約を破棄しますからねっ」


「本当にするのか?」


「ええっ、婚約を破棄しますよ」


「そうか、なら仕方がないな、この事は王に報告するしかない」


「どうぞ、ご自由に」


「遠慮なくそうさせてもらうな」


2人の恋愛は終わりを告げると聖女はどうなったのでしょう。


聖女は元彼が自国の王に報告したおかげで

聖女自身が自国から追放されて、

追放されただけならいいのですが、辺境の地でタダ働きをさせられているのです。


『私って最悪な人生を送っていそうね』


そんな事を思いながら、タダ働きをしている聖女でした。

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聖女の未来 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019

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