第7話 あなたを守りたい

 4月。東京にも桜が咲き、満開を迎える頃。


 白狐の絹は、珍しく一人、いや一匹だけで外出していた。それも保重には「ちょっと出かけてくる」と告げただけで。


 彼女が向かった先、それは屋敷から歩いて5分ほどで行ける、「上野恩賜おんし公園」だった。


 ここは、江戸時代から続く、歴史のある公園だが、近世よりソメイヨシノの名所としても有名な場所であった。


 西郷隆盛像の前を通り、不忍池しのばずのいけのほとりを歩き、ソメイヨシノが道の両脇一杯に広がる、桜並木を通る絹。


 彼女は、この「桜」に強い感傷を抱いていた。

 そして、それは過去や前世を知る力「宿命通」と、輪廻転生を見る力「天眼通」に由来する。


(こうして桜を見ておると、あやつとの『前世』を思い出すのう)

 宿命通と天眼通を通してみる、絹の前世がここに展開される。



 時は、戦国時代と呼ばれた時代。

 まだ、織田信長も豊臣秀吉も徳川家康も、生まれていなかった、戦国時代と言っても初期の、15世紀の話である。


 応仁元年(1467年)から始まった、応仁の乱は、その後十年も続き、これによって、室町幕府の権力は一気に崩壊。


 地方の守護大名や国人こくじん領主と呼ばれる、在地の領主が勢力を拡大し、世は「群雄割拠」の戦国時代に入る。


 美濃みの国(現在の岐阜県)。ここは鎌倉時代の昔から、土岐とき氏が守護として勢力を振るっていたが、美濃国には守護代に斎藤氏というのがいた。

 後に下剋上を起こす、斎藤道三とは別の斎藤家である。


 応仁の乱でも活躍した武将、斎藤妙椿みょうちんが文明十二年(1480)に亡くなると、二人の甥、斎藤妙純みょうじゅんと斎藤利藤としふじが家督争いを始める。


 さらに、当時の美濃守護の土岐成頼しげよりは嫡男の政房まさふさを廃嫡して末子の元頼もとよりを跡継ぎにしようとして、利藤と守護代の家宰であった石丸利光いしまるとしみつ、それに近江おうみ国(現在の滋賀県)の守護、六角ろっかく氏が同調していくさが起こり、政房と妙純が近江の京極きょうごく氏、尾張おわり国(現在の愛知県西部)の織田氏、越前えちぜん国(現在の福井県)の朝倉氏の支援を得て、勝利し、成頼は隠居、元頼は自刃した。


 これを「船田ふなだ合戦」と呼ぶが。


 ともかく、早い話が、守護であろうが、守護代であろうが、親子や兄弟で争い、いつ果てるともない戦いが続いている、文字通りの「乱世」だった。


 そんな世の中だったため、当然のように治安は悪くなり、庶民は相次ぐ戦に、田畑を荒らされ、巻き添えに遭って殺されることも珍しくない世の中だった。


 その土岐氏の家臣に、氏家うじいえ氏というのがいた。後に、織田信長の家臣になる、氏家卜全ぼくぜんを輩出することになる、氏家氏は、藤原北家ほっけに繋がる名族だという。


 その氏家家の姫が、絹の前世であった。

 名前を「つる」と言い、良家の姫として大切に育てられてきた。やがて、鶴は美しい女性に成長する。


 その鶴が、政略結婚によって、嫁いだ先が、守護代の斎藤氏の陪臣ばいしん(家臣の家臣)で、山崎やまざき氏の長男、山崎十郎太じゅうろうたという男だった。

 陪臣ということで、格式的には、鶴の方が上位であった。


 山崎氏は、陪臣ということで、出自も定かではない、下級の武士だったからだ。


 そのため、山崎氏にとっては、主家筋の姫をもらうということで、結びつきを強め、また家名を高めるためにもこの結婚には意義があり、結婚は鶴が16歳、十郎太が18歳の時に行われ、晴れて二人は夫婦になる。


 恋愛結婚などというものが、そもそも存在すらしていなかった時代。

 二人の間に、絶対的な「愛」など存在しないと思われた。


 そして、この「山崎十郎太」こそが、幸徳井保重の「前世」だった。それは決して物語のように「運命的な出会い」ではなかった。


 むしろ親同士が、勝手に決めた結婚にすぎない。だが、当時の武家の娘というのは、現在では考えられないくらいに、しっかりしていたし、「武家の定め」という運命を受け入れることに抵抗はなかった。


 初めて会ったのが、結婚式当日という、現代では考えられない感覚の結婚だったが、十郎太は鶴が思っていた以上に、誠実で、そして武士らしい、強い心と体を持つ、真面目な男だった。


 輪廻転生した、昭和時代の幸徳井保重とは正反対の、ある意味では、「男らしく」、力強い、古風な雰囲気を持つ武士であった。


(このお方となら、きっと上手くやってゆける)

 鶴はそう思い、末永い幸せを願っていた。


 二人は、お互いに惹かれあい、やがて子宝を授かり、男の子と女の子を一人ずつ授かった。二人の仲は、睦まじく、周りの人が羨むくらい幸せに満ちていた。


 ところが、戦国乱世の、荒れた世の中は、その幸せを何も保障してはくれないのだった。


 夫の十郎太は、下級の武士とはいえ、武家としての習わしを心得ており、槍や刀、弓などの武芸にも秀でて、また自信家でもあった。


 だが、その「勇猛さ」が仇になる。


 当時、もちろん国家権力も、警察力もなく、文字通りの「無法地帯」が広がっていた。そういう世界では、「野盗やとう」が闊歩かっぽする。


 戦に次ぐ戦で、武士が領地を離れると、それを狙うハイエナのように、野盗たちがどこからともなく現れ、民衆を襲った。


 戦乱は、貧困を生み、貧困は暴力を助長する。暴力が広がれば、それが当たり前の無法の世界となる。


 明応めいおう五年(1495年)、春。二人が結婚して、3年が経った頃。愛し合う二人に悲劇が襲う。


「野盗だ!」

 美濃国加茂かもに小さな領地を持ち、城というよりも、砦に近いような小さな屋敷しか持っていなかった、山崎氏の領地に、野盗が現れる。


 兵農分離も進んでいない当時、野盗たちは自由に武器を持っており、簡単に人の命は刈り取られた。


 野武士風の野太刀のだちを持ち、簡易的な胴丸どうまるを着た、三十がらみの筋肉質の男が、その野盗団の首領のようだった。

 それに、一見すると足軽風にも見える盗賊連中が数十人は従っていた。


 そして、運が悪いことに、当主の十郎太は政務で、斎藤家の屋敷に出向いており、家臣の多くもそれに従い、不在だった。


 残されていたのは、わずかな留守番の家臣団と、女や子供や老人のみ。


 たちまち、集落は阿鼻叫喚あびきょうかんの地獄絵図と化す。


 そもそも頼るべき「秩序」がない時代。野盗たちは何でもやった。殺し、奪い、犯し、焼き尽くす。


「皆を守れ!」

 留守番の家臣が叫んで、領民を守りながら戦おうとする。それでも、突然の襲撃と、戦には不慣れな領民たち、そして残されたわずかな家臣団は、戦い慣れた野盗たちには敵わなかった。


 たちまち、死傷者が続出し、山崎氏側は田畑を荒らされていく。

 家臣の一人が、馬で主に知らせに走ったが、その間にもどんどん集落は荒らされ、人は殺されていく。


 気がついた時には、鶴は屋敷の一室から逃げることもできなくなっていた。


 半刻(約1時間)後。ようやく家臣を引き連れて、十郎太が慌てて領地に戻った時には、すでに集落は壊滅状態になっていた。


「鶴!」

 真っ先に、妻の名を叫び、十郎太は屋敷に向かって駆けた。


 鶴は、今まさに野盗に襲われ、組しだかれており、その脇に二人の幼子おさなごがいた。


「貴様!」

 いきなり背後から刀で野盗に斬りかかり、斬り殺す十郎太。


 その目は、真っ赤に燃えるように光り、怒りに満ちていた。

「十郎太様!」


 そのまま、妻を守るように刀を構えた。


 見ると、野盗の首領はじめ、数十人に取り囲まれていた。


 残りは、十郎太に従っている家臣たちと刃を交えていた。

 だが、圧倒的に不利な状況だった。


 いくら武芸に秀でていると言っても、多勢に無勢。勝ち目はなかった。


「あんたが、領主様かい。小さな領地とは言っても、一応は武士の端くれだろう? 不甲斐ない戦いは見せるなよ」

 首領の男の野太い声とほぼ同時に四方八方から男たちが襲いかかってきた。


 刀と槍で彼らに応じ、必死の抵抗を試みる十郎太だったが、数が違いすぎた。数人は斬り倒すことができたが、その隙にどんどん斬られていく。


 やがて、体のあちこちに傷をつけられて、膝を突き、血がどんどん流れ出て、視界も意識も遠くなりかける。


 それでも、彼は妻と子を守るように立ち塞がっていた。

「ほう。これだけの数相手にしぶといな」

 首領の男を倒せば、野盗は崩れるはず、と思っていたが、その首領にたどり着くこともできていなかった。


「もうおやめ下さい!」

 鶴が泣きながら、懇願するも、男たちは、


「武士の娘が泣きごとかい。旦那を殺したら、あんたは殺さずに連れて行ってやるよ」

 首領の下卑た笑みに反応するように、次々に下品な笑みを浮かべていた。


「やれ」

 男が合図を送った瞬間、複数の弓が十郎太の体に突き刺さる。


「鶴、逃げろ……」

 それが十郎太の最期の言葉になった。


「十郎太様!」

 泣き叫び、十郎太の体にすがりつく鶴だったが、その体に男たちの手が伸びる。


 しかし、

「私もおそばに参ります」

 その前に鶴は、躊躇もせずに、懐に隠し持っていた短刀を、自分の喉に突き刺して、自害していた。


 鶴がこの世の最期に見たもの、それが集落に咲いている美しい「桜」の花びらだった。

 まるではかない人生のように、儚い桜が、その最期の風景になった。


 それが戦国を生きる武士の女だった。はずかしめを受けるよりは、潔く死を選ぶ。現代では考えられないが、それが「美徳」とされていた。


 野盗たちは、上物の女を取り逃がし、嘆息するが、残された子供たちを取り上げて、連れて行った。


 これは当時、子供も女も「商品」として売れるからだった。奴隷としてである。


 こうして、山崎十郎太は死に、妻の鶴も後を追って死んだが。


 彼らの主の氏家氏も、斎藤氏も激怒した。しかも彼らの怒りの矛先は「野盗」ではなく、十郎太であった。


 領民も屋敷も守れず、野盗に滅ぼされ、あまつさえ跡継ぎを野盗に奪われた。これは武士としては「恥辱」になり、世間体が悪かったからだ。

 領主不在の不意を突かれた、という言い訳は通用しない。「武士の恥」とまで言う者もいた。


 当時、農民の一揆によって、命を落とす武士も珍しくはなかったにも関わらず、彼らは厳しい処罰を受けた。


 結果、山崎家は取り潰しになり、歴史から姿を消す。


 残酷ではあるが、これはそういう時代の話だった。領主不在という「不運」が彼らをなおさら、不幸に陥れた。



 長い回想から目を醒ますように、「宿命通」と「天眼通」を解く絹。

(いくら不運とはいえ、報われない人生よのう)


 思い返し、嘆息する絹は、昨年の夏の「出会い」を思い出していた。


(じゃからこそ、あやつに会った時は、驚いた)

 未来を見通す力は、彼女の六神通にはない。


 だが、「宿命通」や「天眼通」で過去も前世も見える。

 それでも輪廻転生した、前世に夫だった男と、今生で再会するとは思っていなかった。


 前世で夫だった男の転生した姿、幸徳井保重には、前世の記憶はないし、恐らくその記憶が甦ることはないだろうが、せめて絹は、前世のような悲劇を繰り返したくはない。

 そう強く思っていた。


(ふふ。まあ、十郎太に比べれば、随分、弱々しく、戦に向かぬ男じゃがな)

 現世の彼のことを内心、頼りないと思いながらも、絹の頬は自然と緩んでいた。



 前世では救えなかった「」を、今生では救いたい。

 そう強く願う絹は、その足で浅草に向かって歩き出した。


 浅草の仲見世なかみせには多くの店が建ち並び、江戸の昔から東京の観光名所として名高いが、彼女は浅草寺せんそうじにも向かわず、通りにひっそりと佇む仏具店に入った。


 そこで、かねてから考えていた「保重の陰陽師としての力」を増幅する武器を探そうとしていた。


「これは、絹さん。お久しぶりです」

 辛気臭い仏具ばかりが並ぶ、狭い店内は、その日も観光客を寄せ付けない雰囲気があり、昼間なのに、どこか薄暗かった。

 客も彼女以外は誰もいない。


 店主は、五十歳くらいの小太りした男で、絹とは知己であった。六神通は元々、仏教に関わる能力で、仏や菩薩が持っているとされる、超人的な能力のことを差す。

 つまり、彼女の六神通の能力と仏具を使って、保重の能力の増幅をできるかもしれない、と期待してのことだった。


「店主。錫杖しゃくじょうはあるか?」

 絹は、店に入るなり、そう尋ねた。


「それはもちろんございますが、絹さんが使うので?」


「いや、わらわの知り合いに贈り物じゃ」


「錫杖を贈り物として、送るなんて、聞いたこともないですけどね」

 驚きながらも、店主はいくつかの棚を回り、錫杖が置いてある棚の前で止まって、指さした。


「こちらにございますが、本来は山伏が使うものですよ」


「うむ。わかっておる」

 短くそう言っただけで、絹は、無数に並ぶ錫杖に見入った。


 錫杖とは、仏教の僧侶が遊行ゆぎょう、つまり修行のために各地を練り歩く際に持つとされる杖で、胴や鉄で造られた頭部の輪形に遊環ゆかんと呼ばれる輪が6個、あるいは12個通してあり、音が出る仕組みになっている。


 仏教の戒律をまとめた書物によれば、この音には山岳遊行の際に、動物や毒蛇などの害から身を守る効果もあるという。

 仏教の教義的には、煩悩を除去し、智慧を得る効果があるとされる。


 通常は、170センチメートル前後の長さを持つが、柄の短い「手錫杖」と呼ばれる物もある。


 また、少林寺拳法では、錫杖を武器として使う、錫杖伝という技まであるという。


 しばらく熱心に眺めていた絹だったが、割と小振りな60センチ前後の手錫杖を手に取り、


「これでよい」

 あっさりと決断を下してしまう。


 遊環が6個ついている、その手錫杖は、どちらかというと、儀礼用に使うような、簡易で小振りな物だったが、保重が持ちやすいよう、また恥ずかしがらないように、彼女なりに考えてのことだった。


「はい。毎度ありがとうございます」

 店主は、絹から金銭を受け取り、そのまま彼女に手錫杖を手渡す。


「それにしても、錫杖を送る相手とは、お知り合いのお坊さんですか?」


「うむ。まあ、そんなところじゃ」

 説明するのも面倒だった絹は、適当に受け流して、それを手に取り、


「ではな」

 店主に背を向けて、店を出る。


 その足で、今度は浅草寺に向かい、人混みを避けるように寺院の裏手に回る。


 そこで、自らの「神にも等しい」とされる、六神通の力を使い、妖力を杖に込め始めた。

 しばらくの間、まるで瞑想めいそうするように、熱心に力を込めて、保重のことを思いながら、彼女は妖力を注いだ。


 やがて、狐火のように、錫杖が青白く輝き始める。

 それを懐に大事に抱き、人目を避けるように、彼女は「神足通」で屋敷に戻った。


 屋敷にはいくつかの部屋があり、元々一人で住んでいた保重には、手持無沙汰なくらい部屋が余っていた。


 彼は、住まわせている座敷童子の茶々、猫又の小梅、雪女のお雪をそれぞれ別の部屋に住まわせていた。


 が、その時は、たまたまだったのだろうか。


 庭に面する縁側に、保重が座っており、その膝の上に大きな猫が乗っていた。虎のような縞模様を持つ、虎猫の猫又だった。


 猫とはいえ、化け物である。体長が1.5メートルはある大猫は、傍から見れば、猫と言うより「虎」に見えるほどだ。それが膝の上に乗っているのは、奇妙な光景だった。


「こうしていると、君も猫らしくて、可愛いね」

 保重が呑気な声で、猫又のあごの下を撫でており、猫又もまた、本来の猫のように、文字通りの「猫撫で声」で、


「にゃあ~」

 と嬉しそうに、目を細めている。


(人の気も知らずに、こやつは)

 その景色を目の当たりにし、心なしか、腹を立てた絹が、近づき、


「保重。これをおぬしにくれてやる。次に物の怪と戦う時は、九字を切った後、この錫杖を敵に投げてみるがよい」

 ぶっきらぼうにそう言った。


「えっ。これを僕に。何だか山伏みたいで格好悪い気がするけど」

 尻込みをする保重に、絹は声を荒げて、


「いいから、持っておけ! 必ずおぬしの役に立つ!」

 と半ば強引に手錫杖を彼に押し付けた。


「何、怒ってるのよ、絹。嫉妬かしら?」

 猫又の小梅に、痛いところを突っ込まれて、絹は、顔を紅潮させ、


「違う!」

 と柄にもなく動揺を隠しきれていなかった。


「やっぱり狐より猫よねえ。どう? この毛並み、綺麗だし、気持ちいいでしょう? ねえ保重くん」

 挑発的な猫目をわざと絹に向ける小梅。


「たわけめ。おぬしは、『猫』というより『虎』じゃな。わらわの毛並みの方が気持ちいいじゃろう? のう保重」

 絹は、思わず対抗心を燃やしていた。


「ええと。どっちも気持ちいいよ」

 優柔不断極まりない保重の態度に、嘆息する二匹であった。


(今度はわらわが、おぬしを守ってやろうぞ。この命に代えても)

 絹は心新たにそう決意していたが、この決意が、しかしながら後に歯車を狂わせてしまうことを、「未来」は見通せない彼女は知る由もなかった。

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