第2話 アクセサリーショップの能力

 神父が儀式を閉めるとエルジュは、辺りの物体が今までと違く見えていた。


「どうだ?変化はあるか?」


 戦闘職のカイルは、天職の儀式後に筋力などが上昇する感覚があったのだ。息子がどんな変化があるか気になるのだ。


「うん。変なのが見えるよ。」

 父カイルに答える。エルジュがカイルを見ると、身につけている指輪の詳細が見える様になった。


【結婚指輪】

 素材 銀

 効果 なし


 宝石もついていない、シルバーのリングだ。


「父さんがつけている指輪の素材が見えるよ。」


 カイルがこれか?といいながらエルジュに指輪を見せる。


「そう。銀で出来ているんだね。」


「そうだぞ!よく分かったな!【アクセサリーショップ】のスキルなのか?」


「多分そうだと思う。」

 詳しい内容は、全くわからないが。


「せっかく天職の儀式が終わったから、ステータス鑑定でも行くか。」


 天職を授かった子供は、教会でステータス鑑定を行うのだ。自分のレベルやスキルについて知ることができるのだ。ダンジョン内にいるモンスターを倒すと、レベルが上がる仕組みになっているが、天職のスキルは、天職を活かすとレベルが上がるのだ。


 天職の儀式を終わった子供達全員がステータス鑑定を受ける為に、まだ教会に残っていた。



 先ほどの神父が戻ってきて、子供達に一枚の紙を渡していく。この紙にステータスの詳細がのっているのだ。



 エルジュは、カイルと共にステータスの書かれた紙を見る。


 エルジュ 10歳 レベル1

 天職【アクセサリーショップ】

 天職レベル1

 攻撃 8

 防御 7

 速さ 7

 魔力 12


 天職スキル

 素材鑑定眼 Lv1

 素材分解 Lv1

 素材合成 Lv1


 一般スキル

 炎魔法 Lv1

 水魔法 Lv1

 風魔法 Lv1



「おお!魔法か使えるのか!」

 カイルは、魔法が使えない。【戦士】のスキルでは、魔法を覚える事ができなかったのだ。その代わり、肉体強化スキルがあるため、接近戦に絶大な効果を発揮する。


「炎魔法って火魔法とは違うのですか?」

 エルジュは、疑問をカイルにぶつける。


「炎魔法!かぁ〜凄いな!炎魔法ってのは、【魔法使い】の天職がレベルが上がった時に覚えるって聞いた事があるな。モンスターの魔物石さえ溶かす程の火力があるらしい。簡単に言えば火より強い火力が出る凄い魔法ってことだ!」


 魔法使いでもレベルを上げないと使えない魔法が、レベル1で覚えてるって事は、アクセサリーショップに必要なスキルって事だな。



「それではこれで全て終了です。ありがとうございました。」

 神父が頭を下げる。


 なるほど全て終わったから、もう帰れってことだな。



 6組の親子は、教会を出て家路を歩く。







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