第5話
「……ぷはぁ」
ドン、カウンターに『
「んで……、今晩オレも、なのか?えぇ?」
こくん、と頷く直立不動に佇む曇天の部下こと隠者。
薄暗い、ランタンの明かりがなければ見えはしない。
頬杖を付き、よれよれの
目から生気は感じれず、深淵その物。白のメッシュが入った黒色の髪の毛。煤汚れた顔には気だるげとイラつきが伺えられる。
黒ずみ第1、2ボタンが失くなったYシャツ。裾がビリビリ破れたズボンと色落ちし金具がやや錆びたベルト。
腰掛けた木の椅子の
左の二の腕まで巻かれた白い
「はぁーあ、……しかも新入りもつれてくるんだろ?邪魔になんないようにしてくれんだろうな?
ある、とばかりに頷く。
それに対しいぶかしげる。
「……じゃあ、支度はするとだけ伝えとけ」
※
「本当に……覚悟がおありかな?新入りの」
日が沈み、逢魔時となり始めた頃合い。長い石段を下りながら白宗に媿龍院が問いてくる。
はい、と返事だけを返す。
「……、そうか」
何かを口に出そうとした、だがしなかった。これから精神衛星に悪いと言おうとしたがやめた。
「
「……でも」
「でももさっちもない。
それでもか、と念を押に聞いてくる。しばらく沈黙してしまい答えられなかった。はぁ、ため息一つを吐き、まぁ答えなくと構わんと吐いた。
そんな話をしていたら、最後の段を踏み下りる。ふと空を見上げ、媿龍院の眉間にはシワを寄せ「間に合わんな」と言いたげにする。
「あー、白宗。これを渡しておく」
銀紙に包まれた丸い2つの塊を渡す。渡されたそれは手に媿龍院の手に収まり、白宗には多少大きすぎた。
手渡された丸塊と媿龍院を交互に見る。何これと言いたげ層に口を半開く。
「
「は、はい……」
「さて、さてさて……急ぐとなると。飛んで行くか」
ぷしゅうぅ、媿龍院の体から煙がもくもくと沸いて出る。顔の半分が白煙と化すと東の地に伝わる龍の顔と変化する。
園~SONO~ Kelma @kelma
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