第34話 王国騎士団の目的

 ダンジョン攻略も終わり、ダンジョンを出ると、騎士3人と神父さんが待っていた。


 僕のレベルは、41に上がり、ミューラのレベルは、12まで上がっていた。


「これにて新人天職者レベルアップキャンペーンは終了です。宿屋は、こちらで用意したので、案内します。」

 神父が言うがパリスが話だす。


「神父さん。街へは俺たち王国騎士が護衛するから、あんたは一人自由に帰ってくれ。」

 パリスが一枚の紙を見せると、神父が「王家の紋章」と小さく呟いた。


「分かりました。ミューラさんとエルジュ君を頼みましたよ。」

 神父は一人帰って行った。


「それじゃ街の宿屋に行こうか。」

 パリスが真剣な目付きに変わる。他の4人の騎士達も気合いが変わった。


 嫌な予感がするな。騎士達の覚悟が伝わってくる。


 僕達は、街に戻り騎士達の案内された宿屋に着いた。


 これは、宿屋じゃないだろ。

 街を納めている貴族の屋敷程の建物、王国騎士詰所に到着した。


 中に入ると、10人の騎士達が出迎え、食堂に案内された。ミューラは、緊張しているのか僕の腕に捕まっている。


 食堂のテーブルには、料理が並び、騎士達も席につく。


「エルジュ君、ミューラさんぜひ楽しんでくれ。」

 パリスの合図と共に食事が始まった。


 パリスやココミが話掛けてくるが、とても緊張した話かたで気持ち悪い。


 食事も終わりパリスが口を開く。


「今回我々王国騎士団がこの街に来たのは、お願いがあったからだ。」


 お願い?


「ある問題を解決する方法を【上位預言者】に聞いた所、黒髪で天職【アクセサリーショップ】の男の子が全てを握ると言われたのだ。そしてその【上位預言者】には、男の子に全力で味方にならないと、お前達騎士団は壊滅するともいわれたのだ。」


 何しにその預言。王国騎士団を僕が壊滅させるなんて、ふざけた事を言うのか。


「それは、確かですか?」


「嫌わからない。確認する方法がないからな。」

 パリスは答える。


 確認する方法か。騎士団が壊滅したら本当だろうが、壊滅したら終わりだな。


 聞きたく無いけど聞くか。

「それで、その問題とは何ですか?」


「それは、我が王国騎士副団長が呪いを受けてしまったのだ。相手は、帝国騎士団からの攻撃でだ。」

 王国とは隣の国の帝国からの攻撃で、呪いを受けてしまったらしい。


 なるほど。解呪のアクセサリーで治せ的なやつかな。


「その囚われている騎士副団長を帝国から救い出すのが、エルジュ君に掛かっているのだよ。」


 ん?囚われている?


「騎士副団長様は、王国にはいないのですか。」

 僕は聞いて見る。


「そうだ。帝国に囚われている。」

 パリスが残念そうに話す。


「ありえない。」

 僕は小声で呟く。

 何でそんな面倒な事になってんだよ。呪いを見てなるほど、呪い無効Lv3で治りますね。はい解決で良いじゃん!帝国から助けるなら、帝国を攻めないといけないじゃないか!


「俺たちにもっと力があれば、帝国騎士なんかに負けなかったのに!」

 パリスがテーブルを叩き叫ぶ。食器がガチャンと浮き上がった。


「分かりました。僕のできるだけの力は、貸します。けどお礼はください。」

  助けるのは、しょうがない。拒否できないからな。お礼は、何がいいかな。サフマン様に任せようかな。


「分かった。我々王国騎士第8師団が責任を持ってエルジュ殿をお守りする。」

 騎士達が立ち上がりパリスさんが宣言する。



 うん。ありがとう。ミューラさんは、関係ないのね。良かった。


 それよりも、預言者は、僕の事を出すんじゃねぇよ。


 心の中で、顔も知らない預言者に悪態をつくエルジュであった。



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