第33話 新人天職者レベルアップキャンペーン ダンジョン攻略

 僕達4人パーティーの天職を確認する。


 エルジュ【アクセサリーショップ】

 ミューラ【回復術師】

 パリス【剣士】

 ココミ【狩人】


 前衛が僕とパリスで後援がミューラとココミだ。


 ココミさんは、弓が基本装備だが、盾も剣も使えるので、今回は、剣と盾を装備している。


 パリスは、大剣をかついでいる。

 ミューラは、木の杖を持っている。


「エルジュは、冒険者なのか?立派な装備だな。」

 パリスさんが言う。僕の装備は、一般的な装備だ。


「はい。冒険者となりダンジョンに入ってます。」

 

「ほう。何階層まで行ったんだ?」


「先日やっと30階層のボスを倒しました。」

 30階層のボス、シャドウリザードを一人で倒したのだ。剛力Lv3の攻撃でゴリ押しした。


「な!30階層か!そうか。良い仲間がいたんだな。」

 パリスは、仲間と一緒、いや仲間についていって倒したと思っているのだろう。仲間が倒したが、いかにも自分が倒した様に話すのは、子供だから見栄を張ったと思っているのだ。ココミさんも同じく思っているのだろう。


 話していると、ゴブリンが3匹でてきた。


「ゴブリンか。よしエルジュ行ってみようか。」

 パリスが大剣を構えるが、僕は、ウエストポーチから手のひら程の鉄球を取り出す。


 腰に着けた10連剛力Lv3のキーホルダーを発動させ、鉄球をゴブリンに投げる。ゴブリンリーダーのドロップアイテムの大剣を鉄球に作り変えたのを、ウエストポーチに入れている。


「グギャ!」

 一匹のゴブリンの頭に高速の鉄球がぶつかり、ゴブリンの頭が砕けた。


 残りの二匹にも、鉄球をぶつけて絶命させる。ゴブリン達は、魔物石を残して消えていた。


「終わりましたよ。」

 僕は、魔物石を拾い話す。この方法なら、離れていても、ゴブリンリーダー位なら倒せる様になったのだ。


「魔法袋か。この鉄球を投げるのか。」

 パリスが一つの鉄球を拾い眺めている。この鉄球は、5kg程の重さがあり、直線に投げるには、コツが必要だ。


「エルジュの強さは、問題ないな。むしろ何しに来たんだ?」

 パリスが不思議そうに聞いてくる。


「街の外が見たかったのです。」


「ダンジョンは、ついでか。教会や王国が旅の費用を出してくれるから、タダで旅が出来るからな。よし、次はミューラが行ってみるか!」


 歩いて行くと、ゴブリンが2匹いた。


 ミューラの攻撃は、杖で殴るか、光魔法だ。


「ほらよっと!」

 パリスが二匹のゴブリンの足を切り落とし、ミューラが光魔法でとどめをさす。


「ホワイトアロー」

 光の矢が、ゴブリンの頭に突き刺さり絶命する。


「出来ました!」

 ミューラが嬉しそうに、ぴょんぴょん跳びはねている。


「魔力は、大丈夫なの?」

 ココミがミューラに聞くが、ミューラは、わからないみたいだ。僕も最初は、分からず気絶したから注意が必要だな。


 その後進みゴブリンを倒していく。僕は、鉄球でたおし、ミューラに短剣を貸して、とどめをさしていく。ゴブリンの手足を切り落とし、ミューラがとどめをさすだけだ。


 2階層に降りると、ゴブリンマジシャンがでてきた。魔法攻撃もあるが、問題なく倒していく。


 3階層になると、ゴブリンナイトが出てきた。少し強くなったが問題なく倒している。ミューラは、戦闘せず、とどめをさすだけだ。戦闘したら、死んでしまうだろう。


 合計2時間ほどで、ボス部屋の扉に着いた。


「ボスは、ゴブリンナイト2匹とゴブリンリーダー3匹、ゴブリンマジシャン5匹で合計10匹ほどだからな。」


 うん。余裕だな。だがこれはどうなんだ?


「エルジュも気付いたか。今回は、扉が漆黒の扉だ。この漆黒の扉だとボスの強さが倍になるぞ。」


 合計20匹になるのかな?余裕だろうな。


「危なくなったら、俺とココミでやるから、エルジュとミューラは、壁際で隠れていろ。」

 パリスさんとココミさんなら倍のボスでも余裕なんだろうな。


「分かりました。」

 ミューラが答える。ミューラの出番は無いだろう。


「一つ試したいことがあるので、僕は魔法を使って良いですか?」

 炎魔法を一撃決めるのだ。


「もちろんだ。危なくなったら下がれよ」


 パリスさんも許可してくれた。


「よしいくぞ。」

 パリスさんが、漆黒の扉をあける。


 一際デカイゴブリンが見える。


 高さは、5メートル程のゴブリンで、両手に3メートルはある巨大な斧を持っている。今まで見たことないやつだ。

 他は、ゴブリンナイトやゴブリンマジシャン、ゴブリンリーダーが50匹ほどいる。中心に巨大なゴブリンがいて、他のゴブリンが囲んでいる。


「おいおい、ゴブリンキングじゃねぇか!エルジュ!作戦変更だ!俺があいつを仕留める、ココミはエルジュとミューラを守れ!」

 パリスが大剣を構え、大声で叫ぶ。

 ココミさんが僕とミューラの前に立つ。


 ゴブリン達は、ニヤニヤした顔で僕達を見て動かない。まとまってみている。


「もっと中に行くと動くのかな。」

 5階層のボスもそんな感じだったなと、懐かしい気持ちでゴブリン達を見て、僕は両手をゴブリンに向ける。


「ファイアーロード」

 僕はゴブリン達の周りを螺旋状に魔力を込める。中心は、ゴブリンキングだ。


「ファイア!」

 僕が発すると、螺旋がに火柱が上がる。


【ファイアーロード】は、炎の通り道を作り、【ファイア】は、炎魔法で火柱を上げるのだ。


 魔法の勉強をして、できた炎魔法だ。


「グガガガ!」

 ゴブリンキングが断末魔を上げて倒れこむ。斧は、溶けて床に鉄が流れている。周りのゴブリンは、跡形もなく消え失せた。


 ゴブリンキングも燃えて消え失せ、床に大量の魔物石とドロップアイテムが落ちていた。ゴブリンキングの斧も溶ける前の状態で2本落ちていた。


「終わりましたよ。」

 僕は、3人を見ると固まっていた。


 ゴブリンキングの魔物石

 レベル53

 効果 斧術Lv2


 レベル53か強かったんだな。斧術はいらないな。


 僕が魔物石を拾っていると、3人は動き出した。


「エルジュ。俺は決死の覚悟をしたんだぞ。それをお前は、当たり前の様に倒しやがって!」

 パリスさんが僕の頭を撫でてくる。


 ココミさんにミューラさんが「二人も出来るの?」と聞くが「出来る訳ないでしょ!」と感情を出して否定している。


 巨大な斧は、魔法で溶かしてリュックサックスに入れた。所有権は、僕なのだ。


 こうしてダンジョン攻略を終了した。



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