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 結局。


 最後まで。


 見つけられないまま。


 卒業の日が来た。


 やはり。SNSの投稿だけでは、特定するのは無理だった。他の正義の味方もまったく力を貸してくれず、なぜか、にやにやするのみ。


 卒業生の名前が呼ばれていく。人を探すだけで、誰とも仲良くなることはなかった。もともと学位が目的だったので、平和な無菌室に閉じこもっておべんきょうしている連中に興味はない。


 自分が求めているのは。このSNSの先にいる、彼女のみ。


 卒業した以上、もう二度と。


 見つからないのかもしれない。


 卒業式。


 最後のチャンスだったのに。


 見つけられ、なかった。


 感動のあまり何人かが失神し、保険室に運ばれるほどの素晴らしい卒業式のなかで。


 自分ひとりだけが。


 切なさにまみれている。


「もう、いいか」


 自分も、保健室経由で。


 名前が呼ばれる前に、卒業式を抜けよう。


 見つけられないのなら。無意味だ。


 外に出る。


 いつもの風景。これも、最後か。


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