第112話 一次ダンジョン二十層スタンピード
VUのポートビラ空港へと到着し、ダンジョンへと向かう途中で麗奈と話してた。
勿論、言語理解の魔石を使ってる!
「この国って、何か変わったネタは知ってる?」
「うん。ちゃんとググりまくって調べたよー。社長が好きそうなネタだと、南の方のタフェア州に『エロマンガ島』って言う名前の島があるんだよ」
「まじか! 楽しそうだな」
「そう思うでしょ? でもね実は、この島、昔は食人族が住んでたんだよー」
「こわっ」
「社長は猫だからきっと大丈夫だよ!」
「子猫だから食えるとこ殆ど無いしな!」
「ねえTB。二十一層の出るのは何日後くらいの予想なの?」
「咲は、まじめだねぇ。えっとね、後十日くらいで出る予定だから、咲達は一週間で戻ってね。こっちにはユミさんと、鮎川さんの二人だけ残って貰って、他のメンバーは全員麗奈達と一緒に各国に戻って貰うよ」
「了解。VUの次は何処だっけ?」
「今度は北だね!
「温泉が一杯ある国だよね。なんか楽しみー」
「麗奈。又なんか面白いネタが無いか調べといてね」
「任せて!」
ポールが引き連れてる、攻略班と合流して二十層での狩りを行いながら、一週間が経過し攻略部隊は、Dキューブのプライベートジェットで日本へと引き上げて行った。
横田へ到着すると、すぐにそれぞれの国へと分散する事になる。
今回は一次ダンジョンの二十層、三次ダンジョンの十五層、四次ダンジョンの十層、更に六次ダンジョンの五層と、日本などの大国では四か所同時のスタンピードになるので、かなり警戒の度合いは高い。
それでも、世界中の各ダンジョンに対して魔導砲は配置されているので、余程のイレギュラー的な事が起きない限りは、大丈夫だと思う。
そして攻略班が戻って三日後に、二十層にボス部屋が現れた。
前の十五層の時と同じで、ポートビラではスタンピードは発生していない。
恐らく俺が突入したら、起こるはずだから突入も出来ないけどね。
十五層に行き、ダンジョン転移で移動する。
十五層からのダンジョン内転移で移動可能なのは、俺のマスターランクに合わせて、四次ダンジョン以降が出現していない国の一次ダンジョンが対象となる。
人口順位で百二十一位の
該当国には二十層の神殿前で待機を伝えてあるので、最初の転移で該当国の何処かへは辿り着く。
そこで俺が一か所攻略をした後で、情報を島長官経由で世界中に流して貰い、自己判断で攻略可能と思えば突入して貰う。
今回は既に該当ダンジョンには必ずDキューブの社員である攻略班のメンバーが最低でも二人以上は神殿の入口に待機しているので心配は無い……はずだ。
ユミさんと鮎川さんには、無いとは思うけど一応誰かがVUのポートビラダンジョンのボス部屋に侵入すれば大変な事になるので、入り口を厳重に見張って貰う様に頼んである。
神殿の門の周りは一応安全地帯だし、大丈夫だよね?
俺が十五層のダンジョンリフトの位置から転移して、スタンピードを搔き分けながら、二十層に到着すると黒目、黒髪で日本人と比べると若干浅黒いかな? と言う感じの兵士が待っていた。
明らかにうちの社員のはずの二人が「社長、お待ちしてました」と声を掛けて来たが……誰だか解んない。
ごめんね……
『ここって、どこだっけ?』と聞くと若干寂しそうに「ブータンのティンプーダンジョンです」と返事をした。
『早速、突入するから、二人は一緒に来てね!』
「「
三人で神殿に突入すると黒い霧に包まれながら中ボスが現れた。
俺のジャッジホンを渡して、写真を撮って貰う。
姿は巨大な牛をさらに攻撃的な見た目にした感じで、とても筋肉質ででかい。
全長は十メートル程もあるだろう。
取って貰った写真で鑑定をかける。
ベヒーモス LV40
スキル
身体強化 LV5
突進 LV5
雷魔法 LV5
弱点
単純にステータスが高いタイプの魔物だな。
弱点が特に無いのは一番たちが悪いともいえるけど、この辺りだとステータス的に俺の方が圧倒的に強いし困難は無いだろう。
俺はオリハルコンダガーに一番火力の上がる炎属性をエンチャントして、ひたすら切り刻んだ。
五分程の戦闘で倒す事に成功し、初回のドロップとして宝箱も出ていた。
一緒に入って来たメンバーに宝箱を譲り速攻でダンジョンリフトから一層へと戻る。
島長官へと連絡し一次ダンジョン二十層、ボスはベヒーモス。
弱点は特にないけど、レジストされる攻撃も無いので遠距離攻撃を心がければ、時間はかかっても倒せると伝えた。
身体強化や突進を使うから、近接攻撃では十層のUSの様に被害が多くなるからね。
今回は一次ダンジョン二十層では、どの国もポーションもミスリル武器も持ってるから大丈夫なはずだ。
一応人口順位で百二十一位以降のダンジョンでは、攻略部隊がそこまで平均的に強い訳では無いので不利だろうと思い、俺が行くまで待機をして一層でスタンピードを抑える事に専念して貰った。
不眠不休で五十一か所を回ったけど、最後の五十一番目を倒す頃には、丸一日が経過していた。
俺がいけなかった所は負傷者は出たけど、撃退には成功していた。
今までとは違って、逆に一層で迎撃するスタイルの魔導砲によるスタンピード対策は完璧で、スタンピード被害は各国とも0で押さえる事が出来たのは明るい話題だった。
三次、四次、六次の同時スタンピードでも、大きな被害は無かったので今回のダンジョンスタンピード対策は成功と言えるだろう。
そして俺はVUポートビラダンジョンへと戻った。
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