第25話 うみちゃんのキャラの秘密

 ロコ「そういえば、うみちゃんはいつからそんな感じなの?」

 うみ「この喋りかたのことか?」

 ロコ「うん。いつからそうなのかなーって」

 うみ「最初はきれいなことばづかいだったんだけど、なんつーのかな……あわないなって」

 ロコ「あわない、って?」

 うみ「きれいすぎると、逆にねらわれるんだよ」

 ロコ「??」


 そういううみちゃんの目は、どこか暗かった。


 ♢


 それは、ひとり真面目に掃除をしているときだった。

 当時のあたしは、いまと違って話すことばもいうほど砕けてなく、ほとんど模倣生だった。


 うみ「きゃっ!」

 A子「お前、いつまでそんなことしてんだよ」

 B子「そうそう、あたしたちみたいにカジュアルじゃなきゃ、ね!」


 つめたい水を浴びせられ、身体は一気に冷える。


 A子「そんなだから万年ただのまじめなのさ」

 B子「覚えとくといいわ、ふまじめなひとが早勝ちするんだってね」

 二人「きゃははっ!」


 ひたすら笑われ、満足したところで去っていく。

 そのときは先生に怒られることはなぜかなく、あたしはそれがとにかく不思議でならなかった。


 うみ「くそっ……なんでだよっ……」


 そのときはじめてそんなことばづかいになった。

 そして……。


 しゅうぅ〜っ……自分から発生しているその音に恥ずかしさを覚えながら、その快感に震えた。


 うみ「こんなに、気持ちよかったんだ……」


 挙動がおかしいと思われていたかもしれないけど、おもらしの事実は誰にも知られずに済んだ。


 その後、どきどきした気持ちを抱えながら家に帰って、ひたすら自慰行為に耽ったことも――。


 ♢


 ロコ「そんな話聞かされたら、わたしまでおしっこしたくなってきたかも……」

 うみ「おいおい、ここで漏らすなよ? もしほんとに無理そうならペットシーツとかおむつあるからそれにしてくれ、頼むから……」

 ロコ「わかってるよ〜。でも、ちょっと興奮してきたから、もう少しだけ我慢したいな〜って……」

 うみ「なんか最近、ますますえっちになってきてないか、ロコ……?」


 ほっといたら漏らしそうで怖い。いいから早く目を覚ましてほしい。


 ロコ「あっ……」

 うみ「あーほらほら、ここにしてくれ、まだ出すなよ……」

 ロコ「うん……あっ、だめっ、でちゃう……」


 言ってるすきに……。

 これ、あたしの話のせいじゃないよな……?

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