第124話 異次元ボックスLV7
みんなでレイキャビーク空港へと移動して、Dキューブのプライベートジェットへ搭乗した。
ここから横田に到着するまで二十時間はかかるからその間に異次元ボックスのレベル7で出来ることを検証する。
咲と麗奈が興味津々で俺を見つめる。
異次元ボックスLV7:スライムランク2スキル
(収納10000トン、合成LV5、作成LV3)獲得MP(LUC)×1
新しい能力は発現しなかったけど合成と作成のLVアップが大きい。
作成でレベル3までの能力を付与したアイテムが作れる。
特にマジックバッグが一トンの容量になった事が特筆される。
車も軽なら楽々入るしね!
付与インナー類も各能力三十パーセントアップで作れる。
武器への付与は三属性が可能になった。
ただしLV3の付与はMP消費一万だ……LV2付与は2500でLV1付与で1000のMP消費だけどLV3の付与が出来るのに態々LV2の付与品は作らないからな……
そろそろ緑ポーションのランク5を大量ストックしておかなきゃならないかな……
合成はLV5でミスリル三個を指定すると二十パーセントの成功率に倍増だ!
ミスリルへの合成はダンジョン銅三個を指定して現状の俺のLUCだとついに百パーセントだぜ!
ポーション系統の合成はLV3ポーションへはLV2ポーション三個で百パーセント、LV4ポーションへはLV3ポーション三個で五十パーセント、LV5ポーションへはLV4ポーション三個で二十パーセント。
十分に実用性のある確率になった。
早速、咲と麗奈の下着とバッグに付与をする事にした。
麗奈が咲のLV2付与をした下着を見て提案した。
「咲の使ってたLV2付与の下着とかオークションに出したら絶対凄い値段で売れそうだね!」
「麗奈のでも一緒だと思うけど、マジで言ってないよね?」
どすの効いた声で返答をした咲に麗奈が「ゴメンナサイ」って真剣に誤ってた。
きっとオークションにかけたら俺が買うから!
争う相手が松田になりそうだが……
「TB勿体ないからさLV2が付与してある下着をLV3にできないのかな?」
「あーちょっとやってみるね。とりあえず靴下貸して」
快速靴下LV2にLV3のAGIを付与すると使用MPが7500で済むことが判明した。
助かるっちゃ助かるけど微妙だな……
同じようにマジックバッグも7500のMPで成功した。
効果を把握できたから今この飛行機に乗っているメンバー四班四十八名の装備を全部オリハルコンの三属性に変更してあげたら大喜びだった。
Dキューブの攻略班以外に売れば三十億円くらいの値段になるからね。
マーが下着をアップグレードしてくれと言ってきたけど
「男物の下着は新品以外却下に決まってるだろ!」って言って断った。
しょうがないからマジックバッグだけはアップグレードしてやったけどね。
でも……
その後本部に戻って新品の下着にLV3を付与した物が出回ったころに、男物のLV2やLV1の能力が付与された下着類がネットオークションに出品されて話題になっていた。
誰が男物のUSED下着を買うんだ?
とか思ったけど、結構な高額で売れていた。
あ、そういやパンティーだけは男でも女物だったか……
「マー、もしかして下着売った? 攻略部隊の支給品なのに……」
「はい! いい値段で売れました。俺の顔写真をサービスで着けたのが良かったのかと思います」
「それ絶対違うから……」
「でもボス、売り上げは全額復興支援基金に寄付したからな!」
「それならいっか……」
他の隊員たちもその話を聞いてアップグレードが終わった人間が一斉にLV2以下のインナー装備を売りに出して、復興支援基金に高額な寄付が集まった。
男物の中古下着が売れるとは恐ろしい時代だ。
それから二週間ほどの間に各国の最先端に立っている連中がみんなLV3付与の装備を求めてDキューブを訪ねてくるもんだから大忙しだった。
マイケルやメアリーにも久しぶりに会えてちょっと嬉しかったけどね。
勿論メアリーの胸に久しぶりに埋もれたぜ。
メアリーのブラジャーなんて俺が余裕で片方のカップに収まるんだから相当なもんだよな。
丁度訪れてた彩のブラジャーと同じ用途の下着とは思えなかった……
攻略は次の
今回からは六班体制で四交代勤務制度が導入された。
レイキャビクでの反省を受けて、攻略部隊には全員エスケープの魔石の所持も行われるようになった。
◇◆◇◆
半年が過ぎた。
俺たちのダンジョン攻略とスタンピードの対応は概ね順調に進んでいる。
ついに人口順位で百五十一位のEE(エストニア)までのダンジョン攻略が完了した。
一次ダンジョンしか発生していなかった国においては全てのダンジョンが攻略された事になる。
現時点でダンジョンは四十一層まで発生した。
だが、四十層のスタンピードが起きた時には六次ダンジョンまでのすべてのダンジョンの階層が揃ってしまったという問題を抱えたのだ。
これにより、スタンピードの発生時に六次ダンジョン発生国である日本などでは一斉に国内で六か所のダンジョンがスタンピード起こすようになる。
各国からDキューブに派遣されているメンバーが、順調に実力を伸ばしてくれ各国のスタンピード対応の指揮を執る事が出来るようにはなってくれているので、かろうじて大きな被害は出さずに乗り越えているが、スタンピードによって溢れるモンスターも段々強力になるので、完全に抑えきることは出来ない。毎回ダンジョンシティの中には一定数のモンスターが出てくることになる。
各国には魔道砲がダンジョン一か所につき二十台は装備されるようになっており、基本的にはスタンピード対策で俺が絶対必要という状況にはならずに済んでいる。
俺が対応しなければいけないのはダンジョンごとのラスボスがメインだね。
そしてEEのダンジョンをクリアした時にその瞬間は訪れた。
『ダンジョンナンバー1151クリア。ダンジョンマスターとなるか消滅させることを選べます』
『マスターランクが6に上昇しました』
やっとだ……マスターランクが6になった事により、転移できるダンジョンは六次ダンジョン出現国までのすべてのダンジョンを指定して転移が出来るようになった。
勿論パーティでの転移が可能だから、俺と常に一緒のパーティを組んでる咲や麗奈は、代々木の一層から世界中どこのダンジョンでも転移で行けるようになった。
「社長! 海外旅行行き放題ですね! 幸せです」
「麗奈……あなたは本当に羨ましい性格だよね……」
「咲だって本当は少し思ってるでしょ?」
「ま、まあ、全然思ってないことは無いけど……」
「それで社長、やっぱりロンドンに行くんですか?」
「うん、ポールやジェームズ中佐とも話し合って決めるけど、このままロンドンを聖夜に明け渡すっていう選択肢はやっぱりあり得ないんじゃないかな?」
「でも社長、ランキング百位以内で所在が判明していない人が六十人。千位以内だと七百人。一万位以内では四千人もいるっていう事は、ロンドンダンジョンシティのデーモンアーミーは四千人まで勢力を拡大しているとみてほぼ間違いありませんよ」
「そうだろうな。少なくとも単純な勢力では俺たちのDキューブよりも大きな組織になっているのは間違いないね」
咲が俺に提案してきた。
「私はTBが直接ロンドンに行くことは賛成できないわ。ここはユミさんに交渉を任せるべきだと思うけど」
「そっか……島長官とユミさんを交えて、少し相談してみるよ」
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