第55話 TOPシーカー大集合
ジェフリーのスパイネットワークにより各国のTOPシーカー達がワシントンDCに居るTBの元を訪れ、
有用な機能が集中したこのスマホだが、今一番大事な部分はダンジョン内で通信が可能になると言う事だ。
US
マイケル(4位)
メアリー(18位)
サンダー(12位)
ロバート(24位)
GB
ポール(7位)
ジョージ(15位)
DE
レオポルト(5位)
エッカルト(13位)
CN
リュウ(3位)
ソン(6位)
KR
パク(8位)
コウ(22位)
FR
アンリ(10位)
ジダン(11位)
RU
アレクサンドル(2位)
エカチェリーナ(14位)
正にそうそうたるメンバーだが、実際にはステータスカード所持者にしかランキングは無いので、もっと知られざる実力者が世界には居るのかもしれない。
ここで彼らの顔を見て置いた事は、この先単独で止められないような事態が訪れた時に、きっと役に立つだろう。
今回集まったのはそれぞれ軍人ばかりであり、大事な使命を帯びているメンバーだ。
『もし分解をして調べようとしたことが原因で故障したりしても、修理はしないよ?』と伝えて置いた。
各国二台ずつなら無謀なチャレンジはしないよね?
それぞれの国のメジャーな機種のスマホを持ち込んでもらい、各自のステータスカードと合成を行う。
特殊機能の部分は本人にしか見えないし操作できないので悪用をされる事は無いはずだ。
逆にステータス調整なども、掛けられた方が承認しない限りいじれないので、スマホがあるからと言って一方的にステータスを調整する事も出来ない。
名前を見てわかる様に、二十位以内に居るのは女性では日本の彩の他は、RUのエカチェリーナとUSのメアリーくらいだな。
見た目では……
メアリーSクラス
エカチェリーナBクラス
彩Eクラスかな……勿論クッションの話だ。
顔面偏差値はみんな恐ろしく高い。
子猫の俺にはそれくらいしか楽しみが無いから許してね……
男の軍人なんて、みんなガチムチで筋肉ラブな奴しかいないから興味は無い。
かつて俺もそうだったが……
でも全員が共通した反応はランキング一位の俺が本当に子猫な事に驚愕していた。
ジャッジフォンを手にすると、それぞれスタンピードが近いので足早に帰国の途について行った。
そして俺達も明日には日本へと帰国する事になる。
最後の夜はメアリーに再び抱っこされて、その魔境のような胸との別れを惜しんだ。
麗奈が「社長に捨てられない様にもっと育てます」と食欲旺盛で、他の部分まで育ち過ぎないかが心配だ。
でもこのUS滞在期間に稼ぎ出した金額は、ジャッジフォンだけで三十二億円。
他にも武器で十五億円、ドロップとポーションの納品で三十億円に上った。
色々と便宜を図ってくれたお礼に、カール大統領にエリクサーを一つ無償で預けて置いた。
でも……後から聞いたんだけど、アシュラフさんから、とんでもない額の石油取引を引き出しUSは超ウハウハだったらしい。
流石だな……
そして、代理人の麗奈は約束通り十パーセントのインセンティブをあげたので、七億七千万円程になって、きっと日本の女子大生の中じゃ一番お金持ちだよね?
咲は「無駄遣いしないようにね?」とか軽く言ってたけど少々使っても無くならないだろ?
税金いくら取られるのか不安そうだった。
所得税や住民税を含めると概ね六割が取られちゃうから四億円は税金だね……
逆に俺は人格が認められていない以上非課税なのかな?
判断やいかに?
◇◆◇◆
「TB、咲、麗奈、穂南、洋子いつでも遊びにおいで。待ってるよ」
滞在中にすっかり仲良くなった、マイケルやメアリー、ナタリーとメーガンも別れを惜しんで俺をそれぞれ抱っこしてくれる。
マイケル必要ないから……
「皆さんも日本に遊びに来てくださいね!」
代表で麗奈が挨拶して飛行機に乗り込んだ。
折角だから帰りの飛行機のチケットは、アシュラフさんからもらったカードで決済をすると、ファーストクラスの一番いい席に勝手に決められてた。
俺は、特別に手荷物扱いで客室に載せて貰う事も出来た。
X線検査を通されそうになったが、それはジェフリーが防いでくれた。
聖夜達も警護の関係上、一緒にファーストクラスになって目を白黒させる。
ジェフリーとデビットは当然と言った様子だ。
結構この辺りの待遇も違うんだな……
全くカード使わないと逆にアシュラフさんも困るだろうから、ある程度は使ってあげよう。
この時になって俺はアシュラフさんから貰ったカードを改めて見るとNameの部分には『BlackcatTB & buddy』と記入してあった。
裏面に注釈が書いて有ってエミさんに訳して貰うと『このカードを提出する事で、TBとその仲間に対してAEの王族と同等のサービスの提供を神の名において約束する』と書いてあるわね。
改めてスゲェと思った。
ワシントンDCから羽田までの所要時間は行きより二時間ほど長く、十四時間半程かかったけどファーストクラスの快適な旅はぐっすりと寝れたし満足だったよ。
俺達は聖夜が呼んでいた黒塗りのいかつい車で丁寧に自宅へと送り届けられたが、これは俺に対する扱いが若干変わって来たのかな?
気になったから聞いてみた。
『聖夜、なんだかUS行く前と扱いが違わないか?』
「TB、隠してもしょうが無いから伝えて置くけど、物凄い高額所得者になっただろ?」
『うん』
「日本としては、TBから税金を納めてもらう方法を考えたいんだけど、USへ行く前に人格は認められないとか決定した経緯があって、機嫌を損ねてるんじゃないかと心配してるんだよ。USは無条件で受け入れを表明しているし、年間何百億円にもなりそうな税収を、日本は何とか納めてもらいたい。でも人格を認めていないんじゃ請求する根拠は無い。それで今は少なくとも日本に居て貰って法律の整備を後付けで整えようと考えてる感じだな」
『それは……随分、自分勝手な理論だよね』
「俺もそう思う……」
まぁ、麗奈たちにも高額な税金を言ってきそうだし、その辺りも世界基準でシーカーの税率とか相川さんが提唱してくれるなら協力を約束するというパターンで手を組むのも悪くないかな?
厚生労働省とコネを作る手腕があるなら、国税庁ともうまく交渉する事も出来るかもしれないしね。
その辺りはジェフリー達のスパイ集団で各国のバランスを取って貰って、世界基準を作って貰うのもありかも?
俺は、お袋と穂南に暫くの間、咲と麗奈の事務所へ住んでもらえないかを提案した。
守る手間が省けるし、その間にこの家の建て替え工事を行い、基礎部分にダンジョン鋼を使うなどして、魔物対策にも優れた家に建て替えようと提案してみた。
USですっかり俺の実力や財力、人脈を見て来たお袋と穂南にも異論はなく、勿論、咲と麗奈の賛成も取り付けていたので、問題無く引っ越しも行われる事になった。
そして現在賃貸である、この代々木公園に面した事務所兼家も不動産屋に交渉して買取をする事にした。
誰の名義で買う? と言う話になったけど、以前少し話題に出たように俺達のパーティ活動を法人にして、法人の所有にする事に決まった。
結構苦しい理論だが個人としては認められなくても、法人の所属として税金問題までひっくるめてクリアしてしまいたい部分もあるしね。
一週間程度で出来るらしいので、後の面倒な話は会社設立が終わってから動こうと言う事になり、とりあえずは代々木ダンジョンでの狩りをして過ごす事になる。
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