第9話 魔鉱石
魔物石に炎魔法を使うと、魔鉱石ができた。
「父さん魔鉱石って知ってる?」
「魔鉱石って魔法が使える石の事だろ。火魔法の魔鉱石なら火魔法が使えるってやつだな。魔剣とかの材料になる、ダンジョンの40階層のボスがドロップするのが有名だな。」
ダンジョンにはボスがおり、5階層ごとにボス部屋があるのだ。40階層ともなれば、一流の冒険者しか入ることはできない。
「これ腕力強化の魔鉱石なんだけど。」
「これがか!魔鉱石が作れるスキルか!」
父は緑色の魔鉱石を眺めている。ちょっと試していいか?とのことなので、うなずく。父は魔鉱石に魔力を込める。
「ん?なんともなさそうだな。」
左手に魔鉱石を握り、右手で剣を振っている。
「普通ならそれでできるの?」
聞くと父は、うなずく。魔鉱石に魔力を込めると効果が発揮されるらしい。
「アクセサリーにしてみようか。」
魔鉱石を受け取り、紐を通す穴を炎魔法で開ける。紐を通して、父に渡す。
父は首に紐をかけ、剣を振っている。
「おお!これは凄いぞ!」
父は剣をブンブン振っている。魔物石は、光もしない。
「レベル1でこれか。強化系のスキルは、レベル1で20%アップだからな。」
と言う事は、父の腕力が20%アップしたのか。
「凄いのはそこじゃないぞ、エルジュ!魔力を使わなくてもスキルが発動しているのだ!」
剣を上に突き上げた。
決め台詞が決まったのか?いや魔力を使わないでスキルが使えたら凄いどこじゃないな。魔法を使い放題だってできるだろう。
父からネックレスを受け取り、装着する。短剣を振るが気持ち軽くなった様に感じる。
「これ凄いけど、危ないよね?」
「う〜ん。確かに危ないな。特にエルジュ自身の身が危険だろうな。」
魔物石から魔鉱石を作れる天職。しかもスキルを使いたい放題なのは、悪人に渡ったら大変だ。
「あ!」
持っていた短剣が少し重くなる。
話していたのが5分くらいかな。振ってたの合わせて10分くらいが限度なのかな?
「今効果がきれたよ。」
父にネックレスを渡し確認してもらう。確かに効果が無くなったみたいだ。石の見た目は変わっていない。
「効果が10分限定か。それでも凄いな。珍しいスキルならそれだけで稼げるだろうな。」
父は嬉しそうに話している。保険に持っていれば強敵でも倒せるかもしれない。
「もう一度溶かして見るよ。」
魔鉱石を溶かして、また固めてみる。緑色の石が手元にある。
魔鉱石
効果 腕力強化Lv1
効果時間 10分
「ん?効果時間ってでたんだけど。」
なんだこれ?
「素材鑑定眼のレベルが上がったんじゃないか?」
スキルのレベルが上がったのか。これならもっと面白い事になりそうだ。
「エルジュ!12時過ぎちまった!そろそろ帰ろう。お昼に間に合わなくなるぞ!」
父は腕時計見ると、焦る様に出口へ向かっていく。
母が家で待ってるのだ。早く帰らなければ。
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