第2話 巻きで参ります
宝石に驚いているうちに満月が南中し異世界の扉が閉じ帰れなくなった押しかけ女房のオーク族の巨人女性マイ。
追い返すことも出来ず、しかしその鎧姿ではどうにも話が進まないと
透も慌てて追いかけていくが少し離れた駐車場の巨大なキャンピングトレーラーに乗り込むマイ。
ああこれでここまで来たのかなるほどそれで誰にも咎められなかったのだなと納得しつつもなぜオークの女の子がまるでN〇SAの火星探索車みたいな超近代的な車を持っているのだろうと新たな疑問が浮かぶ透。
しかしそんなことよりしばらくして再び現れたマイの姿に愕然。鎧を脱いだのはいいとしてキリリとふんどしに短い半被姿。
さっきまでのビキニアーマー姿よりも露出度激しいじゃないかと焦りまくるがこれがオークの私服で他には服はないと言われ人目を忍んでアパートに戻るのであった。
騒音が無くなったのは近所付合い上結構なことであったが目のやり場に困るその姿。透が顔を真っ赤にしながらサイズを聞くとあっさり教えてくれるマイに僕の勇気を返せと心の中で愚痴りながら
海外ショップのウルトラキングサイズで何とかおさまりそうだったのは幸いであった。
とりあえずその夜はそのまま寝ることにするがまたそれが一苦労。マイが横になると部屋全部を占有する。
紆余曲折の末、マイの上に布団を敷いて寝ることになった透であったがそれで朝までもつ筈もなくマイが寝返りをうった途端に布団ごと簀巻きになったのであった。翌日通販商品が到着し着替えるマイ。下着はともかくTシャツとスパッツはパンパンでかろうじて胸と二の腕、腰と太ももをカバーする程度であった。
しかしそこは透も既に考えており別途購入した長めのエスニック柄の布を羽織り腰で縛ると南アジアの民族衣装のようでこれがマイの褐色の肌と緑の髪によく似合うのであった。
巨大なサンダルも用意しようやく外出できるようになった二人はマイが暮らせる家を探しに近くの不動産屋へ。
が身長275.0センチメートル体重320.0キログラムが収まるような部屋はなく途方に暮れていたところ電柱に吹き抜けロフトハウスの張り紙があるのに気がつく。
なんとすぐ近所に平屋天井高4.5メートルで窓側がロフトになっている物件。家賃はかなりだったがマイが持参したうち最も小さな宝石をおそるおそる商店街の宝飾店で見てもらったところ本社から偉い人たちが何人も来る騒ぎとなり億近い金額を提示され透の魂が抜けたという事件もあり支払いには問題がなかったので即契約。
あれよあれよと引っ越しも済み(キャンピングトレーラーに透の荷物が全部入ったし力仕事はマイが一瞬で片付けたので業者要らずだった)どういう加減かロフトハウスの駐車場がトレーラーにぴったりサイズだったりトイレや風呂が異様に広くマイでも大丈夫サイズだったのが不思議であったが生活拠点が定まったのは僥倖であった。
透は会社に行かねばならないため昼間はマイ一人である。
透からはあまり外に出て目立たないようにと言われているがそこは年頃の女の子近くの商店街やスーパー、ショッピングセンターへ民族衣装姿でついついウインドーショッピング。
当初こそ驚かれたりしたものの数日もすると周りも慣れやや慣れ方が不自然に早いのが気になるもののいつしか商店街の人気者に。
ふとしたことでショッピングセンターにあるジムのウェアがXXXXLLLLサイズまであるのを知りためしに着てみるとこれがなかなかのフィット感。民族衣装からトレーニングウェアにチェンジして買い物に行けば商店街のおじさんおばさんがお魚やお肉をやけに安くしてくれたりで衣食住が満たされ生活も安定。
しかし透はマイと同居は始めたものの未だ正式な婚姻はしていないのであった。
だってまだ両親に挨拶してないから! フライングダメゼッタイ!
そんな二人を初日からずっと黒塗りの車で見守る影が二つ。超国家機構『特殊移民対策協議会』。
やがてある日突然商店街に出来た交番。おまわりさんというよりミニスカポリスな二人の女性巡査は協議会のエージェントKKアンドMMこと、
特殊移民対策協議会の目的は何か。そしてマイは透の本当の奥さんになれるのか。そもそもそんな話が語られるのか!?
さて、そんなこんなで舞台は出来上がりました! そしてどのような設定があろうとも、この物語はあくまで
◇◇◇◇
今回は、ちゃんと小説で書くとものすごく長くなってホームドラマまで届かないうちに力尽きそうだったので、こんな感じにしてみました。
ものすごい早口で語ってる風で読んでいただくと、作者の意図どおりになります。
ちゃんと書け! という感想をたくさんいただいたら考えます(横暴)。
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