第4話 猫のおさんぽ
ある日、わたし未咲が外に散策に行ってたときのこと。
未咲「おっ、あれは……?」
首輪とリードをつけた、猫……?
ちょっと見かけないこの光景に、自然と目は吸い寄せられた。
ねこ「にゃ?」
未咲「きれいな目……」
見ると、その仔はオッドアイだった。
片方が黄色で、もう片方が青。きれいにわかれているものだ。
飼主「こんにちは」
未咲「あっ、すみません、勝手に見つめたりして……」
飼主「いいのよ、うちの仔はおとなしいから」
互いに口数は多くなくても、何かが通じてる。そんな気がした。
飼主「どんな人にもフレンドリーで、さすがわたしの見込んだ仔だわ」
未咲「そうなんですかー……」
わたしは会話の内容よりも、むしろ猫に夢中だった。
未咲「何歳くらいだろう……」
ひとりごとのつもりだった。
飼主「そうね……ことしで三歳くらいだったかしら」
この人の猫のはずなのに、なぜかアバウトだ。
未咲「?」
わたしはすこし疑問に思ったけど、猫のかわいさが勝ってそんなことは次第にどうでも良くなった。
飼主「この仔といっしょにいると、つい時間を忘れてしまうの」
未咲「へー……」
やっぱりおたがいになにかが違えている感じがする。でも、そこを深く気にしてもしかたない。
未咲「また見せてもらってもいいですか?」
飼主「そうね……いつがいい?」
未咲「えっと、二週間後なら……期末の試験が近くて、勉強をですね……」
飼主「なるほどねぇ……うふふ、そのときまで覚えてるといいわね」
未咲「はい、よろしくお願いします」
そう言って、わたしたちは別れた。
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