第5話 帰宅

 僕は、ふかふかのベッドの上で目を覚ました。

 確かダンジョンで炎魔法を使ったはず。なぜ?


 考えていると、自室のドアが開いた。


「おお!目を覚ましたかエルジュ!」

 カイルが部屋に入ってきた。装備ははずされ、部屋着だ。


「うん。でもどうして家にいるの?」


「魔力枯渇のせいだろうな。炎魔法を使うには、魔力量が足りないせいで気絶したんだろう。」

 カイルが気絶したカイルを背負い、家まで帰ってきたのだ。


 あの威力の炎魔法を魔力12で使う事は、普通できない。なぜできたのかは、ゴブリンを素材と認識していたため使えるのだ。


「あれだけ強力ならレベルを上げれば魔法使いとしても、一流になれるだろう。」

 カイルは嬉しそうに話す。


「ゴブリン3匹を一人で倒したから、レベルも上がるだろう。ほれ魔物石だ。」

 濃い緑色の小さな石を渡される。


 ゴブリンの魔物石

 レベル1

 効果 腕力強力Lv1


 ゴブリンの魔物石

 レベル1

 効果 脚力強化Lv1


 ゴブリンの魔物石

 レベル1

 効果 投擲Lv1


 一つ一つ効果が違うな。でもどうすれば使えるか、分からないな。


 ゴブリンの魔物石を見ていても分からない。


「魔物石ってスキルを使える天職ってあるの?」

 父に聞いてみる。


「嫌聞いた事が無いな。いや【錬金術師】の天職ならできそうだな。」

【錬金術師】は、最上位の生産職で鉱石の合成を得意としている。魔法も使え、魔物の素材から強力な武器を作れる天職として有名だ。錬金術師は、いま一人しかいない希少な天職だ。

 でも魔物石を使うのは聞いたことないな。


「そうですか。なら【アクセサリーショップ】なので、魔物石もアクセサリーにすれば、効果が出そうですね」


「そうだな!アクセサリーかぁ。父さんは、あんまり知らないからな。母さんと一緒にアクセサリーが売ってる店に行って見るのも面白いだろうな。」


 アクセサリーを売ってる店は、そこらじゅうにある。雑貨屋でもキーホルダーがあり、宝石店なら、ネックレスや指輪など高級品があるだろう。見るだけで素材鑑定眼のレベルが上がるかもしれない。


 話していると、母ローズがやってきて、心配したように話す。異常も無いため、夕飯の時間となり食事を済ませる。


 家にある道具は、魔法道具でエネルギーとして魔物石が使われている。明かりの魔法道具や、料理で使う火の魔法道具などに、魔物石を入れると使える仕組みになっている。この魔法道具は、【発明家】の天職を持つ人が開発したと聞いたことがある。



 家にもエネルギー用の魔物石があるため、気になる効果がないか探してみようかな。



 明日はアクセサリーが売ってる店にでも行こうと今日は休むことにするか。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る