第77話 濃ゆいメンバー

 日本からの二人を紹介された後に、島長官が海外からのメンバーを連れて来た。

 今更ながら以前に面識のある各国の諜報局のメンバーたちが揃っている。

 唯一メンバーが変わったのはGBだった。


 この国は思い切ってと言うか攻略班のトップであるポールを送って来た。


『ポールがこっちに来て本国の指揮は大丈夫なの?』

「ああ、俺達と他の隊員の差は俺とTBの差に比べたら、些細なものだから構わない。ただ一つだけ頼みがある。ジャッジホンを攻略部隊のトップに一台都合つけて欲しい」


『それを頼むって事は連れて来てるんだろ? いいよ』


 その場でポールが電話連絡を入れると、三分ほどでGBのダンジョンアーミーの士官が現れた。


「ジェームズ中佐だ。よろしく頼む」


 ジェームズのスマホと、ステータスカードを預かり早速ジャッジホンを作成する。


「二百万USドルは即時でDキューブの口座に振り込んでおく」

『了解』


「TB、俺は攻略組のトップとして本国を長く留守に出来ないからGBに戻る。ポールをよろしくな」


 そう言ってジェームズ中佐はすぐに退室して行った。


『今回うちに出向するメンバーで既にステータスカードを取得しているメンバーが居れば、ジャッジホンは提供するよ? まぁ一応二百万USドルの料金設定は崩すと大変な事になりそうだから、それを本国に承認して貰うのが条件だけど』


 そう告げると、CNの二人とRUのタチアナ、KRのヤン、DEのメンヒルデが手を上げたので、それぞれジャッジホンを作成して与えた。


 攻略に関して使用する武器等に関しては、貸与という形で使用して貰う事にする。

 知り得た情報を本国に伝えたりする行為はダンジョン関連に関しては基本禁止ではない事などを告げた。


 全体的な指揮はステータス的に高く、今までも部隊を率いていたポールに頼む事にする。

 まぁそんなに危険な事は無いとは思うけどね。


「TB、とりあえず何から手を付けたいとかはあるのか?」

『ああ、とりあえずは装備を整えるんだけど、女性は良いとして男性メンバーはちょっと覚悟がいるぞ』


 そういいながら希望の武器種を確認した後で、俺の異次元ボックスに入っているゴブリン産武器にエンチャントした物を用意し、マジックバッグ、ステータスアップの装備品を説明した。


「おいTB……なんでブラジャーとパンティなんだよ」


 これまで比較的寡黙だったCNのマーが立ち上がって口を開いた。


『最初にNDFの斑鳩大佐に協力して貰って装備品を作って見たらその着衣にことわり付けされちゃったから不可抗力だった。嫌だったらつけなくてもいいよ?』


 このマーと言う男性はとても筋肉質でマッチョな感じで、身長も百八十五センチメートルはある男性なので、パンティとブラを付けた姿を想像するのが怖い物がある。


(新しい扉が開かれるかもな……)


「しょうがない。その効果を聞いて着けない選択肢が無いからな。今日中に買い揃えて置くので頼む」


 RUのロマノフは下着には抵抗ないみたいで、それよりもマジックバッグに興味を示した。


「マジックバッグまで既に完成していたのか。これを使えるなら弓の選択肢が高まるな」

『現状は容量が十キログラム分までしか収納できないし、時間停止などの機能は付いてないけどな』


「TB、一ついいかな?」

『彩、どうした?』 


「そのアイテムの所持者は一応登録制にして欲しいんだよね。テロ組織が手に入れた場合、武器の流通が簡単になり過ぎて手が付けられないから」

『俺は構わないけど、そうだとするとDFTに卸すのは駄目?』


「あそこは、その辺りの登録必要事項などは徹底できるから、DFTに卸す分には構わないよ、それ以外に卸すのは現状は止めて欲しいかな」

『それは了解した』


 その後で俺の異次元ボックスで作って欲しい物の要望などあれば、書き出して置いたら暇を見て挑戦してみると伝えて置いた。

 俺の他の能力との兼ね合いもあるから何でもできる訳じゃ無いんだけどね。


 でも今の所、習得出来ている能力から考えると一番欲しいのは、転移系の能力なんだけどな。

 こればっかりは、それらしいスキルを手に入れるしか無いから、気長に待つしか無いよね。


「TB、当面の活動予定なんかはあるのか?」


 その辺りからは咲と麗奈には昨日のうちに話して置いたので、麗奈に話を任す事にした。

 だって肉球でチャットするの結構時間かかるし大変だから……


「えーと社長から伺っている、とりあえずの行動予定なんですが、現在六百か所あるダンジョンの数を減らす事が出来ないか? と言う事です。資源的に考えれば無くなると困る部分は確かにあるのですが、六百か所が同時多発的にスタンピードを起こすようでは人類に危機が訪れるので、スタンピードを止める手段、もしくはダンジョンを消し去る手段を見つけたいと言う事です」


「それは具体的にどういう手段を取って行くんだ?」

「ジェフリー、各国にも協力して貰う事が多いけど、とりあえずは一番可能性が高い所から着手しようと思うの。今現在で一番可能性が高いのは一次ダンジョンがある国の中で最も人口の少ない国と言う事で、VCのダンジョンを集中的に攻略したいと思います。人口十一万程のこの国なら集中して攻略した場合、答えが見えやすいと思うので、GB連邦所属国家だしポールに早速VC攻略の許可を取って欲しいんだよね」


「VCと言うとカリブ海の国か」

「そうね、そこの首都キングスタウンのダンジョン攻略を行うわ」


「了解、すぐに連絡を入れる」


 こうして俺達のDキューブとしての活動は始まった。

 女性メンバー全員の下着に囲まれて少しだけ幸せな時間が過ごせるな。

 ちなみに女性メンバーは今使ってる下着でもOKだけど、男性メンバーのは新品以外は却下と伝えたよ?


 俺はNOと言える日本猫だからね!

 この濃ゆいメンバーたちで世界の平和を守れるのかな?

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