第27話 膝枕……かと思いきや
とある休日の昼下がり。なんやかんやあって、未咲はわたしの太ももの上に寝ている。
未咲「あっ、玲香ちゃんおはよ……」
玲香「もうお昼なんだけど」
えへへ……と笑う未咲。
未咲「じゃー、今度がわたしが玲香ちゃんに膝枕してあげるねっ」
玲香「よろしく頼んだわ……ん?」
ちょうど眠くなっていたこともあり、甘えさせてもらった。だけど、何かがおかしい。
玲香「あんた、もしかしてさっきおしっこした?」
未咲「えっと……うん……」
もじもじしながら答える未咲。そうしている間に、またさらに未咲特有の匂いが漂いはじめる。
未咲「気持ちいい夢みちゃって、そのことをまだぼんやり覚えてるから、かな……」
玲香「あいかわらずすごい匂いね……これほんとにおしっこなのかしら……」
くんくん嗅ぎ出す玲香ちゃん。やだなぁ、そんなに嗅いだらわたし、おかしくなっちゃいそう……。
と、たまたまもってた果実を近づけてみる。
玲香「はい、あんたの大好きなシトラスの香り」
未咲「やめてよ玲香ちゃんっ……わたし、もう……んんっ!」
はしたない音が聞こえてきても、耳を塞ぐタイミングなんてとても見当たらない。
玲香「こんなことされただけでそうなっちゃうのね……」
幼馴染の為せる技か、はたまた未咲がちょっとアレなだけか……。
未咲「ごめん、きたないよね……わたし、やっぱり膝枕やめ……」
玲香「いや、このままでいいわ」
未咲「えっ、もしかして玲香ちゃん……」
玲香「あのね、勘違いしないで……死んでも未咲の匂いに囲まれて死にたいなんて考えてないから」
未咲「そこまで言おうとしてないような……」
もしかしてその気があるんじゃないかと勘繰ってしまう。
玲香「そうじゃなくて、未咲がすすんでそうしようとしてくれたことがわたしにとって嬉しいだけ」
未咲「玲香ちゃん……」
抱きつきたかったけど、あいにく膝枕中なので断念。心のなかでそうしておいた。
玲香「さて、ひと眠りしたら帰るわよ」
未咲「えー、もうちょっといていいでしょ?」
玲香「じゃああんただけそうしなさい。わたしは帰るから」
未咲「ぶー、玲香ちゃんのいじわる」
玲香「どこがいじわるなのよ……こんなところにずっといたら冷えてしょうがないでしょ」
いくらきょうの陽射しがあたたかめだとはいえ、そうなってしまっても不思議ではない。
玲香「またもらしちゃうわよ」
未咲「そそ、そんなことないもん!」
ひとこと言われ、また恥ずかしくなるわたしだった。
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