死を目前にして、時間に限りがあるといえ、もし若い頃に戻れたのなら何をするだろうか?運動をしたり、当時の友人と話したり。今は亡き人と話したり、猫を撫でたり。「男」の選んだ行動はどれも特別でなく、欲を抱かず、ただ日常を過ごせる喜びと感謝に満ちていて清々しくうつります。読後、自身にあてはめて考えてみると、本作の主人公のようにありたい、と思わずにはいられませんでした。