第35話 王国騎士団の目的 フォルブルク家
王国騎士団達とフォルブルク家の屋敷に翌日やってきた。ミューラは、用がないので帰って行った。僕は一度、家に事情を話てから屋敷に来ている。
「フォルブルク家当主、サフマン・フォルブルク伯爵。この度は、領民エルジュ殿への協力要請の為に参りました。」
王国騎士団がサフマン様に相談の為にきている。謁見の広間には、正面にサフマン様とアリス様が座っており、騎士団達は、膝をついている。壁際にフォルブルク家の騎士達が護衛としている。サーシャさんも離れた場所にいるから、嘘かどうか確認するのだろうな。
王国騎士達の態度に、王様じゃないんだから、そこまでするのか?と思ったが、下手したら帝国からこの街が標的にされると、騎士団長のパリスが僕に教えてくれた。なので誠意を見せるのだ。
「うむ。王国騎士師団長自ら来るとは、余程の事なのだろうな。」
サフマン様が騎士団達を見て言う。騎士団の隣に立っている僕に同情の目を向けてくる。
パリスが王国騎士団副団長が帝国に囚われている説明を、サフマン様に説明する。
「なるほど。そこで、エルジュの力が必要なのか。ところで、預言者に何と言って預言して貰ったのだ?」
「はい。副団長を確実に救出でき、王国にとって安全な人物を預言してもらいました。エルジュ殿と他にもいましたが、一番安全な人物がエルジュ殿だったのです。騎士団の犠牲者がとても少なかったのです。」
他の人も預言者が出したが、王国騎士団が犠牲になると預言が出たのだろう。いろいろな条件で預言して、僕に行き着いたみたいだ。仲間に預言者が欲しいと、僕は凄く思うよ。
「事情は理解した。しかしエルジュは、まだ10歳の子供だ。15歳の成人の儀式も済んでいないのだ。」
サフマン様は、僕の事を心配してくれている。ありがたいな。
「我々王国騎士団が、エルジュ殿をお守りすると誓います。なので、力を貸してください。」
僕は、面白そうだから良いけどな。お礼が気になるけど、どうなるのかな。
「エルジュは、どう思う?」
「はい。ぜひ僕の力が必要なら使ってください。きっとサフマン様の理想の世界の一歩になると思います。」
僕は答える。サフマン様の印象が上がれば、領地が増えて良い街が増えるだろう。
「そうか。ならばエルジュよ。王国騎士団に協力してくれぬか。危険だと感じたら、命を守る為にやめる事も必要だからな。よいな、師団長よ。」
パリスさんは、はいと頷き肯定する。
僕も死んでまでは、嫌だからな。
「それではまず、王国騎士団長に会いに行きます。本日出発します。」
今日もう行くのか。出発の用意しようか。
サフマン様とパリスさんが僕の知らない契約を結んでいるが、きっとお礼の話だろうな。
「エルジュさん!」
サーシャさんが僕に近いてきた。
「王国騎士様の話は、真実です。あの中に裏切り者はいません。でも他の団員は、分かりません。」
サーシャさんが小声で話してくれる。
裏切り者?団員の中に帝国の裏切り者がいるのか。いないとは、言えないな。
「ありがとうございます。きっと大丈夫ですよ。預言者が大丈夫だと僕を指名したなら、何とかなりますよ。」
預言者は、僕の名前を出したなら、きっと大丈夫だろう。たぶんだけど。
サフマン様とパリスさんの話が終わり、屋敷を出る。僕の家にパリスさんが来て父さんと母さんに説明する。
「エルジュ。お前は、強い。だが世界には見たこともない強敵がいる。だがエルジュの力があれば、きっと大丈夫だ。頑張ってこい!」
父さんは、熱く語る。そして僕に大量の魔物石を渡した。僕のウエストポーチに全て入れた。
父さんは、僕の大量のアクセサリーを使い、ハリソンのダンジョン全50階層を走破したのだ。下層のモンスターの魔物石が大量に入っているだろう。これがあれば、きっと大丈夫だな。
母さんは、「気をつけてね。お土産待ってるから。」とまるで旅行にでもいくかの様に言っている。お土産買う余裕があるか分からないが、帝国土産でも持って帰ろう。
僕は、行ってきますと二人に言い、王国騎士達と共にハリソンの街を出発した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます