第4話 伴に、世界の終わりまで
目覚めた先は、見慣れた風景だった。
―何故・・・・・・。
あれは、夢だったのだろうか。
「・・・おかえりなさい」
聞きなれた声に振り向くと。
「それと、ごめんなさい。今更、許してもらえるとは、思わないけれど・・・」
彼女はそれきり俯いて、言いよどんだ。
それで、オレはすべてを理解した。
あれは夢ではなかったと言うことと、そして。
彼女が、覚悟を決めたことを。
「・・・君が謝ることなんて、何も無いよ。悪い夢にうなされていた、それだけのことさ」
そう言って、震える彼女の肩を優しく抱いた。
「ようやく分かったの。あたしには、あなたしかいないって。今更そんな都合のいいこと言っても、許してもらえるなんて思ってない・・・でも・・・本当に」
「分かってるよ。だって、オレたちは―オレたちの運命は、生まれた時から、定まっていたんだから」
彼女を抱きしめる腕に、いっそう力を込めた。
「・・・そうね。ずっと、一緒に生きてきたんだもの、ね・・・これからも―」
たとえこの先、二人に未来は無くても。
「―一緒に、どこまでも、逃げ続けよう―」
静かにオレを見上げて頷く彼女の目に、もう迷いは無かった。
※副題「おかえりセブン」
「さよならセブン・・・そして、ようこそ」 青谷因 @chinamu-aotani
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